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平成と令和料理の三種の神器とは⁉️「おいしい食の流行史」

本(おいしい食の流行史)

NHKラジオで放送された番組「食の流行から見る暮らしの近現代史」を書籍化した本です。筆者の阿古真理さんは作家で、生活史研究家でもあります。料理好きの私は、以前「小林カツ代と栗原はるみ」(ベタすぎる!タイトルですが)という筆者の著書を読んだことがあったので、今回も好きな食べ物の内容ということもあり、新聞の書評で見つけ読んでみることにしました。

この本はラジオ番組の書籍化であり、いわば映画のノベライゼーションのようなノリなので、通常の新書版のような読み応えがあるいうよりも、ライトノベルのようにすらすら読めてしまうといのが読み始めた直後の率直な感想でした。

参考文献も1次資料ではなく、そうした資料をまとめた本を多用しており、いわば2次資料の引用となります。この辺りが通常の新書と比較すると、物足りなさを感じる読者もいると思いますが、そうした点に関しても筆者は、あくまでも番組の書籍化というスタンスを保ちながら、本の構成もそうした趣旨で行っています。

話を本の内容に戻しますと、筆者は食以外にもジェンダー問題での執筆も行っており、本書でもそうした側面が反映された章があります。第5章「キッチンと料理の関係」では、戦後普及したLDKでのキッチンの容量(大きさ)により料理が決定されたとあり、第8章「デパ地下の誕生と「男女雇用機会均等法第一世代」」では、デパ地下のお惣菜が共働きで料理などの家事に制約がある女性のニーズをくみ取ったものとの解説がありました。

また調理道具の進化による料理の変貌も時系列的に述べていますが、平成や令和にも様々な調理器具が登場します。それらによる料理の進化とは、ひたすら手間や時間を省く時短料理であり、いかに女性の家事省力化に貢献できるかの歴史でもありました。
以下その代表的な調理器具を紹介されています。
平成の三種の神器「電子レンジ・フードプロセッサー・オーブントースター」
令和の三種の神器「電子レンジ・ホットプレート・電気鍋」

電子レンジ対応の食品が増えたことから、電子レンジは平成~令和と調理の便利グッズにリストアップされています。ホットプレートは材料を切るだけで焼き肉や焼きそばができますし、家族みんなで食事を楽しめます。電気鍋は朝材料を入れてスイッチを入れれば、夜には料理ができているという流行りの物です。
いずれも調理の手間と時間を省略した時短料理であり、まさに神器と評される心強い味方でもあります。

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