なぜNHKは、定期的に「三英傑」を描きたがるのか
NHK大河ドラマが、好きである。大学生時代は、お金はないが、時間だけは売るほどあった。近所のレンタルビデオショップで、数本のDVDを借りてきて、1本に4話入っていたので20話ぐらいを貪るように観ては、また借りるを繰り返していた。
そのおかげで、2000年以降を中心に、人気、と言われる作品はほとんど観ている。2024年の『光る君へ』も、純粋な歴史ドラマが好きなのでラブストーリー演出にはあまり惹かれないものの、資料が少ない平安時代をミステリアスに描く術に、おどろきながら映像の優美さにもうっとりと浸って楽しんでいる。
さて、先日発表された、2026年『豊臣兄弟!』のことである。
本音を隠さずに打ちあげるのならば、この知らせを聞いたときは、
「またか。飽きたよもう。」
と口から漏れ出た。
ここでいう三英傑とは、戦国時代を、いや、日本史を代表する織田信長・豊臣秀吉・徳川家康という3人の偉人のことである。
もちろん、僕自身は歴史の専門家でもなんでもなく、「ただの大河ドラマ好き」なので、飽きるほど知識があるのか、と尋ねられれば答えに窮する。しかしそれでも、ついこの前、『どうする家康』を放送したばかりなのに、とため息がでる。三英傑を描けば、人気がとれるとでも思っているのだろうか。
じつは先日、有料配信で公開されている2016年放送の『真田丸』を観終えたばかりだ。この作品も、豊臣秀吉と徳川家康に翻弄されながらも最後まで戦う真田信繁(幸村)が印象的だった。
完全に私事なのだが、もう充分、戦国は観飽きている。もっとこう、光に当たらない、新たな歴史を発掘していく作品を作ろうという気概はないのだろうか。怒りをこえて、残念にすら思う。
とはいえ、NHK側にもそれなりの意図があるはずだ(と信じている)。今日はそこのところを素人ながらに考えてみたい。
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