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人生を捻じ曲げた41枚+1枚について


こんにちは。
自分の人生を変えたといえるような作品を紹介していきます。
なるべくバンド/アーティストが被らないように選出しました(少し被ってしまいましたが)。
右下の作品から紹介していきます(ラストに番外編あり)。

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41.The Carpenters - Singles 1969-1981
メロディのうつくしさや、そのうつくしさを際立たせる編曲の妙が光る楽曲が並んだ一枚。とにかくカレン・カーペンターの歌声が素晴らしい!!
やわらかく包み込んでくれるあたたかな声に思わず涙ぐんでしまいます。

・ポップミュージックの奥深さを教えてくれた作品です。

★好きな曲
Goodbye To Love 歌のよさはもちろんなんですが、ギターソロにとにかく感動を煽られる感じが好きです。歪みがすごくエモーショナルに作用していると感じます。
Yesterday Once More これ、聴くと100%泣いてしまいます。ポップミュージックはこうあるべき! という指標となるような曲だと思っています。曲の世界に連れて行ってくれるような感じ。

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40.Young Marble Giants - Colossal Youth
個人的には最もクールな音楽アルバムのひとつ。必要最低限の音数で充実した音楽の世界を表現するという点に惹かれました。
本作は、音楽の純粋な魅力のひとつである『リズム』にマジックが宿っていると思います。無機的でまぬけな雰囲気さえ漂うリズムボックスに、有機的なベース・ギター・キーボードが言葉少なに絡まることにより生まれる独自のムード……ふしぎな踊りを踊りたくなってきます。

・引き算の音楽を教えてくれた一枚です。

★好きな曲
Choci Loni 荒野を転がる謎の枯草みたいなぺけぺけしたギター(伝わる?)のもの悲しさが好きです。
Wurlitzer Jukebox よれているけど妙にファンキーで気持ちいいベースと空白だらけのギターフレーズが切なくて好きです。荒廃した都市のような質感。

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39.Nick Drake - Pink Moon
みんな大好きピンクムーン。彼のギターは素晴らしいですね。響きがいいです。なんとなく寂しい感じがするところが好きです。歌もまたいいんですよ。寂寞というか……
シンプルな編成になればなるほど曲の強度が求められると思っていて、この作品のようにひとつの楽器による伴奏と歌だけ、みたいなパターンはほんとうに曲自体がよくないといい作品にはならなくて(個人の意見ですが)、真っ向勝負でここまでうっとりする作品を書ける彼は天才です。

・いい音楽とはなにか、と考えるきっかけとなった一枚。

★好きな曲
Pink Moon ふしぎな雰囲気のギターが好きです。ギターを弾いたときに出る音がぜんぶ魅力的に録音されている感じがして心地いいのと、アクセント的に入ってくるピアノの響きもうつくしい!

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38.フリッパーズ・ギター - CAMERA TALK
10代の頃、彼らのやっていたラジオを聴いたり当時のインタビューを読んでいろいろなバンドを知りました。そういう点でも大きな存在ですし、彼らの曲のかわいらしさ(歌声がキュートとかそういうのではなく、技術的な青さみたいなもの)がたまらなく愛おしいです。この頃の小沢健二の書く歌詞の青い感じがまたよくて、当時の彼らにしかつくれない作品だ! と断言できる……そんなアルバム。

・ネオアコやレアグルーヴを聴くきっかけになった一枚。

★好きな曲
青春はいちどだけ 胸キュンすぎる一曲。歌詞や小山田&小沢ボーカルの青臭く照れくさい感じとかもう最高なんですが、なによりギターのみずみずしさがすばらしく素敵なんです。テネシアン(多分)のペケっとした音色もまたいいですね!

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37.The John Scofield Band - Überjam
John Scofieldを知ったのはギターを弾きだしてから結構経ってからなのですが、今まで聴いてきたギタリストのプレイとはずいぶんと異なる音色・フレーズに一瞬にして虜になってしまいました。そんな彼の2002年作。ジャズはもちろん、ファンクやブルースにも造詣が深い彼(ら)の多彩な演奏が楽しめます。

・ギターの魅力を再発見した一枚。

★好きな曲
Ideofunk Adam Deitchによるドラムプレイが素晴らしく気持ちいいです。ねじれにねじれたJohn Scofieldのギターがクールで、曲の途中でベースが抜けるのですが、その部分のスリリングさといったら! 最高!

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36.Average White Band - Feel No Fret
どこで彼らのことを知ったのか、今となっては思い出せませんが、そんなことはどうでもよくなってしまうくらい好きな作品です。このころ(1979)のソウル/ファンクは80'sの絢爛豪華な感じとは異なっていて、本作なんかはわりとアーシーなイメージがあります。聴いててちょっと切ない気持ちになるところも好きですね。

・AOR入門のきっかけとなった一枚。

★好きな曲
Please Don't Fall In Love 甘く切ない一曲。コードの緊張感がいいです。スウィートなだけじゃなくて、ドラムとベースのファンキーさも魅力だと思います。特にベースが音色含めていいですよ!
Ace of Hearts 必殺技みたいな曲だと思っています。こういうキュンとくる曲書きたいなあ……サビの部分で、太刀でズバッと切られたような息苦しさを覚えます。切ない~。ストリングスがいい仕事しております。

