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三日坊主日記 vol.124 『雑草魂恐るべし』

僕が管理している古い家がある。


母の父、つまり祖父が、僕が生まれる前に買った家で、祖父が亡くなった後も祖母やその娘たちが暮らした家。昨年、住人が移動して空き家になっている。僕が管理していると言っても、大したことをしている訳ではない。今のところは、空いた時間に少しづつ必要のない家財道具を始末をしている。


神棚が四つと仏壇がある。神棚二つはすでに頂いてきたであろう神社へ還した。残る二つもなるべく早く還すつもりだ。仏壇もやっと仕舞う段取りをつけた。この神棚と仏壇のことはずっと気になっていて早くなんとかしたかったんだけど、結局一年掛かってしまった。あともう少しで大きな肩の荷がひとつ降りる。


なんと言ってもいちばん大きな問題はこの家をどうするか。なんらかの形で処分すれば良いのだけど、厄介なのは借地だと言うこと。返す、売却する、貸す、再利用する。方法はいくつかあるが、どうするにしてもそれなりの障壁がある。


不動産仲介業者、空き家再生業者、不動産鑑定士、建築業、その他、いろんな人に相談すると皆それぞれの立場でアドバイスしてくれるが、当然ながら誰も決めてはくれない。決め手に欠けるというのもあるが、当たり前だけど当事者が自分で決めないとどうしようもない。


最初の頃は一刻も早く処分したいと言う気持ちがあった。だけど、今ではなんとか再利用できないかとも考えている。もちろん、皆さんの意見を聞いたからこそなんとなくぼんやりと先が見えてきて、なんとかなるんじゃないかと考えるようになったのである。もしかしたら、祖父や祖母があの世からそう願っているのかも知れない。知らんけど。


昨日、約一ヶ月ぶりに様子を見に行った。家は通りに面した入り口から玄関にかけて路地になっている。真ん中は石が敷いてあるが、その両側は土が剥き出しで植木が植っている。手入れをしないとすぐに雑草が伸びてしまうのだ。季節が季節だけにどういう状態にあるのかちょっと心配だったけど、実際は僕の心配を遥かに超えていた。


通路の両側に背丈ほどの雑草がぎっしり。外から玄関が見えない。まるでトトロの森だ。これでは近所の人にも迷惑だろうし、物騒でもある。さすがにたまらず、急遽草刈りをする羽目になった。イネ科の花粉症を持つ僕にはちょっとキツイ作業ではあったが、まぁ、良い汗をかいたということにしておこう。


放っておいてもランニングコストは掛かる。一日も早くこの家の第二の人生をスタートさせてやらなければ。人生百年時代と言われる今、まだまだ隠居には早いのである。






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