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大したことない街

わたしが暮らす街は大したことがなく、おもしろみを全く感じない。
どんな僻地でも「どっから来たの?」と聞かれて地名を言うと「あぁ、知ってるよ」と言われる。
大したことはないのだが、一応名は知られている。
そして大体「なんもないよね」と言われる。
信号が1個しかない南の孤島でも言われた。
「なんもないよね」と。

そう、なんもないのだ。
落花生も梨もネギも作ってる。が、他の市町村にブランドを持っていかれている。
駅前はチェーン店しかなく「昔ながらの」とか「ご当地〇〇」がない。駅の開発は大失敗だ。

3歳で離れた街には有名な寺があった。
今でもお守りをもらいに年一度訪れている。
おいしいうどん屋もばーちゃんが子どもの頃からあったお菓子屋だって健在だ。
駅に降り立つと何とも言えない安らぎを感じる。
街並みを見る目が愛着を含んでいる。

今住んでいる街に同じ思いを感じたことがない。
トップ画は今日の夕日。
大したことない街なのだが、夕日と朝日がきれいに見える。空気が澄んでいれば富士山も。

大したことない街のヤバい朝焼け

空は所有物ではないけれど。
広い空を眺められるありがたさがある。


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