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きみが創るしがつ

誰か、私をしばいてください。もう4月22日なんですよね。終わりかけですが、4月を生きる皆さんへ向けたエッセイを書くことをお許しください。


春の風が新しさを運んでくるように、その風によって背中を押されるように、いつもとは少し違う場所へ足を踏み入れる。

春とは、そんな小さな勇気が生まれる季節なのかもしれない。

「期待に胸を膨らませる」という言葉を体現したことはありますか?

ワクワクしながら眠りにつき、新しい人間関係に期待をしながら浮き足だった気持ちで、桜が散った跡の残る道を歩いたり。

期待よりも不安が勝ってしまった人も、いるかもしれません。
何も手がつけられないくらい緊張したり。


空っぽの透明の瓶を想像してみて。
そこに、カランコロンと音を立てて、きみの喜怒哀楽が落ちていく様子を。

4月の最初の希望に満ちた感情も、中盤に感じた不安や焦燥感も、色んな色を帯びて、瓶の中で積み重なっていく。


これは、ただのカケラなんかではなく、きみの一部であり、人生であり、生きた証にもなるんだ。


時には、ここに悲しみによる小さな小さな水滴が入ることもあるだろうし、何かをきっかけにとても大きな虹色をした輝くものが入るかもしれない。

後から見れば、綺麗な色をしたものにばかり目がいくけれど、この瓶に目立たない色を溢していく瞬間は、とてもつらいものだったりする。

だから、そんな時は、瓶を空に掲げてみても良いし、抱きしめてみても良いし、いっそのこと海に流してみたって良い。

そんなふうに、積み重なった感情を、外から眺める時間を取ってみて。


4月は桜、4月は春、4月は、

きみの思う4月は、一体どんなもの?

私は、

4月は、霞んで見える。

晴天にもなれなくて、けれど綺麗な花は咲いていて、
ところどころに美しさが見え隠れするけれど、それらを惜しむように空は曇り出す。そして、4月の姿を見た時、それらが霞んで見えるのだ。まるで、夏まで体力を温存しているかのように。




p.s 4月も残り1週間くらいですが、5月に向けてたくさん書き物をしたいなという気持ちです。いつもみてくださっている方、ありがとうございます。

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