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【思い出詩】「中学時代」

テストを受けている
問題用紙に 直接解答を書く
モノクロ写真の上に問題文があり
答えをどこに書くのか わかりづらい
写真に合う説明文の上に丸印をつけた
バシンッ

試験監督の先生が
ぼくの机を 竹の棒―指示棒―でたたいた
「問題文に書いてあるっ! 数字に〇つけるんやっ!」
ああ…確かに…
問題文をよく読まずに書き込んでいた
うんうん

ぼくはうなずいて
赤い数字に〇をつけ直した
「問題のとおりに書かんと 点やらんぞ!」
そのとおり そのとおり おっしゃるとおり
先生 やさしいんかな…
テストの問題文はよく読まんとな
指示・案内はよく理解しておくべき――
生きて行くうえでの
いろはの 「い」
それを忘れてしまうことの
くり返し くり返し

テストは中学のころだろうか
もう50年近く前
女子はセーラー服 男子は黒色の詰襟で
きっちりホックを留めさせられて
首が苦しかった
その
女子のセーラー服と 男子の詰襟を
ぼくは洗濯してくれ と頼まれた
セーラー服は あこがれの河内さんの
詰襟は チビの相川のものだ
スカートはプリーツが多くて
アイロンかけるのたいへん か
詰襟の金ボタンは
一個ずつアルミホイルで包むんだっけ?
そんな面倒くさいこと
ぼくがやらない と いけないの?

郷里の中学校近くにあった漁港がテレビに映っていた
そんなのを見たからか
大昔のことが映像になったのだ

毎日まいにち
ホントにまいにち
明け方に
そんな「映画」を見せられていて
実は ぼくは結構つらい

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