6月 亀田総合病院感染症科ローテーション

ローテーションの概要

 感染症科は、内科専門医修了後のサブスペシャリティとして存在します。この科は、コロナウイルスを含むあらゆる感染症に関わる治療を担当しています。各科からのコンサルテーションや血液培養陽性患者の診療を扱い、抗菌薬の使用にも厳密な指導を行っています。

1ヶ月の目標と経験

 外来や在宅ケアで用いる診察技術の習得と、それを適切な抗菌薬使用へ結びつける理解が、1ヶ月間の目標でした。非常に熱心な指導医の下で、感染症診療の基本から耐性菌への対策、抗菌薬アレルギーの交差反応、内服抗菌薬の選択と投与方法、Gram染色の診断応用、さらには外来での経口抗菌薬使用や在宅でのOPATまで幅広い知識を学ぶことができました。

深い学びの場と自己認識の変化

 このローテーションは、フェロー、アテンディングの先生方から深い医学知識を直接学び、自己認識を見つめ直す貴重な機会となりました。先生方の「あらゆる事象を分析し仮説を立て、医学的に現象を説明する洞察力」に感銘を受けました。

 しかし、その診断法を自身の外来診療でどう適用するかは課題でした。家庭医として、外来での診断能力とは何か、どう習得するのかが課題となり、多くの疑問を持つようになりました。

診断する頭の使い方と今後の展望

 多くの方に相談し、家庭医の指導医とのディスカッションから自分の診断方法を見直すことで、救急外来、総合診療外来、内科的診断、という三つの診断の仕方をシチュエーションによって使い分けるべきだと考えるようになりました。しかしこれらはそれぞれがオーバーラップしています。時間的制約とどのレベルまで診断するべきかという場面ごとの違いがあり、疾患の緊急度や頻度、そしてSystem 2 のフル活用など特徴的な違いがあります。しかし、どの場面においてもそれぞれの考え方を使用するタイミングがあると思います。どれだけMedicalな部分を鍛えていけるか、その素地を作ることが今後の課題となりました。この一ヶ月の経験が、その道のりの始まりだと思っています。

この一ヶ月の感染症科ローテーションは、厳しさと同時に大いなる学びをもたらしてくれました。これからも引き続き頑張ります。

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