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静寂と視線と砂を踏む音

新城島。石垣から船で行く島。
定期船は出ていない。一般人は入島不可だ。
しかし、新城島ツアーというものがあってそれを利用すれば入島ができる。

島には禁足地がいくつもあり、ひとりで動き回ることは歓迎されない。

私は15分だけひとりで島を歩くことができた。
海を見に行こうと教えられた一本道を歩き始める。
人の気配のない、ひっそりとした島。
風が木の葉を揺らす音と鳥の鳴き声しか聞こえない。

ぞわっと普段は使われない、己の中のセンスが起動し始める。
聞こえてくるのは自らが踏む砂の音。

それだけではない。何かに見られているような、
いや、見張られているような………
言いようのない居心地の悪さ。

たまらず来た道を引き返す。
その間も視線は着いてきている、そんな気配がした。

集合場所に戻るとガイドがホッとしたようにこちらを見る。
止まっていた時間が動き出したかのようだった。

畏怖のような…けど、また訪れたい新城島

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