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【映画感想】 気になってたシネマジャポネ(日本映画) #01

filmarksの『観たいリスト』に入れられてからはやウン年、観る機会がなかなか与えられない作品を掘り出して鑑賞する週間。
そのためにわざわざU-NEXTを契約した。

今回は日本映画。
小津安二郎から最近の作品までどんどん観ていく。
感想はさらっとまとめる程度にするつもりだが、もしかしたら熱が入って長くなるかもしれない。

それではいきましょう。

#01 『佐々木、イン、マイマイン』 (2020)

監督:内山拓也
出演:藤原季節、細川岳 etc

現代の日本映画を数多く観たわけじゃないけど、"日常のリアルさ" と "行き場のない恒常的なダルさ" を描いたものが昨今の日本映画には多いなと思う。いやわたしのチョイスがたまたまそうなだけかもしれないが。

佐々木といういわゆる "クラスにいたら絶対目立つヤツ" とその友人たちが登場人物なのだが、佐々木メインの話のようでいて実はそうではなく、友人たちそれぞれの超〜〜〜普遍的なやるせなさ、気だるさ、生活のかったるさをリアルに描いた作品でもある。

同時にその日常臭さほど目立ちはしないけど、心が通い合ったと双方がわかる瞬間とか、声にならずに静かに涙を流す震える感情とか、仲間と同じ車に乗り込んで同じ気持ちを共有する心強さとか、そういう "誰もがどこかで知っている名もなき感情" の表現が、俳優陣・演出ともにとても上手い。

名作だと思った。


#02 『時を駆ける少女』 (1983)

監督:大林宣彦
主演:原田知世

1987年『私をスキーに連れてって』主演の原田知世、初主演作!
スキーのほうを観てからずっと気になってた作品。
めっちゃ面白かった!そしてヒロイン可愛い!

"タイムリープできる" 超能力の便利な面だけじゃない、どうにもならない切なさに満ちた面がクライマックスに持ってこられて泣ける。

この時代 —— バブル世代というのか、この時代の日本映画、好きかもしれない。同じ大林監督のシリーズもので『転校生』『さびしんぼう』という作品もあるらしく、この2作品も "観たい列" に並んだ。


#03 『東京暮色』 (1957)

監督:小津安二郎
出演:原節子、有馬稲子、笠智衆

いつも同じようなテーマを同じようなメンバーで撮る小津安二郎の "異色作" と聞いて、ずっと気になっていた作品。

………確かに "異色" だったーー!

母を知らずに育ったアキちゃん(有馬稲子)、そんなアキちゃんを精神的に支えながら幼い娘をシングルで育てるタカちゃん(原節子)、いつもの感じのお父さん(笠智衆)。

なかなか胸がキュウっと詰まるような作品だった。
子どもがいる人いない人、男性女性、色んな立場の人が色んな想いをもつことができる作品なんじゃないだろうか。

いつも "家族" と "東京" を撮る小津だけど今回はちょい辛口。
それに加えて "ある不幸" を真正面から撮る小津。


それにしても小津映画の完璧な構図、ムダなカットが一枚と無い構成、しつこいほどに徹底された小津ワールドにいつも感服する。
世界に愛された小津、がだんだん分かってきた(かもしれない)この頃。


#04 『東京画』 (1985)

監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:厚田雄春、笠智衆 etc

ヴィム・ヴェンダースから小津安二郎に捧げられたオマージュ作品。
小津が制作した54本の作品への熱い想いを胸に、ヴェンダース自身がカメラを持って東京を訪れた1980年代の記録である。

笠智衆など言わずと知れた俳優から、最後まで小津と組み続けたカメラマンなど小津作品に欠かせない人物のトークもある。

そういった意味では貴重なフィルムだが、54作品すべてを観たわけではないわたしには "80年代東京のリアルな残像" というのが正直な印象。

80年代というと、両親の世代がわたしくらいの歳で祖父母の世代が働き盛りの歳。わたしの先祖はこういう雰囲気を生きていたんだな、と、ヴェンダースのカメラを通して当時の東京を感じ取ることができた。


#05 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 (2007)

監督:松岡錠司
出演:オダギリジョー、樹木希林 etc

リリー・フランキーの自伝小説を映画化した作品。

いつもチンピラかダメ男を演じてる印象のあるオダギリジョーが、ふっつうに心優しい一般人として描かれていて違和感(褒め言葉)。そして樹木希林の演技もすごい(語彙力がないがすごいとしか言えない)。俳優ってすげえ。

まっすぐに息子を育てる逞しいオカンに、まっすぐなオカンへの愛情で応える親子愛の交流があたたかすぎる。一時はあるあるな堕落学生を踏まえつつも、時間差の親孝行を全力でやってのける彼のひたむきさに感動した。

ちなみに彼は武蔵野美術大学(通称ムサビ)を留年して卒業したらしいが、わたしは同大学を2年で中退している。ははは。



シネマジャポネ、やっぱいいね〜
今度は黒澤や溝口も観るか〜〜


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