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ネコの気持ち マカピーの日々 1457

マカピーです。
ネコ(親猫 メーメー)の姿が見えなくなったんです!

レストランの片付け仕事を終えて、水浴びをしたハナさんが「メーメーはどうしたの?」と聞いてきました。

「厨房にいなかった?」

「いなかったよ。もう一度確かめてくる」

消灯した店内に電灯を点けて見てきましたが、やっぱりいません。

母ネコ不在で、アジズの部屋にはモゴモゴと動く3匹の仔猫が床に身を寄せ合っているばかり。

あれ、もしかして「夜遊び」が始まったかしら?

それにしても離乳もしていない子猫を残して出かけるものだろうか?

ヤレヤレ

夜半三時ころトイレに行くとベランダ外でか細い猫の声「入れてくださいよ」。

やっぱりどこかに遊びに行ってたんだ。

それでも、突然の交通事故にでも遭っていなくて良かったけどね。

ベランダへ出るドアを開けるとネコは真っ先にマカピーの足元にすり寄って来たのです。

「あのさ、それよりも何時間も外にいたんだから、早く仔猫のところへ行きなさいよ!」

「だいじょーぶ、アジズの部屋でワタシを待ってるのを知ってるんだから」

「夜遊びもいい加減にしなよ!」

「だって、子育てに飽きちゃったのよ!」

「せめて離乳するまではきちんと育てておくれよ」

「はーい」

ネコは窓を駆け上がって、仔猫に呼びかけアジズの部屋に飛び降りると、待ちかねていた三匹はお腹がすいていたと見えネコの乳首にむしゃぶりついている。

やっぱり、母ネコだけあって、しばらくすると仔猫の下の世話をして時々かまってあげている。


今朝も朝市に出かける支度をしていると、ネコが起きて来て階下に行くのでした。

「おっと、キミはこっちで待ってなさい」

勝手に外出できないように店内に閉じ込めて出発したのでした。

マカピー達が野菜を抱えて戻ってくるとネコはおとなしく店内で待っていたわけではなく、猛烈「食べ物くれ!」コールをするのでした。

「しょうがないな。イワシを冷凍庫から出して解凍するから待ってなさいよ」

瞬く間にネコは5匹のイワシを平らげました。

「やっぱり生のさかながいいわ!」

「二階にキャットフードがあるだろう」

「あれはお腹が減って仕方が無い時に食べるものよ。それに本物じゃないわ」

「ほら、もう充分食べたろう。二階に行こうキミの仔猫たちが待ってるよ」

厨房の床に寝そべっているネコを抱き上げ二階に連れて行くのですが、到着するとなんだか嫌がっているネコに気付きました。

「どうしたんだい?」

「ワタシ、何だか面白くないのよ」

「育児ブルーってやつ?」

「そうかもね、だっていくら食べても授乳したらすぐにお腹が減ってしまうのよ。毎日ずーっとそれの繰り返しなのよ!わかる?」

「うん、そうだね。1か月で母乳だけでこんなに仔猫たちが大きくなったんだからすごいよ。それに三匹とも一昨日までヨチヨチ歩きだったのがもう駆け回り始めたじゃないか!人間の子供だったら4歳くらいの動きだね」

「そうなの? でもどうでもいいの。あんまり子育てに興味ないのよワタシ」

「ところで、仔猫の父ネコっているの?」

「そりゃいるわよ!でも分からないわよ。最初の発情だったのに近所のオス猫が沢山きて関係しちゃったからどの子供なのかなんて分からないわ」

ヤレヤレ

「そうそう、近所の獣医のところで聞いて来たんだ。不妊手術のことを」

「何よそれ?」

「キミはもう仔猫を産まなくっていいってこと。大体離乳したあと産後二か月で手術できるって」

「それ、痛いの?」

「麻酔をしてくれるけど、術後はしばらく傷口が痛むだろうね」

「ワタシ痛いのが嫌なの」

「今回のようにキミが夜な夜な出かけるようになると、うちはキミの仔猫だらけになってしまいそうだ」

「今の仔猫を見ると、キミもあのくらいの頃にアジズに拾われて来たんだよね?」

「覚えてないわそんな昔の事!」

「いや、たった半年前の事だよ。その間にキミは出産して母ネコになっちゃったんだからキミたちの一生って人間よりもずっと早いんだよなあ」

「だから、どんどん仔猫が増えないようにワタシに不妊手術するわけ?」

「そうだんだ、もっと恐れているのは、キミの仔猫のうちグレーがメス猫だから、早いうちに手を打っておかないと母子で産むようになっちゃうんだ!」

「そんなことワタシに言われてもねえ・・・」

「そりゃそうだ。まだちょっと先の事だからそれまで子育てよろしくね」

「リョーカイしましたあ。ああ、またお腹減って来たんだけど・・・」

ヤレヤレ

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。ネコとの架空の話でした



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