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犬が欲しい、この感情の落とし所はどこ

数年前から犬が欲しいと思うようになった。
我が家にはハムスターがいるから癒しは間に合っているはずなのだが
無性に犬が欲しい。

ペットショップに行き、子犬たちがニコニコとこちらを見ていると
自然と顔がほころび、赤ちゃん言葉で話しかけそうになってしまう。
犬が欲しい、この感情は一体なんなのか。

私は今年41になる。犬を飼いたいと周囲に漏らすと、「年の離れた三人目もいけるじゃん!」と返ってくることもしばしば。

だが私は「若年生更年期」というものになりかけているらしく、どこをどう頑張っても、高度不妊治療に進まない限りはもう子供を望むことはできないと言われた。
さすがに高校生と中学生の育ち盛りを抱えて高度不妊治療に進む勇気もお金もない。
次男は特に「弟か妹が欲しい!」というタイプだったので申し訳ないが人間の弟妹は我が家にやってきてくれそうにはない。

あーーーー、不妊治療の助成金とか10年前になんとかなってたらなぁー。ってスガさんの仕事ぶりを見て嘆いたりもした。

そこを乗り越えての「犬が欲しい」
つまりこれは、「赤子のように手をかけて育てる生き物が欲しい」「生き物とのコミュニケーションを求めている」という感情の表れではないかと思う。

ハムスターも可愛い。もちろん意志の疎通もできていると私は思っている。少なくとも「ごはんをくれる何者か」として私はハムスターからの絶大な信頼を得ていると、そういう感触もある。

だけど、やっぱり、もう一段進んだコミュニケーションを取りたい。

で、子供達に意見を聞いたところ部活で忙しい長男は「どっちでもいい。まず想像がつかないし、お父さんがOKを出すとは思えない。野球にめちゃくちゃお金かかってるやん」と冷めた意見。
弟妹欲しい願望がまだ残っている次男は「犬!欲しい!かわいい!飼いたい!」と完全に私寄りの意見。

となると残りは夫である。夫も私も犬を飼ったことはない。だから犬を飼うための説得方法もよくわからない。そもそも夫が犬を好きか、犬に関する知識がどれくらいあるのかもわからない。

まずはペットショップの前を通ったり、犬の動画を見ながら「犬って可愛いなぁ」という前振りをしてみる。
もちろん無反応だ。面白い動画などは笑うけど、画面の中だからね。

次に犬が欲しい気持ちを伝えてみる。間が悪いことに長男の入学関係でお金が数十万単位で飛んでいるこの状態で。
犬なんか飼うか、無理無理!とつっけんどんな反応だった。当たり前だと思った。

最近の夫婦事情は最悪で、会話がない上に目も合わさない、お互いがお互いを「はーぁ、何こいつ」と思っている感がバリバリに出ているんだから、そこを瓦解せねばならない。
「もっと会話しようぜ!!」と喧嘩をふっかけてみて、夫から「家に帰っても何会話していいかわからん」というワードを引き出した。よし!!

「だから犬がいいんだよ!!会話の切り口にもなるし、思春期の子供がいるときに犬を飼うのは家庭的にも良いことだっていろんな統計が出てるから!!」根拠となる数字や引用元など何もつけずに畳み掛けてみた。

FBで「根拠はどこにありますか?たとえば、4人家族が犬を飼ってよかったという信用できるデーターを引用元とともにつけてください」とか言われちゃうやつだけど、夫だから大丈夫だった。

そこから少し態度が柔らかくなったと思う。犬がいる生活を少し想像しているような場面も見られた。
しかも、ペットショップに行き、子犬を抱っこさせることにも成功したのだ。
抱っこできればもうこちらの勝ちだ。
ペットショップでの「抱っこ」は強い。強すぎる究極のカードである。

ほら、夫も昔赤子だった子供達にむけていた目線を子犬にむけているじゃないか。

値段はあえて言わない。チラチラ夫も見ているからここで値段の感想を聞いてはダメだ。

ちなみに私が欲しい犬種は、小型犬のマルプーである。マルチーズとトイプードルのミックスで毛が抜けにくく愛嬌があり割と賢い犬種。
夫は柴犬が欲しいと言い出したのだけど、柴犬は毛が抜けまくるから我が家には不向きだ。残念。

ちょっと驚いたのだが、犬の値段というのは「血統の良さ」だけで決まっているのではないらしい。
特に今はミックス犬ブームで、血統よりも「可愛さ」が割と重視されているとペットショップの店員さんが言っていた。

カラー、顔立ち、体型、これらの可愛さが揃うとすごく高い子犬になるらしい。マルプーでいうなら、珍しいカラー、短いマズル、楕円に近いお顔、足は短すぎず長すぎず、胴はちょっと短めでお尻がぷりんとしている子。
さらに生後何ヶ月、オスメス、両親の遺伝病、この辺りが絡み合ってお値段が決まるみたいだ。

生後2ヶ月のマルプーの平均価格は25〜35万。高い子は50万とか。
うわぁ。うちでは無理。

生後3ヶ月で、平均価格20万前後になり、半年を過ぎれば15万を切る子も出てくるらしい。シビアだ…

この犬が欲しいという感情の落とし所は「飼うまで収まらない」だと思う。
ハムスターと共存することは可能、ケージも調べた、ペットショップの傾向とブリーダーについてもできる限り調べた。

あとはもう、運命の出会い(お値段を含む)なのだ。
夫は「お金を貯めたら飼える」まで発言するようになった。0%だった可能性が70%にまで跳ね上がったのだ。

今日も近隣のペットショップやブリーダーの仔犬情報をなめるように見ている。

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