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未経験者がJTCデータサイエンティストに転職し居場所がなくなったお話

未経験からレガシー大企業のデータサイエンティストとして働いていた筆者が、居場所をなくして、転職したというお話しを記事にしました。「居場所がなくなった」というと後ろ向きな感じがしますが、その後の転職では年収UPに成功し、一概にレガシー大企業のデータサイエンティスト職が悪いキャリアだとは言えないのではないか、というお気持ちになりました。そこで、

  • レガシー大企業のデータサイエンティストってぶっちゃけどうなん?

  • レガシー大企業を卒業した後にどんなキャリアパスを歩んでいくのん?

という点について書いてみました。レガシー大企業のデータサイエンティスト職を検討している方の参考になれば幸いです。


私の経歴

はじめに、私の経歴をご紹介します。

  • 理系学部(非CS/DS関連学部)卒31歳、1児の父

  • 1社目:日系企業の文系職(4年)

    • データサイエンティスト職に興味を持ち、独学で勉強を開始。職場でもデータサイエンスを無理やり実践

  • 2社目:日系大企業でデータサイエンティスト(4年)

    • 転職し、日系大企業のデータサイエンティスト職にキャリアチェンジ。前職で培った課題整理力とデータサイエンスのポテンシャルを評価されて未経験採用枠で採用された

  • 3社目:外資企業でデータサイエンティスト(1年)

    • 諸事情あり転職。今ここ

そして居場所がなくなった

私の前職である某日系大企業(JTC:Japanese Traditional Company)は、DX関連の取り組みに悉く失敗してきました。その結果として、DX関連部署が作られては、成果を見限られてトップの首が切られ、組織が解体に追い込まれるというドラマチックな展開を幾度となく繰り返してまいりました。そしてついに私はデータサイエンティスト職(DS)として活躍する居場所をなくし、転職し、現在にいたります笑。

ところで、私の観測範囲ですと、大企業に入社したDSが、組織改革によりDX組織解散により転職に追い込まれることは決して珍しい話ではないように思います。なぜでしょうか?

JTCのDX組織がしょっちゅう解散する理由

私なりの解釈ですが、DXによりビジネス成果を上げるためには、事業の意思決定を大きく変える必要があります。一方で、ことアナリティクス、データサイエンスを活用した事業改革のためには、業務改革のための強いリーダーシップと、既存事業への深い理解が不可欠なので、トップダウンとボトムアップの両側面が必要になります。このバランスを取るのはかなり難易度が高いです。トップダウンが強すぎるとボトムからの反発をくらい必要な情報が引き出せませんし、ボトムアップが強いと現場のニーズに引っ張られ、トップが納得するような大きな課題にヒットする取組が生まれにくくなります。結果、DXがうまくいかず、組織解散に追いやられるというわけです。

このジレンマは、DS個人の努力でどうなる問題ではなく、組織の位置づけの問題が大きいと思います。持論ですが、このようなジレンマを解決するためには、会社のトップがDXにコミットして、うまくいかなければ辞職するくらいの覚悟で現場を巻き込む必要があると考えています。しかし、DXがうまくいく確証はなんてありません。DXをせずに徐々に沈みゆく船を眺めて、自分の代では沈まないことを願っていた方がよほど安全です。ですので、誰もコミットせず、外部人員を入れてDXしている「体」を装っているのだと思います。

ちなみに、データ分析組織に関する著書「分析力を武器とする企業」、「最強のデータ分析組織」でも、DXの成功要因として役員のコミットメントが重要であることが触れられています。

さて、このように書きますと、JTCのDS職は避けるべき地雷のように思えるかもしれません。しかし、私は前述したJTCの課題を承知したうえで現職を選んだつもりです。結果的に居場所をなくして転職することになりましたが、この選択は妥当だったと考えます。一方、得られなかったものも多いので、キャリアの選択とは難しいものだと思います。

JTC DSへの転職理由とJTCでのお仕事

私は4年前に未経験(以前は文系職)から前職のJTCにDS職としてキャリアチェンジ転職しました。未経験での転職だったので、転職先候補から引くて数多というわけではありませんでしたが、JTC以外のDS職として働く選択肢もありました。あえてJTCを選んだのは、

  • トップダウンとボトムアップの架け橋になりたい

  • ホワイトな環境で働きたい

  • 年収下げたくない(大事)

と思ったからです。実際、この見立ては間違っていませんでした。前職のJTCでは、

  • トップダウンとボトムアップの架け橋として、現場メンバーから業務意思決定の課題を聞き出し案件の種を見つける

  • 役員に対しては案件の事業インパクトを訴求しサポートを仰ぐ

  • さらには、役員が納得するような取り組みになるように軌道修正する

のように一介のDSを超えたハイレベルな仕事に関わることができました。

以降、有料とさせていただきます。転職活動を通じて感じた業界毎の年収傾向については触れますが、特定の企業名や個人名には一切言及しません。ご理解いただける方のみご購入ください。

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