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Dreams - Job hunting in South Africa

学長から紹介されたクレッグとオンライン会議をして数日後、みたことのない電話番号から何度か着信があって、おそるおそる掛け直したところ、クレッグが紹介してくれた5つの組織のうちのひとつでアシスタントを担当しているレチウィーから、インタビューの日時の確認だった。

電話は本当に辛いのだが、特に辛いのが、私にとっては聞いたこともないようなユニークなお名前がアフリカでは非常に多い。しかも結構長い。そして聞いたこともない音の並びは本当にリテンションが悪く、カタカナでメモを取る等工夫するのだが何度聞いても忘れてしまう。レチウィー(Lethiwe)も正しく名前を理解するまでずっとレイチェルと呼んでいた。こうして人のお名前を間違えるたびに申し訳ない気持ちでいっぱいになるが、南アフリカの皆さんのおおらかさにかなり助けられている。

さて、なんと翌週月曜日朝にオフィスに来れますかと言っていただき、電話を切って南アフリカでひとりで小躍りした。思えばこれが初めてのインタビューだった。

何をしているところなのか改めて調べてみると、病気など何か困難を抱えた子供達の夢をかなえる活動をしている組織だった。ちなみに、クレッグは優先順位をつけて上位から順にアプローチしましょうと言っていた気がするが、順位はともかくランダムに知り合いに私のCVを転送してくださったようだった。子供の夢をかなえる活動なんて素晴らしすぎると大変感動したのだが、どうにも自分のスキルや経験から領域が遠く、何をどうアピールしようかかなり悩んだ。

面接当日、オフィスは閑静な住宅街にあり、受付で初めてレチウィーに会って、応接室に案内していただいた。廊下や会議室には、夢をかなえた子供達の笑顔の写真が一面に飾られていて、オフィスは若い女性でいっぱいだった。ギフトラッピングをしていたり、皆とても楽しそうだった。

面接予定の時間を数分過ぎて、マーケティングのリードをしているという女性が応接室に入ってきた。よくよく話しを聞くと、ポジションはひとつも空いていなかった。クレッグから会ってみてと言われたので断れなかったと、笑いながら教えてくれた。そして、何かポジションが空いたら連絡しますね、と言っていただいて、南アフリカで初めての面接は終了した。

ちなみに、ポジションの情報をウエブサイトなどでオープンすると、ものの数時間で応募が殺到するほどの買い手市場で、興味があるようであれば、まめに求人をチェックするしかないとのことだった。雑談で、子供の夢をかなえる費用対効果をどう測定するか検討しているという話しがあって、子供の抱える困難は色々なので必ずしも夢がかなったら困難に打ち勝つとは言い難く、子供を対象にインタビューをするのも無理がありそう。良い効果があるに違いないと思うけど、測定できたら更に投資を募るのに説得力が増すかもしれないし、ただ、夢をかなえたときの費用対効果を数字でピタッと説明できる世界もそれはそれで夢がないような気もするし、知った方がいいことと知らなくてもいいことを区別すること、そういう尺度も持っておきたいなと思った。

南アフリカで私の転職活動は続く。



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