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35.Lamp - ゆめ
いまさら言うことでもないですが、ほんとうに凄い作品だと思っています。作曲~編曲まで一分の隙もない感じ。でも、堅苦しいとかそんなことはなく、純度の高いポップアルバムとして楽しめるから不思議です。
彼らの曲は砂糖のように甘く、その甘さに舌から全身がとろけていってしまう感じがします。

・作りこむこと、編曲を練ることの大切さを知った一枚。

★好きな曲
二人のいた風景 音楽を聴いていてドキドキすることは多々ありますが、この曲を聴いたときほどのドキドキはそう味わえません……エレピのアレンジがやさしくて好きです。クラビネットもいい味が出ていて、ほんとうにいい曲!
さち子 完璧な曲をいくつか教えて、と聴かれたらこの曲を挙げます。音が描く風景と歌詞が描く風景の相乗効果でほんとうに歌の中にいるような気持ちになります。

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34.Captain Beefheart & His Magic Band - Trout Mask Replica
名盤! や迷盤! などさまざまな感想を見かける本作ですが、私は名盤派です(良さがわかってくるまで何年もかかりましたが)。
本作を無理やり一言で表そうとすると、秩序のある混沌、といったところでしょうか。複雑なパズルを解く時のように、すぐには理解ができないものの、何度も挑戦するうちにぐちゃぐちゃの中に美を見いだせるようになってきます。見えるようになってからはもう、聴かずにはいられない……

・この音の当たり方は気持ち悪い! と感じる音感を破壊した一枚。
 (良いのか悪いのか……)

★好きな曲
Moonlight on Vermont あまりにかっこいいのでギターコピーしました。アンプで作った真空管の歪み! といった感じのリードギターの音、サイコーにかっこよくないですか? 爆音で聴くと飛びます。
Sugar 'n Spikes このアルバムの中で一番キャッチーかな? と思うんですがどうでしょう。バンドアンサンブル的にも面白くて、なんか不思議な高揚感があると思っています。

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33.Uku Kuut - Vision Of Estonia
バレアリックやシンセファンクなどの音楽にハマるきっかけとなった作品。
なんといっても、80年代当時のシンセサイザーのおいしいところがたくさん詰まった音作りが魅力! 夢見心地で踊れるところが好き!

・PPUはもちろん、MFMなどの音楽を聴くきっかけとなった一枚。

★好きな曲
Stevie Bossa 右Chのシンセの動きが心地よい! いわゆるシンセファンクやバレアリックと呼ばれるような音楽に「聴くとへんな気持ちになる」のを求めているのはこの曲のせいかも。

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32.Liaisons Dangereuses
アナログシンセによる、凶暴かつ無機質な電子音楽。やっぱり自分は電子音楽が好きなんですよね。特にアナログシンセを使っているもの。音の太さに魂が宿っているような気がします。
暗い実験室でモンスターの胎児が巨大な試験管からいま生まれようとしている、そんなイメージが浮かぶ音楽です。

・NDWを聴きだすきっかけとなった作品。

★好きな曲
Los Niños Del Parque とにかくベースが強烈!! バキバキでブリブリした音色を聴いていると、いけないことをしているような気持ちになるので好きです。

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31.Gang of Four - Entertainment!
ギターって、というか「やっぱりエレキギターのいるバンドが好き!」と気付かされたアルバム。本作の鋭いサウンドのギターは大きな音で聴くとしびれます。素っ頓狂なヴォーカルのスタイルも衝撃でした。とにかく尖っているなと……
ギターのフレーズはシンプルめなんですが、どの曲もカッコよく強烈に決まっているところがすごいと感じます。

・エレキギターの新たなカッコよさを教えてくれた作品。

★好きな曲
Damaged Goods 切れ味鋭いナタを振り回すようなギターカッティングの暴力性にうっとり……ベースがまたいい仕事してます。音の切り方が心地良いんだよなあ。

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30.CAN - Ege Bamyasi
自分はプログレから海外のバンドを聴き始めたので、比較的早い(?)段階で出会っていたCAN。Wikipediaに書かれた「実験的な音楽性」という言葉に惹かれてCDを購入したのですが、最初は正直「なんかすごいなー」くらいの温度感で聴いてました。
それからいろいろな音楽を聴き進めてゆくうちに「あれ、この作品ってCANっぽい……?」と気付くようになりました。凄さがわかってきたのはそれからですね。この年代で既に(本作は1972年リリース)こんなに凄いことをしていて、また、後に生まれる音楽たちに多大な影響を与えていることに恐怖さえ覚えます。でも、フォロワーは多くあれど、CANに及ぶオリジナリティ・クリエイティビティを獲得しているバンドはほとんどいない……ような気がしています。

・とにかく凄いぞCAN!! な一枚。

★好きな曲
Pinch なんとなくエレクトリック・マイルスの影響を感じる一曲。とにかく、ヤキ・リーベツァイトのドラムが凄まじいです。狂気的なほど安定したリズムの上をさまざまな音色が飛び交うところが楽しいですね! ダモ鈴木による奇妙なヴォーカルスタイルも実にクール。
I'm So Green 弛緩した雰囲気のコード感と、ゆるいダモ鈴木のヴォーカル……リラックスして聴けるところが好きなんです。

