人生が変化する速度

「人生を変えたい」

と思ったこと、思っている人って多いかもしれません。

僕も若いときは人生を変えたくて、焦燥感に取り憑かれていました。
そして、実際に本格的に人生を変えようと思い、行動に出ました。
それが28歳の終わりくらいだったでしょうか。

そのときから、本当にいろいろなことが起きました。
大抵は状況が悪くなった。
変えようとしたことに対する反作用でしょうか。

仕事をほぼすべて失ったこともあるし、「社会に居場所がない」と疎外感に苛まれたこともあります。

どうしてこうなっちゃうのかな、と思っていた30歳くらいのとき、ある本と出会い、そこに書いてあったある文章が印象に残りました。

どういう文章だったかというとそれは……


「人生が良い方向に変わったと認識するまでには、その行動に出た時点の年齢からおよそ半分の期間がかかる」

というものです。

このフレーズを見たとき、いろんな感情が渦を巻きました。

納得したのが一番大きかったのですが、それと同時に、
「そんなに時間がかかるのか」と思ったり、半信半疑になったりしました。

だって、28歳の終わりから行動に出て、その年齢の半分の期間というと14.5年。
42歳の終わりか43歳の初めに「変わった」と認識することになる。

そんなの、30歳の、あと12年以上ある時点で言われても困るじゃないですか。
しかもそのときの僕はお仕事関係にも恵まれておらず、収入が支出に追いつかなくて毎月貯金残高が減っていっている日々を過ごしていたわけだし。
気兼ねなく話せる仲間とかもいなかったと思います。

反面、納得できる気持ちが一番大きかったのは、それまでの1年半ちょっとの「変えるための行動」で、「人生は劇的には変わらない」と気づき始めていたからだと思います。

もちろん僕の事例が全ての人に当てはまるわけではなく、急速度で、劇的に変わることもあるとは思います。
例えば、外国人と結婚して海外移住とかしたら嫌でも急に人生は変わりますよね。

ただ、多くの場合は、徐々に変化していくと思います。
半歩進む、一歩進む。ときには後退する。
結果論として、変わるまでの平均速度は行動に出た年齢の半分の期間に収束する。

これが言いたいのではないかと当時、感じました。
ある意味、このフレーズに出会って、安心した部分があります。

その後も結構、ピンチだったり、長期間落ちるような経験をしたのですが、あの本を信用するなら、これは「変化するまでに必要な、一時的な後退」だと思えるようになったからです。

そして現在、39歳の終わりを迎えて、その本のフレーズって真実なのではないかと思っています。
まだ43歳ではないので、結論を出すのは早計ですが。

ただ、人生を変えるなら、かえって悪い結果にならないよう、長期的視点を持った方がいいとは思います。





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