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小説を読んで感じる、あらたな発見と可能性

たぶん、僕は、いままでに人よりも多くの小説を読んできている。

そりゃあ1日中、本ばかり読んで過ごしているわけではないけれど、図書館で働いているということを差し引いてもあまりあるぐらい、つねになにかしらの本を読んでいる最中なのだ。そして、それら本のだいたい80%ぐらい、つまり10冊に8冊ぐらいは、小説だということになる。

方舟 / 夕木春央

潔白 / 青木俊

ここ数日で、これらの2冊を読了した。どうやら僕は、こういう「重め」の「ふかーい」感じの小説がすきみたいだ。

1冊目の『方舟はこぶね』は、数々のミステリー賞を獲っている有名作。僕も読んでいて、綾辻行人さんの『十角館の殺人』とか、学生のころに凝っていた『名探偵コナン』をつい思い出した。超・ど真ん中ミステリーである。

2冊目の『潔白』は、あらすじを見て、即購入した。ある男が殺人事件の被疑者となり、死刑となった。その判決に不満をもつ娘が、父の冤罪を晴らすという話なのだが、何よりもこの小説のポイントは「すでに死刑は執行されている」ところにある。

警察や検察による違法な捜査、死刑制度、裁判官の本音。日本にいるかぎりは、決して他人事ではいられない。現実に、冤罪(と言われている場合)でも死刑になってしまった人がいることを忘れてはいけない。これもジャンルはミステリーなので、真犯人探しとしてもひじょうに興味深い小説だった。


ところで、現在、僕は転職活動中で、先日はこのような記事を書いた。

新卒とは異なり、中途のキャリア採用となるので、よっぽど気をてらったトリッキーな質問は来ないとはおもうが、わからない。面接対策をしているなかで、自分自身の価値観や思考のプロセスなんかを深掘りしていく作業は、なかなか大変なのだが「自分のことなのに新たな発見があったりして」意外と楽しい。

前述のように、僕はもうここ何年も小説ばかりを読んでいるのだけれど。たとえおなじ小説でも、1回目と2回目に読むのではまるで感じ方がちがう。書いてあることはおなじなのに実に不思議だ。

ただ、それもそのはずで、数年前といま現在では、僕自身の思考は多少なりとも変化している。読んでいる環境ももちろんちがうし、仕事や趣味や、もっと言うなら、数年前は紙の文庫本で読むのがあたりまえだったが、いまではKindleで読むのがごく自然な習慣になっている。

これまでは、小説のなかの登場人物に感情移入して読むことが多かった。しかし、ここ最近は、書き手、つまり著者の目線になって読むことが増えてきた気がする。

「僕だったらこの後の展開はこう書くかも」
「この著者はこのオチを最初からイメージして書きはじめたのだろうか」

小説の楽しみ方が、大きく広がりはじめている気がする。ドラマや映画ももちろんいいが、言葉には無限の可能性がある。

「あなたが最近気づいた、自分自身の発見はありますか?」

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