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29.The Durutti Column - Vini Reilly
Vini Reillyというギタリストは、自身の心象風景を音楽にしようとしていたのではないかと勝手に思っているのですが、本作は彼の作品のなかで最も彼の生の心を感じるアルバムです。
魂のありようを、楽器という筆を用いて、音の絵の具で空間に見事に描いてみせた……そんな感じです。
時に激しく、時に穏やかに私たちにうつくしい風景をみせてくれるところが好きなんです。

・音楽そのものの在り方について考えるきっかけとなった作品。

★好きな曲
Otis 最もうつくしい曲のひとつ。やわらかく曲に色をつけるシンセサイザーと歌声、流麗なフレージングのギターが清流のようで、おだやかなムード。こういうギターを弾いてみたいものです。

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28.The Congos - Heart Of The Congos
煙を吸っているような気持ちになる音楽……Lee "Scratch" Perryによる音作りが見事です。音の粗いファルセットによるコーラスがサイケの世界に導いてくれます。
特に『The Congoman』のリズムマシン中心のサウンドは強烈です。どこかいっちゃってる感じがいいですね。お香を焚きながら聴くとすごくスピリチュアルな体験ができます。ゆるやかに雲の中を舞っているような感覚がします。

・ダブを聴くきっかけ(ダブの聴き方を知った)となった一枚。

★好きな曲
Fisherman 音の汚れまくったフィルインに一瞬で心を掴まれる曲。おだやかなグルーヴ感と、アナログ感MAXなあたたかい音色が気持ちいい! 低音ヴォーカルとファルセットによるコーラスのコンビネーションもたまらない……

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27.OGRE YOU ASSHOLE - 100年後
スウィートなサイケデリア……幼少期にとびきり甘いケーキを頬張った、あの遠い過去の記憶のように懐かしく、また、この体験はほんとうなのか? とも思ってしまうような、そんな奇妙な音楽体験ができる作品……と感じています。

・サイケデリックな音楽が好きだと改めて実感した作品。

★好きな曲
これから イントロのスライドギターから、おだやかに宇宙がうつろってゆくようなイメージが浮かびます。全体的に宇宙的なサウンドで、特に好きなのが間奏で荘厳に響き渡るオルガンソロです。なにかが興り、朽ちてゆくようなドラマがある素晴らしいソロだと思います!

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26.ヒカシュー - 夏
初めて好きになった音楽のジャンルはNWなんですが、その中で特に印象的な一枚はこちら。
どこをとっても奇天烈なスタイルで、15歳のぼくは衝撃で脳がひっくり返ってしまいました……
P-MODELもそうですが、プログレをルーツにもっているところが個人的に嬉しいんですよね、ヒカシューはSoft MachineやClusterから影響を受けていて(音楽性からそれをうかがい知るのは難しいですが……)、なんというかひねくれたポップセンスはプログレ譲りな気がしています。

・NWにどっぷりはまるきっかけとなった作品。

★好きな曲
アルタネイティヴ・サン 歌いだしから異様なオーラを放ちまくりのヴォーカル、途中のスキャットもカオスでまたいい! 間奏のメロトロンも鬼気迫る感じ。サックスが攻撃的でいいんですよ〜。

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25.小沢健二 - 犬は吠えるがキャラバンは進む
フリッパーズを聴いたら当然、小山田・小沢ソロ作も聴くかと思いますが、今回はその中で一番思い入れのある本作を選出。
アーシーなムードが漂う音作りが好きなんです。ちょっと煙っぽい感じというか……そしてドラムの巧みさよ!
小沢健二の作品の一番の魅力はやっぱり歌詞ですね。平易なことばを使いながらも、奥行きのある歌詞を書いているなと思います。例えば『天気読み』は、描写しすぎないことでリスナーが入り込む余地のある歌詞作りになっているな、と。
『ローラースケート・パーク』も見事です。繰り返されるサビの印象的な歌詞が特に鋭いな、と思います(誰かが髪を切って〜のところ)。

・歌詞と真剣に向き合うきっかけをくれた作品。また、『天使たちのシーン』には何度も救われました。

★好きな曲
天使たちのシーン 小沢健二って決して歌が巧みではないんですよね。でも、そこがすごく良い方向に作用していると思います。この曲には小沢健二自身の歌唱でなければ伝わらないパワーがあると感じています。あの歌声で誠実なことばを歌うところが本当に大好きなんです。演奏もすごくよくて、淡々とした雰囲気から始まり、徐々に盛り上がっていって最後の転調から一番のキラーフレーズに繋がるところで泣いてしまいます。

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24.Steely Dan - Aja 
初めて聴いた時の印象はなんかお洒落でいい感じ! という感じでしたが、自分で楽器を演奏するようになってから本作に収録されている楽曲の恐ろしさに気付きました。特に自分が好きなのは『Deacon Blues』『Home At Last』でのBernard Purdieのドラムプレイです。どちらも異様に気持ちいいプレイなのですが『Home At Last』は狂ってるといってもいいくらいに凄まじいです。かなり難しいフレーズを叩いているのに余裕たっぷりというか、安らぐ感じがするところに恐怖を覚えます。本当に気持ちいい!

