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面接における、「緊張感」

この「転職で思ったことシリーズ」も、もう少しで終わるのだろうか。現実的には終わらせたいものの、ふだんの生活では気がつかないことまでわかったりするので、すこし名残惜しいきもちもある。

当たり前なのだが、企業というのは、企業の数だけ“色”がある。個性とも言い換えられるが、企業の個性といっても、よく考えると奇妙に聞こえる。本来、企業じたいに意思や表情はない。どんな企業にも最初は創業者がいて、その人物の理想や想いが、いつかだれかの共感を生んで大きくなっていく。だから、そこで働いている人の個性が集まり、そのままそれが企業の色や個性になっていくのだと思う。

面接をしていて思うことは、「企業によってなにもかもが違うな」ということだ。

たとえば、履歴書や職務経歴書などの書類の受取り方がまず違うし、出てくる人物の役職も違う。当然、面接してくれる人数も企業によってさまざまだ。

そうなると当然、「面接の進め方」にかんしては、いざその場で始まるまでは完全に未知の世界である。何回やってもあれは慣れない。

先日に受けた企業なんかは、「最終面接の15分ぐらいまえに来てください」と言われていたのでそのとおりにして行ってみると、まず最初に、人事担当の女性職員と5分ぐらいの面談があった。そこでは、事細かに今日やることの流れを説明された。

「私が先に面接会場へ入ります。そのあと、10秒ぐらいしてからノックして入ってきてください。着席したら、私が面接官を紹介しますので、長屋さんも簡潔に自己紹介をお願いします。そのあとは…、」

まるで機械のようにスラスラとした口調で、僕の発言内容から身体の動きまで、まさに一挙手一投足を指示されて困った。困ったというより、疲れるな、と思った。

もちろん冒頭でも書いたように、企業によってはとてもフランクに、世間話でもしているかのように終始なごやかに進むことも少なくなかった。

どちらがやりやすいか、と聞かれたら当然、後者になるわけだけれど、考えてみるとちょっと不思議だ。

できるだけ言動を指定してくれたほうが、「あそこでやらかした!」みたいな失敗が少なくなるのでいいような気もする。それに、じぶんで考えて動くばあいは、求職者によって個性が出るので、評価に差がつきそうで怖い。

ただやっぱり、指定されたら「そのとおりに従わなければいけない」というプレッシャーが生じる。そこが大きくて、その日の僕はひじょうに緊張した。

このことを考えて思い浮かんだのは、“1分間スピーチ”である。ただ、これも話がちょっとややこしくて。

「1分でなんでもいいから話してくれ」と言われたら困るが、「1分で『最近ハマっていること』について話してくれ」と言われたら多少負担はやわらぐ気がする。

ようは、程度の問題なのか。

面接では、最後にほぼかならず「逆に質問はありますか?」と聞かれる。用意していればいいのだけれど、なにも準備せずにのぞむと、「え、質問?疑問や不安はもちろんあるけど、いまこの場でなにを聞けば…」と焦る。

そこで、「今日の面接で知ったこと」とか「HPを見ていて感じたこと」などと、自らテーマを設けると聞きやすくなることがある。

言動を指示されたり、細かい企業だな、と思うときにも、「こういう社風なんだろうな」と、入社したあとのことを想像するいい機会と捉えられれば、ゲーム感覚で乗り越えられる気がする。

最近、偶然にもこう感じる機会が増えたのだけれど、つまるところ、「他人は変えられないし、変える必要もない。自分じしんがどう動くか、どう捉えるかで世界の見え方は変わってくるはずだ」と。

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