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女性リーダー支援基金 ~ 一粒の麦 ~に採択されるまで(一次審査)

女性リーダー支援基金 ~ 一粒の麦 ~に採択いただきました。一つ前の記事で書いたように、これを読んでいる方に、少しでも何か参考になればと思い、一次審査の書類に書いた内容をこちらでシェアします。

まず、一次審査では、書類審査です。①自分で答える書類と、②推薦者に書いていただく推薦書、2種類の書類の提出が求められます。

②の推薦書は、この賞に応募してみては?と勧めてくださった方にお願いして書いていただきました。「推薦をお願いする」ってすごく勇気のいることですが、お願いしてみると、書く側も喜んで書いてくださり、翌日には推薦書のファイルを送ってくださいました。

①の書類は、自分の経歴や、現在の活動の情報、所属団体の情報など基本的な情報に加え、10問の質問が提示されました。

その質問と私が書いたものをこちらに紹介します。稚拙なところもありますが、用意された問いに対して、精一杯答えました。

順番にいきます。

(1)日本における女性の社会的地位の現状についてどのようにとらえているかを記載してください。(200字以内)

参政権、雇用機会など女性の地位向上のために尽力してこられた先人のおかげで、女性の活躍、発言力は高まってきている。近年のダイバーシティ&インクルージョンの流れから、イベントの登壇者のジェンダーバランスに配慮するなどの動きも見られる。一方、セクハラやDVの被害者は女性が圧倒的に多く、その後遺症からその人らしい人生を生きられずにいる人々がいることは残念な事実であり、適切なサポートと対策が必要である。

(2)日本における女性の社会的地位の向上において、何が重要か、将来のあるべき社会についてどのように考えているかを記載してください。(200字以内)

これから大人になる世代への教育が最も重要である。私には1998年生まれの息子がいるが彼が通っていた杉並区の公立中学校では、女子が生徒会長を務めリーダーシップを発揮していた。卒業式でズボンを履いている女子も複数いた。女子向けのアニメとされていた『プリキュア』のおもちゃのCMに男女の子役が出演するなどジェンダーバイアスを相対化する動きは新世代のマインドにポジティブな影響を及ぼし、女性の地位向上に貢献すると実感している。

(3)日本における女性の社会的地位の向上において、自らが果たす役割についてどのように考えているかを記載してください。(200字以内)

22年に渡り、妊産婦をサポートする仕事をしてきたが「子育てや家事は女性の仕事」という無意識のバイアスを相対化することを徹底してきた。メディア、セミナーなどで「産前・産後」を語るとき、取材者や受講生が無自覚に「女性の」「ママの」という所有格を使う時、「子育の担い手は、産んだ女性だけでなく、そのパートナー(男性でも女性でも)も」と問題提起し、ジェンダーバイアスに対して注意喚起している。

(4)ご自身が活動しようと志望している分野において、どのような社会的課題があると考えているかを記載してください。(200字以内)

・人生をともに歩むパートナーとの建設的な関係の築き方を学校では習わないため、依存的な結婚をしてしまい、D Vなど不健全な関係に陥ったときに、抜け出すのが難しいこと。
・ひとり親という選択に対して「可哀想」という哀れみの視線と、「わがままだ」という非難的な視線、2種類の偏見があること。
・弱者を弱者のままにしてしまう、与えるだけの支援のあり方。

(5)ご自身が活動しようと志望している分野において、女性リーダーとして社会的課題をどのように解決していきたいと考えているのか(将来ビジョン)とそれをどのような方法で解決していくのか(計画)を記載してください。(400字以内)

ビジョン:どのような境遇にあっても、自分の選択に誇りを持ち、自分らしく生きるためには、心身の健康と、人とのつながりが土台となる。こうした機会を持てるような支援をおこない、一人でも多くのシングルマザーが健康で自分の力を発揮し、その子どもも健やかに育つようサポートし、一人ひとりの自分らしさ、多様な家族のあり方が尊重され、差別や偏見のない社会を作ることに寄与したい。