・音作りだけでなく、演奏自体にも注目するきっかけとなった作品。

★好きな曲
Peg Chuck Raineyによるベースプレイの表情のつけ方が見事だと感じます。ちょっとした繊細なニュアンスで曲の雰囲気ってこんなに違って聴こえるんだ! と思います。いわゆるサビの部分のコーラスもまた見事にハマっていて心地よく響いています。ギターソロもいいんですよねぇ。

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23.P-MODEL - KARKADOR
本作には言語化できない魅力がたくさん詰まっていると感じています。
なんかよくわからんけど、いい感じだ! といった具合です。
ちなみに、生まれて初めて買ったレコードはこの作品。当時まだプレーヤーも持ってなかったのに好きすぎて……

・音楽の魅力を再発見した一枚。

★好きな曲
CYBORG 生まれる前からずっと知っていたような気がしてしまう曲。イントロのシンプルかつ印象的なシンセフレーズから歌のメロディまで全部不思議と懐かしい気がします。ドラムも金物を一切使わず、プリミティヴなムードがあり、そこもなんとなく懐かしく感じるポイントなのかも。
LEAK 
これまた奇妙な曲なんですが、そこが好きなポイントです。なんとなく不気味なイントロ・Aメロを経て謎の解放感のある笛っぽい音色のシンセとともに進行してゆくサビが快感です。Aメロのバックの低い音のブリッジミュートしたギター(多分)とベースとドラムの絡み方が面白くて好きです。

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22.Beat Happening - Beat Happening
ネコちゃんロケットのジャケが印象的な一枚。これを聴いてなかったら音楽をやっていなかったと思います。
へろへろの演奏と拙い作曲技術が却って強烈なパワーとなっているところに音楽のマジックを感じます。ベースレスの編成なのですが、意外とパワフルに感じるのはなぜでしょう。
なんか、聴いていて楽しいんですよね。

・自分で音楽をつくる勇気をくれた作品。

★好きな曲
I Love You イントロからいろいろと怪しいところがいい! 最高なのはサビの執拗に繰り返される「Give it to me」です。

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21.Orange Juice - You Can't Hide Your Love Forever
フリッパーズ・ギターがきっかけでネオアコを聴こうと思い、確かペイル・ファウンテンズやアズテック・カメラと同時に買った本作。
ファーストインプレッションは「え、これもネオアコなの!?」でした。
ネオアコは爽やかでポップなもの、という印象を勝手に抱いていたので本作の奇天烈なギターやクセのあるヴォーカル、独特なリズム感をもつドラム・ベースは当時の自分にはなんともいえない奇妙なものに聴こえました。
何年もかけて聴き込むうちに「これはギターロックだ!」と自分なりの解釈が生まれ、どっぷりハマったのはそれからでした。
ハネまくりのリズムや普通じゃ思いつかないようなギターフレーズがほんとうに面白く、とってもエキサイティングなアルバムだと思います。

・音楽は視点を変えることで急にめちゃめちゃ面白くなることもあるのだ、と気付いた作品です。

★好きな曲
Satellite City とにかく楽器の絡み方が面白いです! 
このベース、弾いてて楽しいだろうなあ……曲の展開もキャッチーで萌えますね!

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20.Palais Schaumburg - Palais Schaumburg
幼少期からずっと「なにこれ……?」と思うようなものが好きだったのですが、音楽における最大の「なにこれ……?」は本作だったように思います。聴くとなんかテンション上がるんですが、よくよく考えると何にテンションが上がってるのかよくわからないし、曲の展開も理不尽だし……よく脱臼したサウンド、なんて言われたりしますがまさにそんな感じです。なんだか知らないけど楽しい作品なんですよねえ。

・音楽は理屈を超えてくる! ということを痛感する一枚。

★好きな曲
Wir bauen eine neue Stadt 意味不明! でも楽しい! 面白い! そんな曲です。迷わず聴けよ、聴けばわかるさ〜……みたいな。

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19.Cluster - Sowiesoso
やさしい気分になれる一枚。
子どもが公園でじゃれているような、ふんわりしたサウンドが特徴です。一番初めに聴いたアンビエントものの作品だったと思います。Brian Enoの方が先だったかもしれませんし、当時はジャンルを意識せずただ心地いいな〜、と思って聴いていましたが!
わりとオーガニックなサウンドなところがまたいいですよね。『Umleitung』のパーカッションや人々の楽しげな声に癒やされます。

・音自体に興味をもつきっかけとなった作品です。

★好きな曲
In Ewigkeit この居心地の良さが永遠に続いて欲しい! と思ってしまう一曲。自律神経が整う感じがします。音作りに興味をもつようになったのはこの曲やTangerine Dreamを聴いてからですね。

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18.XTC - Skylarking
いわゆるコンセプト・アルバムの中で一番好きなのは本作かもしれません。免許を取ったばかりの初夏、よくこのアルバムを聴きながらドライブしていました。いろんな街のいろんな景色と曲が結びついていて、聴くとすごく感傷的になってしまいます。
緑の茂る季節からはじまって(Summer's Cauldron)次第に色褪せていき、寒い季節に繋がってゆくような(Dying)感じの曲順がナイスです。
どの曲もすばらしい出来で、作曲・編曲ともに隙が一切ないなと感じます。XTCは過激な曲をやっている(初期の派手さだったり、後期のひねくれまくったソングライティングだったり)ことが多いですが、本作はトッド・ラングレンの協力もあってか、比較的おだやかな印象で落ち着いて聴けるのもいいですね!

