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【映画評詩】「来年は80年」

広島と長崎に落とされた原子爆弾
その生みの親である物理学者オッペンハイマーはどういう男だったのか

直接的に原爆の効果=被害は描かず
原爆が戦争を終わらせたという
米国人の圧倒的多数の心情を否定しない映画
そう受け取る向きもあるでしょう
しかし
監督の考えはそうではないのは明らかです

実験成功後
ちびリトルボーイでぶファットマンを載せた2台のトラックが研究所を出て行きます

その父であるオッペンハイマーは あいまいな表情でそれを見送る
それらが果たす役割をどこまで考えていたのか…

来年は日本の敗戦から80年です
「先の戦争」などと 遠回しのぼんやりした表現でなく
太平洋をぐるりと囲む
いや もっともっと広い領域で
日本は戦争をしたのです
中国大陸にも兵を進め 明らかに侵略をした
太平洋戦争! 当時の日本は大東亜戦争と呼んだ……

アメリカやイギリスも似たようなもんです
彼らも 日本という存在が邪魔だった
圧倒的物量で勝てる戦争に我われを結果的に追い込み
原子爆弾という最終兵器で戦争を終わらせた……

反戦反核をもっとわかりやすく描くことは
米国人には無理でしょう
その一方
日本人はひたすら情緒に訴える湿ったもので訴える

あれから80年たっても同じ構造のように感じます


原爆のイメージ

eiga.comレビュー

「オッペンハイマー」公式HP


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