30(+10)冊で2021年をふりかえる
学生ゲームクリエイターのマチコーです。
年の瀬ということで、読んだ本でこの一年を振り返ってみます。
なお、リンクから飛んでも僕には1円も入りませんのでご安心を。
さっそく参ります!
マチコー的本屋大賞
まずは個人的No.1の紹介から。
オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件
何やら濃いタイトルですが、
僕が今年読んだ本の中で一番読み返した本です。
ゲームの作り手に過ぎなかった僕が
「可処分時間の奪い合いが激しい今、
コンテンツを届けるにはどうすればいいか?」
を考える明確なきっかけになりました。
推しエコノミー 「仮想一等地」が変えるエンタメの未来
ちなみに同じ著者で、『推し』にフォーカスして書かれた
最新タイトルもあります。
前著の内容がもとになっているので、あわせてどうぞ。
長期インターン期(〜5月)
去年の暮れ、あるベンチャー会社の社長から
直々にお声がけいただき、数カ月の間
ARプロダクトの開発に携わっていました。
マーケット調査から企画、プログラミングまで
携わったのは初めての経験で、成長痛に悩まされる日々でした。
また、このときはエンジニア向けの逆求人イベントや、
ゲーム会社各社の人事の方との面談に臨んでいた期間でもありました。
最終的には「エンジニア職ではなくビジネス職として就活しよう」
と意思決定したのですが、エンジニアとして就業経験を積んだことは
その後の制作において非常に大きな財産になっています。
Game Programming Patterns
Unity AR FoundationによるARアプリ開発入門
ステップアップUnity──プロが教える現場の教科書
上記の3冊はプロトタイプの開発のために使っていた本です。
ゲームやARアプリを作りたいと考えている方で、
初心者脱却を目論んでいるなら無条件でおすすめできます。
Unityでわかる!ゲーム数学
これもとてもいい技術書でした。
ゲームエンジニア(志望)だけど数学に自信がない
という方にピッタリではないかと思います。
コンピュータグラフィックス [改訂新版]
こちらは大学の授業で購入した教科書です。
CGの基礎理論について体系的な知識を得られる良書でした。
大学数学が苦手でなければ、ぜひプランナーやデザイナーの方にも
おすすめしたい一冊です。
インターン〜就活期(6月〜11月)
この期間は、ゲーム会社の短期インターンと本選考に参加していました。
以下は興味が湧いたというより必要に迫られて買ったような本ですが、
それゆえに普段ではインプットしない情報がたくさん入ってきて
見識が深まりました。
SAVE THE CATの法則
言わずと知れた脚本術の名著です。
展開に波をつける、ログラインにパンチを効かせるなど、
シナリオのみでなく企画やゲームデザインにも使える知識が満載です。
今年の6月、Game Content Director Internshipという
短期インターンに参加した際、個人ワークのプロット制作で
とくに威力を発揮した書籍でした。
おかげで、チーム内では一番評価していただいた
プロットを仕上げることができました。
1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
一生使える 見やすい資料のデザイン入門
一生使えるプレゼン上手の資料作成入門
就業インターンシップに参加した際、
最後のアウトプットでプレゼンする必要があったため、
パワーポイントのデザインや伝える構成を考える際に
こうした本を活用していました。
特に、『1分で話せ』の中で紹介されていた
ピラミッドストラクチャー(結論→根拠→事実の順で述べる構成法)は
エントリーシートを書く場面や面接でも非常に役に立ちました。
indie Game incubator期(6月〜11月)
6月から11月にかけての半年間(つまり就活と並行する形で)
indie Game incubator 一期生としてゲーム制作を行っていました。
忙しすぎたので、9月からは大学を休学しました。
前回のnote記事でもiGiには軽く触れたのですが、
毎週4〜6時間ほどのセッションがあり
その間もしっかりとアウトプットや開発を行う必要がありました。
そのため、広く浅くインプットをしつつ
制作活動やチーム運営に役立てようとしていました。
アイデアのつくり方
実際に手にとってみると、装丁の薄さにビックリします。
様々なアイデア創出系の書籍でよく引用される一節、
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
はこの本が元ネタです。
コンセプトのつくりかた
任天堂でWiiを企画された玉樹氏の著書です。
ゲームプランナーならば一度は抱く
「コンセプトとは何か」という問いに対して、
実際の企画の現場を詳らかにしながらわかりやすく解説しています。
「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ
こちらも玉樹氏の著書です。ゲームやサービスに不可欠な
UX(ユーザーエクスペリエンス)について理解が深まります。
「つい」最後まで読み切ってしまうこと請け合いです。
妄想する頭 思考する手
多くのビジネス書で語られるのは
「問題解決するためにはどうすべきか?」という内容ですが、この本では
「社会の変化が激しいのだから未来がどうなるのかはわからないので、
妄想というアプローチで新しいものを生み出そう」と語られています。
まさに、ゲームは問題解決ではなく
どうすればユーザーの心を揺さぶれるか?が肝なので、
企画者でなくとも一度読んでおいて損はないのではと思います。
3Dゲームをおもしろくする技術 実例から解き明かすゲームメカニクス・レベルデザイン・カメラのノウハウ
ゲームデザイナーのための技術書と呼べるほどの圧倒的ボリューム感。
往年の名作3Dゲームについて、
「こんな工夫があったのか!」と新しい発見をもたらしてくれます。
プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる
『オタク経済圏創世記』と同じくらい興味深かった書籍です。
「ハイクオリティが一般的になる中で、
どのようにプロダクトを売ればいいのか?」という問いに対して、
プロセスで価値を付けていくべきだと明快に答えを出しています。
インディーゲームシーンにおいても
今まさに色々なクリエイターがこの問題に直面している中、
一部ではYoutubeやnoteで作業工程をオープンにする作り方が
増えつつあります。
ひょっとすると数年後にはネタバレ上等な作り方が一般的になるかも?
