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ホッピーとワタクシ

「ホッピー白セットお待たせしました〜」
キンミヤ焼酎がいくらか入ったジョッキにホッピー瓶とマドラーが提供される。
おもむろに瓶を手に取り、ジョッキスレスレまでホッピーを注いだ後にマドラーでひと混ぜ。
お通しをひとつまみ口に放り込んだら、すかさずジョッキをぐいっと。
ああ今日もホッピーと共に一日が終わる。

ホッピーとの出会い

見出しを打ったものの、ホッピーとの出会いは正直よく覚えていない。
初めはなんとなく物珍しさや昭和レトロ感に惹かれた程度で呑み始めた気がする。
おそらく20代後半。ファーストインプレッションは「うすいビール」といった感じで、大して美味しいとは感じなかったのは覚えている。

30過ぎから呑む頻度が増えた。ビールほど炭酸がキツくなく、サワーのように甘くもないホッピーを気に入り始めた。

好んで呑み始めたのは35歳くらいから。
当時職場の近くにあった加賀屋 本郷本店
この店に惚れ込み、キンミヤ焼酎の一升瓶ボトルを入れ始めてからはホッピー一辺倒であった。

この店、ほぼ全てのつまみが美味でハズレなし。
北海道出身の同僚も唸る魚介類のうまさ。
安定の揚げ物や串類。
多種多様で旨味の強いつまみ達を、ホッピーは決して主張せず、淡麗な呑み口でさらりと腹に流し込んでくれた。

しかしなにより惚れ込んだのは店主(オーナー)のホスピタリティだった。
大混雑の店内。恥ずかしながらバツイチの身となり、一人しっぽりとカウンターでホッピーをあおるワタクシの側にそっと付き添い、さらりと励ましてくれたあの日の夜を忘れない。
今のワタクシは、あの日の店主とホッピー(と野菜天ぷら盛り合わせ)のおかげで存在しているといっても過言ではない。たぶん。

話がズレた。

ところでホッピーとは結局なんなのか?と聞かれることがままある。
なぜ数ある酒の中でホッピーなのか。WHYホッピー?

ホッピーってなんなん

一言で言えばホッピーとは「ビアテイスト清涼飲料水」である。
わかりやすく言えばアルコールの入っていないビールのようなもの。
広義で言えば「焼酎をホッピーで割ったもの」もホッピーと呼ぶ。
よく言う「ホッピーセット」とは、ホッピーと焼酎のセットであり、通常、三〜四分目ほどまで焼酎を入れた氷入りのジョッキ(かグラス)とホッピー瓶、マドラーが提供される。

種類は主に二種。
白と黒(店によっては赤)が存在し、これも簡単に言ってしまえば白は普通のビール、黒は黒ビールテイストのホッピーである。
※赤は醸造時間を増したプレミアム仕様。

酒呑みには嬉しいその成分にも注目すべきだろう。
ホッピービバレッジ株式会社がステキなことを言っている。

低糖質・低カロリー・プリン体ゼロの「割り飲料」のパイオニア

ホッピービバレッジ株式会社

個人的にはもはやボタニカル飲料だと思っている。

最後にワタクシのホッピー観を述べておく。
成分的なところもさることながら、ホッピーの最大の魅力はその「うますぎないうまさ」「淡麗さ」にあると思っている。

特に好んで呑む「白」ホッピーは上述の通り、決して味で主張をしない。とことん淡麗であり、クセのクの字も無いため、どんなつまみにも合う。
居酒屋料理に目がない自分にとって、酒がつまみに合うかどうかは死活問題だ。

その上で健康志向、コスパも良いのであれば、もう呑まない理由は無い。

ホッピーとワタクシのこれから

これからもワタクシはホッピーを呑み続けると思う。
先日は野毛の「ホッピー仙人」なる聖地に巡礼へ行ってきた。
聖地で呑む「生ホッピー」はスムースな呑み口で格別。
そこらの生ホッピーを圧倒的に凌駕するクオリティだった。
※生ホッピー=サーバーから注ぐホッピーで焼酎を割った呑み物

少し前だが夏には好きが講じて「HOPPY DAYS」なる謎のホッピーファンサイトを構築、リリースした。
需要は全くと言っていいほど無いが、大事に育てていきたいWebサイトの一つである。

初めてホッピーに出会ってから10年以上の歳月が流れた。
ガチ勢からはまだまだ後ろ指刺される程度かもしれないが、それでも日々少しずつホッピー愛が高まるのを感じている。
次の10年もホッピーと共に人生を歩んでいきたいとしみじみ思う。

空になったジョッキにキンミヤボトルを傾ける。
今日はなにやらいい気分なので焼酎は少し多めに。
半分残ったホッピーを勢いよく注ぎ入れ、マドラーでひと混ぜ。
noteに綴る文章の構成をぼんやり考える。
タイトルは「ホッピーとワタクシ」。
我ながら取り留めもない文章になりそうだ。

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