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Dean - Job hunting in South Africa

転職活動を開始して8ヵ月、確か新年度あたりから始めたので、クリスマスホリデーの時期に差し掛かろうとしていたある日、クラスメート3名で、最終講義が終わったことをささやかにお祝いすべく、車でレストランに向かっていた。

「仕事がなかなか決まらないんだよね・・・」すっかり決め台詞になってしまったフレーズが吐く息に乗せてふわっと口から出てしまったのだが、「学長には相談したの?」と友達に言われた。友達、卒業生、教授、メンターあたりまではこつこつとアプローチをしたが、さすがに学長に相談は考えたこともなかった。こういうことは学長に相談するのがいいよ、と当然のように言う南アフリカ人の友人はリーダーシップや行動力に優れたタイプで、その切り込み方の鋭さに他人事のように感心してしまった。

学長は必須科目をひとつ教えているので、完全に面識がないわけではないものの、長い人生で学長にメールなんてしたことないしな・・・と、相当腰が引けていた。そのまま新年を迎え、なんとなく新年の挨拶と併せてなら書けそうな気もして、「あけましておめでとうございます。ところで・・・仕事探しが大変に難航しており、日本でのキャリアを中断し退路を断って大学院に来ておりまして、なんとか助けてもらえませんでしょうか」と切実な境遇をありのままに書いた。年賀状を書く意味というのはもしかしてこういうところにもあるのかもしれないなと思う。

ありがたいことに、数日後、返信が届いた。南アフリカは新年の動き出しがとてもゆっくりだと聞いていて、平常運転の多忙を極める時期よりはメールを目に留める確率が多少高かったのかもしれない。

学長の返信には、「よくわかりました。このメールで十分状況が説明できていると思うので、クレッグをCCしました。クレッグは人脈が広いので力になってくれると思います。クレッグ、よろしく。」と書いてあった。

南アフリカで私の転職活動は続く。


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