と想像しました。
Z世代~若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?~
SNSマーケティングを考えるときに参考にしていた本です。
自分自身もZ世代ど真ん中ですが、
一般化して論じられている部分には
腹落ちする部分が多く含まれています。
動画の世紀 The STORY MAKERS
自分自身、ついついYouTubeで時間を浪費する癖があるので、
興味を持って購入しました。
動画に関係なくとも、ヒットしたエンタメについての考察を読むだけで
非常に面白いです。
インディーゲーム・サバイバルガイド
iGiでメンターを務められていた、一條氏の著書です。
私も挑戦しているインディーゲーム制作には、
開発以外にも意識すべき作業やトラブルが満載です。
そうした苦労を企画段階から知っておけば、
成功確率をかなり上げることができるはずです。
組織・マーケティングお勉強期(12月)
若手育成の教科書――サイバーエージェント式 人が育つ「抜擢メソッド」
人材育成の手法がわかりやすくまとめられた書籍です。
iGiの期間が終わり、改めてゲーム制作サークルにおける制作体制を
見直したとき、もっとメンバーに裁量と挑戦機会を与えなければと
内省したのが購入のきっかけでした。
もちろんビジネスマン、特にマネージャー職の方には
発見の多い本ではないかと思います。
最強のNo.2 会社と社会で突き抜ける最強のNo.2を極めろ!
同じく曽山氏の著書です。こちらもおすすめです。
大ヒット連発のバンダイナムコが大切にしているたった1つの考え方
主人公思考
どちらもほぼ表紙買いです。
バンダイナムコの方が書かれた本で、ユニークなエンタメ作り、
それを可能にする組織作りについての洞察が得られました。
マーケターのように生きろ―「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動
就活が終わってから読破したのですが、
「大学1年生の頃に読んでおけばよかった!」と
思わずにはいられないほどに良い本でした。
マーケティングの考え方や骨組みをインプットしたあと、
それをキャリアに、仕事に、あるいは人生にどうアウトプットすべきか
がわかりやすく論じられています。
実は、前回のnoteの執筆にもこの本の知識がフルに活かされています。
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
『マーケターのように生きろ』で興味を持ち、
手を伸ばしたマーケティング本2冊です。
ゲームの制作・プロモーションに活用できる知見が満載なので、
折を見て記事にできればと思っています。
音楽制作期(12月)
実はindie Game incubatorと就活が終わったタイミングから、
新たな趣味としてDTMを本格的に始めました。
まだまだへなちょこですが、2022年はリミックスやオリジナルトラックを
リリースできるくらいには上達したいな〜と思っています。
作りながら覚える 3日で作曲入門
クラブ・ミュージックのための今すぐ使えるコード進行+ベース&メロディ
バンド・スコア DECO*27 SONG SELECTION
1年半前からDJ活動をしているので音楽に対する苦手意識はないのですが、
楽譜の読み方を覚えるのは高校音楽以来なので、なかなか大変です。
頑張ります。
その他・漫画(通年)
ただのオタクゾーンです。
僕の名誉と尊厳を守るため素通りすることをおすすめしますが、
一応個人的ベスト10まで並べます。
なお、ミーハーゆえにメジャー作品多めです。あしからず。
推しの子
僕の心のヤバイやつ
映画大好きポンポさん
まちカドまぞく
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~
ウマ娘 シンデレラグレイ
私の百合はお仕事です!
わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
五等分の花嫁
東京卍リベンジャーズ
総括
今年はインプットを大切にするために
「書籍は悩まずになんでも買っちゃおう」
と決めていたのですが、並べてみると意外と多くて驚きました。
なお、積ん読している本は今回の倍くらいあります。
電子版で購入しているため場所を取らないのが
不幸中の幸いでしょうか。
皆さんも年末年始は本棚を眺めて、
「2022年こそはあの本を開いてみようかな……」
と腰を上げるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
よかったら、コメントやリプライで
「この本もおすすめだよ!」
と教えていただけると幸いです!
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