CADDiについて個人投資家として思うこと

普段、というか最近は更新が滞っているし、基本、投資対象になる上場企業についてしか書かないが、ちょっと非常に気になる非上場会社を見つけてしまったのでそれについて書く。

CADDi という新興スタートアップ企業があることを最近 PIVOT のこの動画で知った。

で、ちょっと興味をもって同社について調べていたのだが、同社の製品紹介のページに並んでいるユーザー企業のロゴを見て驚いた。

https://caddi-inc.com/drawer/

上場企業として東京エレクトロン、荏原製作所、栗田工業、川崎重工、パンチ工業のロゴが既にあるではないか。これはただ事ではない(上場企業にとって通常は、海のものとも山のものともわからないスタートアップのユーザー企業として名前を出すことは、メリットよりもリスクの方が大きいはず)

で、座りなおして色々調べていくうちに、同社の CADDi DRAWER はミスミの Meviy をある意味超えるコンセプトであることがわかった(meviy は CAD にあるデジタルファイル化された図面だけを対象とした見積もり受発注システムという理解だが、CADDi は製造業者のすべての図面(紙図面も含む)をデジタル化し、あらゆる特注部品に至るまでをカバーする見積もり受発注システムというコンセプトと理解。より包括的で根源的である)

で、同社 Yosuke Shirai 氏のこの note で紹介されているユーザー企業の方の手紙に年甲斐もなく完全にノックアウトされてしまった。

https://note.com/yosukeshirai/n/n060824de8982


同社は国内では東証上場の中小製造業に対して優先的にマーケティング・営業をかけるべきではないだろうか(同様に米国も上場中小製造業を中心とした方がよい)。顧客となった中小製造業の営業利益率が CADDi DRAWERの導入活用によって改善することがCADDiという当事者の発表でなく、当該上場企業の決算開示という客観的なエビデンスで示されるようになれば、当該企業の ROE も改善し、時価総額もあがっていくものと思われる。そういった事例が増えて知られてくれば、中小製造業を手掛けている機関投資家のファンドマネージャー、アクティビストが、保有している中小製造業へのエンゲージメントで「図面の資産活用」を勧めてくれる蓋然性が高まる。また、製造業投資を得意とする個人投資家層にも CADDi の存在が「営業利益率改善請負人」のような形で知られていくことになるだろう。それは、CADDi にとっては、投資家層を同社の営業・Marketing を手伝ってくれる外部部隊として低コストで活用できることを意味するのではないか。それは同社のビジネスをより加速する方向に作用するし、また、私のような個人投資家にとってもメリットがある、Win-Win の関係のように考える。

また、同社には、製造業の知的資産開示方法の一つとして図面の資産活用度合いを見える化して投資家が当該製造企業を評価できるようなスタンダードも開発してほしい。



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