・とにかく思い出の一枚。

★好きな曲
Mermaid Smiled 魔法的なコード感が非常に魅力的だと感じます。ふわふわと浮かぶ感覚が実に心地良いです。

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17.The Meters - The Meters
Leo Nocentelliのギターは最高です。空白を生かし、バンドのほかの楽器を立てつつ、自らもキャッチーかつファンキーなフレーズで主張するスタイルが非常にナイス! バンドアンサンブルのあるべき姿がここにある、と思います。
クルアンビンが好きで、まだThe Metersを聴いたことがない方は本作をぜひ聴いてみてほしいな、と思います。個人的に近いものを感じています……

・音の足し引きの重要さを実感する一枚です。

★好きな曲
Cissy Strut ド定番中のド定番ですが、やっぱり大好きです! ギター持つとついこの曲のフレーズを弾いてしまいますね。
ドラムもまた見事です。オープンハイハットの使い方が好きなんです。あと、スネアのカーン、と抜けてくる音の気持ちよさといったら!
Art ズンズン進むようなグルーヴ感のベースが好きです。ギターのペケペケした音も美味しい! オルガンが自由にのびのびと鳴っているとろもいいですよ!!

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16.Taiko Super Kicks - 感性の網目 / bones
42枚のうち、本作だけシングルです。
『感性の網目』という曲がとにかくすばらしくて、まず小さく低い声でつぶやくように歌う歌と歌詞のマッチ具合が最高なのと(作詞・作曲の伊藤暁里さんの視点の鋭さや優しい感性がよくあらわれていると感じます)、2本のギターがやわらかに、言葉少なに絡み合うアレンジ、その合間を縫うベースにストレンジなパターンのハイハット、ビザールな質感漂うアレンジメントがピッタリはまっています。
また、録音が心地良いんですよね。(エンジニアさんは違いますが)個人的にお世話になっているスタジオクルーソーで録られたドラムの音がすごく好きです。この作品がなければ自分たちの作品をクルーソーで録ることもなかったでしょう……

・歌詞と詩の関係について考えるきっかけとなった作品。

★好きな曲
感性の網目 上記の通りです!!

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15.ミツメ - Ghosts
個人的に大好きなバンドであるミツメの5thアルバムです。
彼らのいいところは、親しみやすい歌にトリッキーな編曲を施すことで曲に奥行きをもたらしているところにあると思っていて、本作はすごくキャッチーな曲がたくさん並んでいるのですがストレンジなアレンジのお陰で一筋縄ではいかない感じに仕上がっています。
また、本作は80年代のシンセサイザーのチープでキュートな音色が活躍していて、ノスタルジックなような、不気味なような不思議な感覚があります。

・編曲の奥深さを知った一枚です。

★好きな曲
ディレイ この曲はベースラインがめちゃくちゃ素晴らしいです。サビの部分のフレージングが特に好きです。サビで16で刻む無機質なハイハットだったり、なんとも奇妙なシンセの音色がGoodです。
エスパー 彼らの代表曲ともいえる一曲。とにかく演奏がすばらしい! 場面ごとに表情を変える2本のギターのフレーズが見事です。アウトロの感情が爆発しそうになるエモーショナルな演奏は流石です。
エックス 不思議なサウンドスケープが魅力の楽曲。ミツメの曲の中で1.2を争うくらい好きな曲です。とにかくシンセのアレンジが素晴らしいと思います。聴いてて溶けそうになる感じ。そしてアウトロがひたすらにうつくしいんです。溜めに溜めて、ラストは宙を舞うような開放感に包まれる、そんなアウトロです。

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14.John Coltrane - Giant Steps
個人的に、本作はジャズというよりも優れたポップ・アルバムで……というとたくさんの「?」が浮かんでくるかと思いますが、僕の中ではそうなんです。
吹きまくるコルトレーンのサックスはちゃんとメロディアスで、目まぐるしく転調する(Giant StepsやCountdown)ところなんかは不思議な高揚感があり、かなりテンションが上がります。
理論のことはむずかしくて理解しきれていませんが、この激しく吹きすさぶ熱風に身を任せる心地よさがあればあとはなにもいらないような気がしています。

・本作のおかげで音楽の楽しみ方が増えました。

★好きな曲
Giant Steps エキサイティングな音楽。トミー・フラナガンのピアノソロが終わったあと、威風堂々、といった感じで登場するコルトレーンのサックスがめちゃくちゃカッコいいです。
Naima 素晴らしいバラードです。静謐なピアノだったり(注目して聴くと結構強烈なコード弾いてますが)、音色・フレーズともにとにかく美麗なサックス……ゆっくりと時間が流れるようで好きです。

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13.The Beatles - Magical Mystery Tour
旬を迎えた天才たちの驚異的ソングライティング、録音のマジックの相乗効果でとんでもないことになっている作品。
本作に収録されている『Hello, Goodbye』『All You Need Is Love』はすごく大切な曲であり、初めて音楽の神秘に触れる経験をした曲です。
幼い頃テレビで観たポンキッキーズで流れていたのを聴いて、気が遠くなってどこまでも落ちていくような感覚とともに、初めて聴いたのにおそろしく懐かしい気持ちになったのを今でも覚えています。