計画:自分の時間をもつ余裕のないシングルマザーが自分の身体をケアする時間を持ち、シングルマザー同士が地域を超えてオンラインで交流できる機会を提供し、身体的な健康、精神的な安定を支援する。その土台の上に、未来を見据えて生活を立て直せるような学びの機会(コミュニケーション、マネーリテラシー、ICTスキルなど)、そして支援される側から支援する側へシフトする「貢献の機会」を提供し、支援が循環する仕組みを作りたい

(6)上記で記載された将来ビジョンと計画は、どのような点が特長的であるとお考えかを記載してください。(200字以内)

・シングルマザーの「今が良くなる」だけでなく、「未来が良くなる」「社会が良くなる」までのビジョンを描いていること。
・すべての土台となる「心身の健康」の支援からスタートしている点。
※ひとり親への支援は様々なものがあるが「精神的・身体的ケア」は本人の自己責任となっている。
・シングルマザー同士の繋がりをエンパワメントにつなげている点。
※自分がひとり親であることを隠している人も多く、つながる機会は貴重である。

(7)これまでの活動における実績・経験を通じて、もっとも印象に残っていること、あるいは自分を成長させてくれたことは何だったかを記述してください。(200字以内)

産後ケア活動の担い手は1998年当時は自分ひとりだった。その後「自分も同じ仕事がやりたい」という人が現れ、全国に展開した。その際、養成・認定をして終了ではなく、担い手同士が現場の知見を持ち寄り、考察を深め、学びあう場を育てていった。それは現場の経験年数に関わらず、高いエンゲージメントにつながり、彼女らが次世代の後継者になってくれた。人材を「育成」するだけでなく「互いに学び続ける場」の重要性を感じている。

(8)受講・在籍している(いた)組織での活動以外の経験で、あなたの志望する分野で活躍したいという意志をもったきっかけを記述してください。(200字以内)

1998年に立ち上げ2020年に事業承継した産後ケアのマドレボニータの活動は、自身の産後の経験がきっかけ。大学院で運動生理学を学んでいたのに、産後がこんなにもダメージを受けることを知らずに出産したこと、そして産後の体を快復させる場がないことに驚いた。こんな状態で子育てするのは過酷すぎる。回復させる方法がないなら、自分で作ろうと、自分の体を実験台にして、産後の体をリハビリする方法を作ったのが全ての始まりである

(9)あなたの志望を妨げる、あるいは反対する物事があれば、それはどのような物事ですか?また、それをどのように克服できるとお考えですか?(200字以内)

弱者を弱者のままにしてしまうような、物や機会を無料で与え続けるだけの支援のあり方は、依存的なメンタリティを増長し、支援が自立を妨げる弊害にもなってしまう。それを克服するためには、受益者を弱者として見るのではなく、どんな人も「自分の力を持っている」と信じ、「その力を再び発揮できるようになるための後押し」としての支援をデザインする必要がある。

(10)あなたのアピールポイントなど自由に記載してください。(200字以内)

25歳で産後ケアの活動をはじめた時には、全てが手探りだった。様々な人からのサポートを受けてNPO法人を設立し、22年を経て団体を次世代に引き継ぐところまで経験したことは大きな財産である。子どもが8か月の時にひとり親になり、たくさんの人たちに助けられてサバイブできたことも貴重な経験となった。現在は、自分の活動を充実させるだけでなく、自分の経験を活かして次世代に貢献する意識を持って活動している。

次は二次審査の面接

以上の書類審査が通過し、2次審査はオンラインの面接となりました。持ち時間は20分。

・日程:2021年9月21日(火)
・面接時間:14:28~14:48(20分)
前後する可能性がありますので、10分前にはzoom上で控室にお入りください。また恐縮ですが、スケジュールがおしてしまう可能性がありますので、終了時間に10分ほど余裕をお持ちください。
面接の方法は、プレゼンテーション5分+質疑応答15分、計20分。スライドの投影は不可。口頭で、自己紹介、自分の強みと弱み、ビジョンとその実現に向けてどう行動するか、何が課題でどう乗り越えるか などを自由にお話ください。

というわけで、5分のスピーチ原稿を3日前に作成しました。次の投稿ではそのスピーチ原稿をシェアします。

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