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自殺予防・ストッパーとしての゛ゲートキーパー”という存在

「ゲートキーパー」という言葉を聞いたことはあるだろうか?

自殺と検索すると、”こころのSOS”のような相談電話番号・窓口の情報に混じって”ゲートキーパー”という単語を目にするようになった。

気になって調べると”ゲートキーパー”という単語自体は、さまざまな業界で使われており、単一単語だけでみると、複数の意味が存在している。
マーケティングだったり、交通・通信の管理装置だったり。
ゲーム内での役割だったり敵キャラだったり。

そんな中で、私が興味をもったゲートキーパーは、「自殺対策における」と頭に説明がつく存在だった。



自殺対策におけるゲートキーパーとは

「自殺対策におけるゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。

厚生労働省ホームページより

以前どこかでみた情報から、ゲートキーパーは「自殺を思いとどまらせることのできる、プロ・専門職の人」という印象を持っていた。

ただ、改めて検索、読みにくいお役所文書と格闘しながら読んでいると、ゲートキーパーになるのに、専門資格は不要とのこと。
・・・あれ、そうなの?

さらに、誰でも養成講座を受講すればゲートキーパーになれる
ともある・・・そうなの??!

だいぶ半信半疑だったが、厚生労働省HPにも各自治体のHPにも同じことが書いてある。

どうやらここでのゲートキーパーは、不特定多数を相手ではなく、『身近な人への「気づき・声掛け・傾聴・つなぎ・見守り」=困難を抱えていることに気づき、適切な支援につなげる』という近しい人が対象のようだった。

たしかに、”偶然ビルの屋上で飛び降りそうな人に遭遇”なんて、ドラマでも真っ青なシーンでは話しかけられる自信が微塵もないが、近しい人の「ちょっと話聞いてよ」なら聞けそうな気がする。
ある程度は。


ただ、思い悩み話を聞いてもらうだけでは解決しない方は、やはり専門機関へ相談するのがベストだろう。

自殺すれば、自分という主観からみれば全て終わるが、本人の知らぬところで家族や周りの人間に”終わらせたかった事”が降りかかり、消えないことも多々ある。

この地球上で、誰にも迷惑をかけず、誰にも目撃されないように消えるには、もはや宇宙人に誘拐してもらう、くらいでないとダメなのでは、とかアホなことをいつも考えている。

まあ、宇宙人はさておき。

大半の人間に否定されそうな持論ではあるが「”いつでも死ぬことができる”という権利を与えられた方が、長生きする人間もいるのでは?」と考えている。
今すぐ逃げ出した、ここから消えたい、という気持ちは誰にでも訪れるだろう。


厚生労働省が発行したリーフレットに掲載されている、自殺のきっかけとなる動機について「うつ、借金、死別体験、過重労働、配置転換、昇進、引っ越し、出産・・・」その種類は多岐にわたっている。

Youtubeにアップされていた、ゲートキーパー養成研修実例動画では、借金・会社からの退職勧告・子供の進学・家のローンが複合要因となっている。
この映像の場合は、最初に保健センター(各市町村により名前は色々あるようです、福祉課とか健康福祉とか健康センター等)へ相談していたが、最終的に家を手放すなどしていたので、保健センターの後に財産整理等については別の専門家へゆだねられたのだろうと考えた。


最初の窓口だけでは全て解決できない場合もあるだろう。
ただ、1つずつ問題をほどいていくことで、自殺衝動からは少しずつ離れられるのでは、という感想を抱いた。

自分一人の自力などでできることには限りがある
(テレビやネットでもてはやされる有名人や行動力お化けの人は除く)。

自殺衝動を踏みとどまる事にも、体力・気力を使いつづけることだろう。


そういう時こそ他人(プロ、専門家)の力を借りた方が良い。
解決する、という労力を他人に持ってもらうということだ。
その間に、自分は自殺衝動から1㎝でも、1㎜でも離れられれば良しとしよう。



即効性はないがふと湧く自殺衝動対策として

私の特性として何故か「鬱々としている気分の時に、鬱々とした、暗い、どシリアスなものを観る・読むと心が軽くなる」という特殊性質がある。

このnoteを読んでいる方にその性質があてはまるかは不明のため、ありきたいりだが、衝動的・あるいはフツフツわきあがる自殺願望対策方法として、いくつかリンクをはっておく。


【電話相談系】

いのちSOS 0120-061-338
月~日 0:00~24:00 チャット・メール相談も可能

●よりそいホットライン 0120-279-338
(岩手・宮城・福島県からかける場合、0120-279-226)
24時間対応

●いのちの電話 0120-783-556
毎日16~21時まで
毎月10日 午前8時~翌日8時まで

厚生労働省 相談先がまとめて掲載されているサイト

●こころの健康相談統一ダイヤル
0570-064-556
※通話料が必要。
通話料割引プラン・定額サービス無料通信は適用なし

●認定NPO法人「国際ビフレンダーズ 東京自殺防止センター
03-5286-9090
年中無休
夜8:00~深夜2:30まで
(月曜は夜10:30~深夜2:30まで、火曜日は夕方5:00~深夜2:30まで)