・音楽の凄さを生まれて初めて実感した作品。

★好きな曲
I Am The Walrus サイケデリック・ミュージックの最高峰だと思います。ネジが外れちゃってる感じが大好きです。ストリングスやバッキングコーラスの録音の質感がまたよくて、この頃(60年代)ならではの雰囲気がよく出ているなと思います。ラストの混沌としたムードも最高!
Hello, Goodbye 
シンプルイズベスト、な超名曲。ストレートにすばらしい曲だと感じています。ベースラインがいいですね。下降するフレージングが気持ちいいです。また、ドレミファソラシド〜と弾くだけのギターでさえうつくしく響いているのがビートルズ・マジックというか……
Strawberry Fields Forever 風景がみえる音楽、というものがあると思うのですが、この曲もそうで、僕には灰色の街で雨に濡れた新聞紙がちぎれる映像がみえます。
やっぱりストリングスの録音が素晴らしく気持ちいいです。また、リンゴ・スターによるドタドタとしたドラムがすごくよくて、このノリは彼にしか出せないんじゃないかなと思います。アウトロのちょっと怖い雰囲気もクセになりますね。メロトロンが大好きなので大々的にフィーチャーされているのも嬉しいです!

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12.Pink Floyd - The Dark Side of the Moon
生まれて初めて自主的に購入した海外の作品です。もともと安部公房が好きで、彼の作品に『エコーズ』が出てきたり、平沢進が影響を受けたと聞き、買うしかないと思って今はなき津田沼のユニオンで買いました。
ハマるのに時間はかかりませんでした。浮遊感たっぷりなサウンドと、15の自分にはあまりに刺激的な歌詞に(別のアルバムですが、歌詞でいうとThe Wallが好きでした)すっかりやられ、照れくさい話ではありますがPink Floydの世界に影響を受けまくった短編小説を書いたりしていました。
とにかくアナログシンセが好きなんですよね。
『On The Run』のTangerine Dreamにも似たシーケンシャルなフレーズとかすごくおいしいです……
デヴィッド・ギルモアのギターもすごく好きです。プレイ自体も好きなんですが、音作りがすごくいいなと思っています。クリーンから歪みまで全部気持ちいい……

・海外の音楽を聴き出すきっかけとなった作品。

★好きな曲
Brain Damage 浮遊感たっぷりのアルペジオがとにかく好きなんです。左Chのギターもまた切ない音色で良いです!! ドラムやコーラスが入ってきてダイナミックな展開を迎える快感だったり、ニック・メイスンの独特なタイム感のフィルインがまたいいですね。
流れが好きで、いつもこの曲に続く『Eclipse』とあわせて聴いてしまいます。胸がキュッとなります。
Eclipse イントロのオルガンにやられ、いつだって感情が爆発してしまいます。
繰り返される「And all that you〜」のフレーズと叙情的なギターのアルペジオ、とにかくエモーショナルなコーラスがひたすらにうつくしい……この瞬間が終わってほしくない! と思うほど好きな曲です。

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11.Felt - The Strange Idols Pattern and Other Sh Stories
ぼそぼそ呟くようなLawrenceのヴォーカルと非常にメロディアスなクリーントーンのMaurice Deebankのギターが化学反応を起こし、奇妙なキャッチーさをもつ一枚。
Maurice Deebank、一番好きなギタリストです。音色からフレージングまですべてうつくしいなと感じます。
本作はポップなアップテンポな曲としっとりとしたおとなしい曲が交互に入っていて、どちらもDeebankのギターが最高なんです。基本的にクラシカルなギタリストだと思うのですが、静かな曲ではちょっぴりニューエイジ的なニュアンスもあったりして、ギタリストとしての幅の広さを感じます。

・ギターのクリーントーンのうつくしさを堪能できる一枚。

★好きな曲
Roman Litter おや、普通にエイトビートを叩いている! とのっけからびっくりする曲(彼らは1st、2ndではシンバル類を一切使っていなかったので)。清流の爽やかさを誇るDeebankのギターが光っています。
Spanish House ベースラインが好きです。意外と本作はベースラインが凝っているんですよね。ギターバンドの面白さが詰まった曲だと思います。
Imprint 最初期のFeltを洗練させたような音作りと、胸が切なくなるギターワークが見事な曲。短いながらも、宇宙的な響きがあり、大好きな曲です。

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10.Prefab Sprout - Jordan: The Comeback
冬のピン、と張った空気がよく似合う作品。吐いた白い息のように儚く消えてしまいそうなサウンドが魅力だと思います(アルバムタイトルで検索したら、レビュー記事で近いことを言っている方がいらっしゃいました)。
トーマス・ドルビーによるシンセワークが最高なのはもちろんなのですが、パディ・マクアルーンのソングライティング能力の高さはちょっと別格だと思います。きらめくメロディのすばらしさだったり、コードワークの絶妙さが光っています。

・やっぱりシンセサイザーが好きだと痛感する作品。

★好きな曲
Wild Horses イントロのシンセに一撃でやられてしまう曲。ただ、音作り以前に曲自体がものすごくいいんですよね。物静かなAメロから決して派手ではないもののコーラスとシンセの絡み合いがあまりに綺麗なサビに入った瞬間の胸キュン度はかなりのもの。
We Let the Stars Go パディ・マクアルーンの美声が堪能できる一曲。こちらの曲も『Wild Horses』同様サビ部分がたまらなくうつくしいです!

