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三日坊主日記 VOL.134 『光る君へ』

妻がめずらしくNHK大河ドラマを見ている。しかも毎週欠かさず。


これはめずらしいどころか、初めてのことだ。僕は普段あまりテレビドラマを見ない。理由はあえて大きな声では言わないが、昔から数えるほどしか見ていない。だから、昭和や平成の人気ドラマの話題を振られても、反応がすこぶる鈍い。しかし、大河ドラマは好きでほぼ全て見ている。なぜかと問われると返事にちょっと困るんだけど、見ている。学校の授業では習わない部分、知っている人の知らないドラマを(フィクションだとしても)見るのが面白いのかもしれない。


妻は逆にドラマをよく見ている。暇があると録画したドラマを見る。しかし、大河ドラマは見ない。今年は僕と一緒に『光る君へ』を見ているので、なぜ見るのかと聞いてみたことがある。その時の答えは明快で、戦がないから。血が流れないから見られるというのだ。


その意見はよく分かる。確かに刀や槍を振り回して、血が噴き出すシーンはない。しかし、これまでの戦国時代を舞台にした大河も、そんなにいつもいつも血を流している訳じゃないし、戦のシーンがない大河だってあったはずだ。逆に言えば『光る君へ』だってバタバタと人は死ぬし、策略だって渦巻いている。


では、何が違うのか。まず、主人公が女性というのは大きいかも知れない。しかも、武将や政治家ではなく、大恋愛小説を書いた作家だ。そして、多くの出演女性が男性に対して堂々と意見を述べたり、男性を裏で操っているようにさえ見える設になっている。これは、今の時代にとてもよくマッチしていて、女性が見ても面白いんだろう。そして何より、登場人物が艶やかで美しいではないか。やはり人は、特に女性は美しいものに惹かれるということか。


今回のスタッフは、脚本家もチーフ演出も作曲家も女性らしいので、それも影響しているのか。そのことと因果関係があるのかどうか知らないが、際どいシーンが多い。昨夜も、帝が突然訪ねてきて、客を待たせたまま中宮の手を引いて奥へ消えていくシーンがあった。穿った意見かも知れないが、男性ディレクターが今の時代にこんな演出をしたらセクハラで突き上げられるような気がする。それにしても、こう度々帝の際どいシーンを描いて、その筋からイエローカードは出ないのだろうか。


2025年の大河は蔦屋重三郎。戦の匂いが全くしない。2026年の豊臣兄弟も時代は戦国だが戦の匂いがしない。時代は(NHKは)、SEXを描くよりも戦を描く方がタブーになっているのだろうか。



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