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制作日記✂️📐✏️

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作品のあれこれ、自分の記録として。(2021年〜)
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舞台「わたしの椅子」公演のお知らせ🪑

舞台「わたしの椅子」公演のお知らせ🪑

いつもnoteを読んで下さり、ありがとうございます。

7月に、音処かなで大倉山にて、
脚本を提供した「わたしの椅子」の公演が決まりました。

脚本教室に通いつつ、半年ほどかけて執筆していた作品で、これまで書いた中では長編の部類に入ります。今回は「椅子」を題材に、三幕ものに挑戦しました。

役者ではなく脚本としては、初の舞台公演となります。

観て何を感じていただけるのか、
役者さんたちがどんな風

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0413〜0419✏️

0413〜0419✏️

4/13(土)
渋谷なので、勝負服を着て出掛ける。いつまで経っても、服に着られているような気分が抜けない。
勝負服なのに、着こなせるようになるのが目標って、ちょっと変だけど。
渋谷のビルには自動販売機がない、ということを忘れていて、走って探し回る愚行。

たくさんの人が、窓に寄って何やら写真を撮っている。気になって私も外を覗き込んだら、スクランブル交差点だった。周りを見渡すと、彼らは海外からの観光

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書くことに再会する

書くことに再会する

書くことが好きなのに、(好きだけど?)誰かに教えてもらったり、学んだり、ということはあまりしてこなかった。(本を読むことが学びにはなっていた気がするけど、それも主観の中で行われることなので、厳密な意味では違うのかな?)

去年の秋から、脚本を書く講座に通うようになって、この半年あまりで感じたことを書き残しておく。

***

脚本講座に行くようになって思ったこと。書くっていうのは、自分が思っていた

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プロットの効用

プロットの効用

なんだかんだ、10月から書き進めてきたものが、一旦終わった。締め切りのない宿題は苦手だ。(締め切りを作って自分を追い立てている様子→
https://note.com/machico0428/n/n0430a8385bc3?sub_rt=share_b&d=sta17rMYDl1e

今回、書き始める前からプロットを作ってみる方法をとった。設定にうやむやなところがないように、辻褄が合わない箇所が

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締切🔔

締切🔔

今取り組んでいる書き物には、締切(納期)がない。でも、約束したからには、ちゃんと完成して納品しなくては。
という気持ちはあるのだが、ぼんやりとした「1月までになんとかしよう」の1月が、もう半分過ぎてしまったのに、まだできていない。
頼んでくださった方に、もういらないです、と言われるのが怖くて、連絡できない…という状態をやっと脱した。報連相、全然できてない。

正直に、結構苦しんでる(自分なりに)こ

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『第七官界彷徨』尾崎翠

『第七官界彷徨』尾崎翠

落ち着いてから、もう一度読んだ。
今ならもっと何かがはっきり見える気がして。
それは、もっとこうしておけばよかった、とか、舞台はだいぶ原作と離れてしまったな…という実感とか。

でも、再読してみたところで、自分たちの舞台が原作を決して裏切らなかったことに確信を覚えただけだった。

強いて言うなら…老僕の台詞は、別のところからとった方がよかったかな?? と一瞬頭をよぎったくらいだけど、私たちの舞台で

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2023年9月 振り返り🌿

2023年9月 振り返り🌿

・稽古、細かいところを詰めていく。
・まえむきネガティブ again を観る。よかった。いくつかのシーンを思い出しては実践。あはは…ってやつ。
・稽古後飲みに行って終電を逃し、久々のネカフェ泊。翌朝から同じ服で稽古。
・足指の捻挫。(例のラインダンス)
・一年超のプロジェクト、舞台『第七官界彷徨』が無事終演。
・大学時代の恩師に卒論(演劇)を提出することができた。
・花束をいただく。(私も誰かに花

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身体の重心

通しを動画で撮って、後から自分の演技を見てみると、私の動きは全体的に、軽い! 軽すぎる!

軽いという表現が適切ではないなら、重心がないというか、どことなくふらふらしているように見える。目的が見えないと言われる理由は、ここにもある気がする。

最近観た演劇で、役者さんの身体が格好良かった(語弊があるが)のが、いいなぁと思った。

身体、そのあり方は、その人の内面を映しているのかもしれなくて(傍目に

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きる言葉

きる言葉

外の言葉は私に届かないし、私の言葉も外に届かない。そう感じて、身動きが取れなくなり、でも誰に発しても仕方のないことのような気がして、だからといってここに書くのも本当は間違いであると思いつつ、書くことにした。

問題なのは、対話するための言葉が見つからないことよりも、私自身に対話する気力がないことだ。ずっとそうだったわけではないけど、そういう状況に陥って久しい。期待していないつもりで、たぶんしていた

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疲労と"疲労感"は違う

疲労と"疲労感"は違う

大学の、心理学系の講義を受けていた時に聞いた言葉。確か、子育てや家事の大変さ、という文脈だった気がする。

肉体的な疲労というものももちろん存在するけど、心理的な疲労、"疲労感"は周囲のサポートによって軽減することができる、みたいな内容だったと記憶している。

舞台公演の準備で、あれもやらなきゃこれもやらなきゃでとりあえず目の前にある問題から対処していくという方法しか取っていなかった。その結果、タ

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面影の残り香

面影の残り香

『第七官界彷徨』の物語が、心に残っていた。"幻の作家"尾崎翠の人生が、刺さっていた。

物書きとして、女として、これからいかに生きていくべきか、悩んでいた時期(まぁずっと考えていることではある)そういう時、脳裏に浮かぶのが、鳥取砂丘を背景にした尾崎翠の後ろ姿だった。

思えば、卒論を書くため足を運んだ国会図書館で、素性を教える資料の少ない、"幻の作家"の面影を探していた私は、ウィリアム・シャープに

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霧を抜けて

霧を抜けて

台本が、どうやら佳境を迎えたようだ。

ここまで結構、苦しかった。着地点が見つからなくて、なんてことを始めてしまったのだろうと、(今も時々思うけど)去年の秋頃からは頭を抱える日々が続いていた。

稽古日、集まってもらったみんなと作品について、演出についてディスカッションを重ねた。

企画が持ち上がった昨年の秋には、「尾崎翠って、誰?」という状態だったメンバーが、「くびまき」について議論を交わし合っ

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どうしたら人と関われるか、分かり合えるか。

どうしたら人と関われるか、分かり合えるか。

今回の『第七官界彷徨』舞台化の目的を聞かれて、うまく答えられないな、と思うことが度々あった。どれも正しくて、どれも違うような。

これ(かもしれない)かな、と思うことがあったのでメモしておく。

私はこの作品や、尾崎翠を媒介にして、
作品作りや演劇を通して、
自分と他者との距離を測ろうとしている。

小野一家の人々は、やっぱりわかってもらえなかったと肩を落とす経験を、幾たびもしてきた人たちなのだろ

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彼女について

彼女について

私は、尾崎翠に同情しているわけではない、と思う。けれども、彼女が作家として志半ばだったことだけは確かだ。今回の舞台化が、彼女の作品の再評価の一端を担う可能性がないとも言えないか…。

こう書いてしまうと身も蓋もないが、舞台化を通して尾崎翠を見つけたいという願いは、一方で、「見つけられたい」という私自身の切望でもあるのだと思う。

私は彼女に、”同族者”としての自負を感じる。砂丘の向こうに遠ざかって

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