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9.Felt - Crumbling The Antiseptic Beauty
大好きなFeltの1stアルバム。
彼らの世界が一番素直かつ強烈に表現されているのらこのアルバムかな、と思います。
ヒリヒリする音色のギターだったり、タムがメインの原始的なドラムサウンドだったり、とにかく尖ってます。どちらかというと暗い音楽だと思うのですが、暗い中にきらきら光るものがあるように思います。

・聴くと周りの景色が変わってしまうアルバム。 

★好きな曲
Evergreen Dazed この曲が好きすぎて困っています。ガラス細工のように繊細で、今にも壊れてしまいそうな音色のDeebankによるリードギター、シンプルなコードながらも儚さをむんむん漂わせるバッキングギター、このふたつだけで構成された曲なのですが、みえる景色は無限の広がりをもっているというか……ステンドグラスを通過して拡散する光のように優雅な響きがあるな、と思っています。

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8.Beach Fossils - Beach Fossils
単音でフレーズを弾く2本のクリーントーンのギターの絡みが刺激的で楽しい作品。ごちゃごちゃしてしまうので普通はこういうアレンジにはしないのですが、あえてやっているところにカッコよさを感じます。
フロントマンのダスティン・ペイサーはジャズが好きなようで、おそらくジャズの即興的なプレイに魅力を感じているのではないかと思います。即興のスリルをツインギターのインディー・ロックのフォーマットに落とし込んだのが本作なのではないかな、と……

・ツインギターバンドの可能性を感じる一枚。

★好きな曲
Vacation 演奏自体はあまり巧みではないのですが、アイデアで演奏を面白いものにしているなと思う一曲。楽器の抜き差しだったりコーラスだったりがスリリングさにいい感じに貢献していて、よいです!
Daydream イントロから既にいい曲ですよねえ……はじめから終わりまで高揚感MAXな感じが好きなんです。

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7.The Clientele - The Violet Hour
FeltやGalaxie 500同様、ヴェルヴェッツの血が流れている(ような気がする)バンド。
まどろみの中のサイケデリア、といった感じのサウンドです。録音の質感が好きですね! ほんのりサイケデリックで、夢見心地……
ギターがすごくいいんですよ。曲によっては1本のみでアルペジオを弾いているところもあるんですが、かなり充足感があるという……コード感をうまく生かし、退屈させないフレージングになっているな、という印象です。ドラムもまた気持ちいい音作りでGoodです。

・やっぱりこういうのが好き! と叫びたくなる作品。

★好きな曲
When You and I Were Young ギターワークが見事すぎます。音色からして最高に良いのですが、弾きすぎず効果的に曲にほんのりサイケな色をつけるプレイがほんとうに巧いなと……
Porcelain これまたギターが好きな曲。よくもまあ、ここまで曲の雰囲気に合ったギターのフレーズをたくさん考えられるな……と驚嘆。

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6.Cocteau Twins - Heaven or Las Vegas
至高の音楽体験ができる一枚。エリザベス・フレイザーの歌声はすごく気持ちいいですね。好きなヴォーカリストを教えて! と言われたら必ず選出するくらい好きな歌声です。ミステリアスな雰囲気があるところがいいですね!
奥行きのある、空間が広く感じられるような音作りが好きです。モジュレーションのかかったギターが効果的に使われているのもよくて、昇天しそうになります。

・歌声の神秘を教えてくれた一枚。

★好きな曲
Heaven or Las Vegas 
世界の神秘そのものです。この曲は。イントロのアルペジオを聴くと、強烈な胸の高鳴りを覚えます。心がキュッとなった次の瞬間にエリザベス・フレイザーの神がかり的な歌声が入ってくるので、一瞬にして自身の周りの風景が晴れ渡り、気がつけば空高くにいるような感覚に陥ります。
サビ部分の歌声が特に恐ろしいほどすばらしく、コーラスと相まってもう無敵です。無敵になれます。

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5.Galaxie 500 - On Fire
バンドならではの魔法が音楽に宿っているな、と感じる作品です。技巧派、というわけでは断じてないのですが、妙に聴かせる演奏の心地よさだったりダイナミクスにあふれる感じだったり、すごく好きです。
彼らはすごくクレバーな人たちなのだとなんとなく思います。自分たちの見せ方をわかっているというか……へにょっとした演奏だったりふにゃっとした歌声だったりが違和感なく聴こえるのは彼らの作戦通りで、ゆるやかに盛り上がるアレンジの技術によるものなんじゃないかなあ、と……ほんとうにたまたまマッチしているだけなのかもしれませんがね!