●あいち自殺防止センター
052-870-9090
金曜 20:00~23:00まで

●大阪自殺防止センター
06-6260-4343
金曜 13:00~
日曜 22:00まで

●宮崎自殺防止センター
0985-77-9090
日・月・水・金 20:00~23:00まで



<こども向け電話相談窓口>
●チャイルドライン 0120-99-7777
毎日ごご4時~ごご9時

●子供のSOSの相談窓口(文部科学省)
0120-0-78310

●子供の人権110番(法務省)
0120-007-110
平日ごぜん8:30~ごご5時15分まで



【SNS相談系】

悩み相談掲示板のココオル
※会員登録が必要(メールアドレスのみでOK)

お坊さんがかならず答えてくれるサイト hasunoha

「自死・自殺に向き合う僧侶の会」
今時レアな、手紙での相談可
お坊さんからのメッセージ・10代の方向けのオンライントーク
自死遺族の分かち合いの会等
※自死遺族の分かち合いの場として、関連団体リンク、東海関西広島九州エリア(別団体)の会もあり


<特定非営利活動法人>
自殺対策支援センターライフリンク
生きづらびっと 
月曜~日曜 8:00~22:30(22:00まで受付)
※LINE、Facebook、WEBから相談可能

特定非営利活動法人地域生活支援ネットワークサロン
死にトリ
つらい気持ちのチェックリスト、生きづらさを感じる人の経験談、
辛い気持ちを書きだせる掲示板等のコンテンツ複数あり

東京メンタルヘルス・スクエア
こころほっとライン(無料電話相談20分)
お話パートナー(有料)
こころのほっとチャット(LINE、Facebook、WEB相談1回50分)
吃音ほっとライン(無料電話相談25分) 他

あなたのいばしょ
24時間365日 無料・匿名可能なチャット相談

特定非営利活動法人BONDプロジェクト
※10~20代 女性相談員による女性専用LINE相談
受付時間 月・水・木・金・土曜日
10:00~22:00(相談受付21:30まで)

チャイルドライン支援センター
※18歳までのこども専用電話・チャット相談
全国共通フリーダイヤル 0120-99-7777
実施時間 毎日16時~21時

一般社団法人日本男性相談フォーラム
※男性相談員による男性専用電話相談
受付時間:毎月第1・2・3月曜日
19:00~21:00まで(祝日も実施)
06-6945-0252


蛇足的参考として【書籍】

【書籍】「自殺者を減らす! ゲートキーパーとしての生き方」
波名城翔 著

精神保健福祉士・社会福祉士で、島嶼(とうしょ・大小さまざまな島の事)を専門に精神保健福祉、自殺対策等の研究に取り組まれている方の書籍。

書籍では、自殺志願者に向けたメンタル・こころを落ち着けるためのものがほとんどですが、この本は自殺防止の活動をしてる側の視点で書かれたものだった。

偶然立ち読みをした書籍だったため完読できていないが、とても興味深い内容だった。

ただ、内容は、自殺の名所をめぐってゲートキーパーとして活躍されている方・宗教家の方の話を聞きに行ったものだった。

そのためよくあるメンタル・こころによりそうことを期待している方には向かないだろう。

懐事情が回復したら、購入したい。自分の備忘録的な意味で書いておく。
プロのゲートキーパーの活動や研究者について興味がある方はぜひ。

似たような、自殺防止側からの他書籍情報があったら、お知らせいただけたら有難い。


蛇足的参考として【お気持ち表明】

私は、自殺や安楽死などについて「記事を書きたい」、「お気持ちを吐き出したい」という欲求をもつ妙チキリンな性質ではあるが、「自殺願望を抱いている人にその本懐を遂げてほしい」とは全く思っていない。

死にたい気持ち、消えてなくなりたい気持ち、には共感できる。
大なり小なり、その気持ちがともにある事はままあるだろう。

だが、死んでしまえばしょせんそこまで。
その後は何もできる事はない。
と考えているので、100%否定はしないが、100%賛同もしない。

それこそ、このnoteを読んでいる貴方と私は、全くの赤の他人である。
どちらかが突然いなくなっても、お互い困る事はないだろう。
止まることなく、私の世界も周り続けるし、貴方のいた世界も周り続ける。


だが、全くの赤の他人だから死んでも大丈夫、とは全く思っていない。
しつこいがもう一度言う、全く思っていない。


私は心理カウンセラーでも医者でも何でもない。
どこにでもいるただの人間だ。

それ故、飛び降りようとして覗きこんでいる、自殺の崖っぷちから貴方を連れ戻せる力も、引き返させる的確な言葉も持ちあわせていない。

あわよくば、どこの誰とも知れぬ貴方がその崖から半歩下がる、あるいは、その場にとどまってくれていればいいな、という自分勝手なお気持ちだけでこのnoteを書いている。

「自分の命の使いどころは、自分で決める」
そう言われれば、それ以上でもそれ以下でもない。
私はそうか、と言わざるを得ない。

ただ、「どこの誰とも知らぬ貴方に死んでほしくない」と思っている、どこにでもいるけど変な人間も存在しているだな。
ということを、頭の片隅にでも置いておいていただければ幸いだ。

明日も、貴方がどこかの誰かと会えることを祈っている。


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