・音楽を聴かせる技みたいなものを学んだ作品です。

★好きな曲
Blue Thunder 気だるいままずっと曲が進み、気だるいまま終わるところが好きです。Damon Krukowskiによるドラムが決して派手ではないものの特徴的で盛り上がりますね!!
When Will You Come Home 一番Galaxie 500らしいなと感じる曲です。中盤以降の演奏がゆるやかに弾ける感覚が気持ちいいです。大好きな曲。

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4.Television - Marquee Moon
初っ端の「See No Evil」のギターリフから痺れっぱなしの一枚。異様にカッコいいです。今更言うまでもないですがね!!
彼らの真価はバンドアンサンブルの見事さにあると思っています。ギター2本、ベース、ドラムがそれぞれ見せ場を持てるような曲構造になっていて、引くところは引いて、足すところは足す巧みなアレンジが凄いんですよね……もちろんそういうオタク的な楽しみ方だけじゃなく、シンプルにカッコいいのが彼らの凄まじいところ! ギターの切れ味鋭い音色だけで人を狂わせるポテンシャルを持っています。

・バンドアンサンブルについて考えるきっかけとなった作品。

★好きな曲
See No Evil イントロのリフ、犯罪的なかっこよさです。罪です。これで人生狂いました。それはさておき、上述の通りバンドアンサンブルの見事さに毎度驚きます。無駄が一切ないなと感じます。すべての音が絡み合ってズンズン進行してゆくところがクールです。
Venus リードギターがかっこよすぎるんですよね。珍しく完コピした曲のひとつです。ソウルミュージック的な響きさえ感じるベースラインのおいしさだったり、ギターのアルペジオが特徴的なインストパートのかっこよさだったり、かっこいいに溢れすぎていて泣いてしまいます。

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3.平沢進 - 救済の技法
人生で初めて買ったCDは平沢進の『Sim City』ではありますが、アルバム全体の凄さを考えて今回はこちらを選出しました。
本作はオリエンタルな要素と彼独自の奇天烈な感覚が見事にミックスされ、うつくしい響きをもつ曲がたくさん入っています。勇猛な曲だったり、癒やしてくれる曲だったり幅広くクオリティの高い楽曲を作る才能に脱帽です。

・音楽を自ら聴くきっかけとなったアーティストの中で一番好きなアルバムです。

★好きな曲
GHOST BRIDGE アンビエントな感覚を持つ歌モノ。ディレイのかかったピアノや声のサンプリングがあの世のもののように響き渡るイントロが好きです。平沢進自身の歌声も高いところから低いところまでまんべんなく使われており、とにかく彼の声が好きで仕方ない自分としては、もう最後です。サビのコーラスの重なり方もうつくしく、ゆるやかにたゆたうような感覚がして好きです。
ナーシサス次元から来た人 イントロの声のコラージュからしてうつくしい……まず、彼の低音ヴォーカルが大好きなのでこうささやくように歌われると……幸……なのですがメロディもすばらしくいいですし、バックのシーケンシャルなシンセの組み立ても気持ちいいです。
万象の奇夜 Aメロの声の処理の仕方が好きです(センターで鳴る→左右に別れる)。Bメロのどこまでも伸びる声もそうですし、溜めに溜めて入ってくるサビ部分の凄まじい歌声も……とにかくこの曲は彼の声の魅力が存分に味わえます。すばらしい。余談ですが、2012年のライブで生でこの曲を聴いたとき一度絶命しています。

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2.ミツメ - ささやき
彼らの音楽オタク的な精神がよくあらわれていると感じる作品。初期のミツメの最高傑作だと思います。
多重録音やテープエコーを異様に深くかけた音響的実験もかなりバッチリハマっていて、言葉をかなり削った歌詞も暗くてクールです。
この頃のミツメのインタビューは雑誌含めほとんどチェックしていて、彼らのルーツはなんなんだ!? と躍起になって探っていた記憶があります。

・聴く音楽の幅を広めてくれた一作。

★好きな曲
停滞夜 ベースラインが異様にかっこいいです!! そして、シンプルにブリッジミュートで弾き続けるギターもソリッドな質感でCool……そこに川辺さんの異様なほど深くテープエコーをかけたヴォーカル……コアな編曲だと思うのですがキャッチーさを失っていないのがミツメらしいな、と感じます。
Paradise これまたベースがかっこいい一曲。2回目のAメロに入りハイハットを16で刻みだし、ギターが消え、その中で躍動するベースフレーズのクールさと言ったらもう……! アウトロのギターソロもカッコよくて、バッキングと合っていたリズムが途中から変わり、遠くまでいっちゃう感じが最高に好きなんです。

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1.スピッツ - ハチミツ
ポップミュージックのあるべき姿がここにある! と勝手に思っています。
作詞・作曲・編曲、どの点をとっても最高にすばらしくて、これ以上はないのではないか……とさえ思ってしまいます。
受け取り手の数だけ答えがあるような奥行きのある歌詞、親しみやすくそれでいて飽きのこないメロディとコード、そしてそれを際立たせる各楽器のアレンジ……
無敵のアルバムだと思います。

・苦しい時に支えてくれる作品です。

★好きな曲
ロビンソン 全曲好きですが、別格なのでロビンソンだけ……
初めて聴いたときから懐かしいな、とか不思議な光景が目に浮かぶな、とかいろいろ思っていて、それから20年近く経ったいまでもまるで色褪せず、むしろ輝きを増してきているところに凄みを感じます。
すべての音がやわらかくきらめいて聴こえるところが好きなんです。ぎりぎりの三日月の放つ光のように、儚くやさしく輝いているように思います。

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↓番外編↓

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42.既踏峰 - 既踏峰
ある意味一番人生を変えたというか、変えられた結果というか……
制作に関わってくださったみなさんと、聴いてくださったみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

・いろいろな意味でがんばりました、の一枚。

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おしまい。

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