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ホームがアウェイに変わった日

絶対忘れることのない試合、笑い話できるのは頂点に立ってからかな  

(※この日の記憶はほとんどどっかに行ってしまったので多少事実と異なる点があるかもしれませんごめんなさい)

2月14日バレンタイン、船橋アリーナで第99回天皇杯セミファイナルが行われた。
私はブレックスファンで千葉ジェッツブースターである。始まるまで私は、どっちが勝っても嬉しいし、どっちが負けても悔しい、どうしたらいいの!!なんて呑気なことを言っていた。私はどっちにしろファイナルだ!なんて思ったりしていた。推しチーム同士の対決に完全に浮かれていたんだと思う。

それでも内心ブレックスが勝つだろうって思っていた。今年の天皇杯はブレックスにとってとても特別なものだったから。だってあの名古屋D戦を勝ち抜いてここに立ってるから。外国籍ビックマンがジェレ様1人、ダブルエースの片翼も怪我で不在の緊急事態、あの試合を勝ち抜いたことで全ブレファンの天皇杯を取りたいという気持ちを強くしたと思う。私もその1人だった。さらに選手たちも強くブレックス初の天皇杯を獲りたいとコメントしていた。

絶対に勝つ、その気持ちで普段は赤を着て乗り込む私のホームに黄色を着て行った。応援を届けたいからアウェイベンチ裏に陣取った。

船アリの爆発にビビるブレメンとまったくぶれないエースを見ながら、試合開始を待った。いつも通りの試合前だった。

運命のティップオフ、前半は嘘みたいにうまくいった。やっぱブレックス強いなぁ。千葉ジェッツに大差をつけて折り返した。船橋アリーナも想定外の点差で変な空気のハーフタイムだった気がする。今日もいけるそんなふうに思ってしまった。

この試合ほとんど私の中で記憶が抹消されているので、ここからは断片的な話になるが、試合を通してブレックスはうまく笛にアジャストできなかった。一方の千葉ジェッツは後半に笛の傾向を理解して、そこをついてきていたような気がする。それによってブレックスの主力のファウルが嵩んでいった、同時に点差も詰まって行った。フラストレーションが溜まる中、オフェンスも停滞していったと記憶している。

そんな中我らがエース比江島慎の4ファウル目が宣告された。本当に絶望感がすごかった。これがエースたる所以なのだろう。マコは4ファウルからだよね?なんてベネズエラ戦のことを思い出して、自分を奮い立たせた。
チームはどんどん苦しい状態になって行った、私は声を出すことしかできなかった。本人が1番悔しかったと思う、それでもコートをまっすぐに見つめ出ている選手たちを鼓舞していた。

どのくらいの頃だったかわからないけど、エースはベンチの隅で身体を動かし始めた。そこにすかさずキャプテンとバイスキャプテンが寄り添い、エースに何かを託していた。大好きなブレックスの光景だった。目の前でこのシーンを見ていたらきっとここからやってくれる、そう思わせてくれた。
そしてタイムアウト、いよいよ出番がきた、エースはベンチ裏の黄色民を見ていた。目が合った気がしたので握り拳で力強くエールを送った、コートに向かう背中はたくさんのものを背負っていた。

エースが帰ってきた宇都宮ブレックス、苦しいながらもボールが動くようになった。そしてマコとフォトゥの合わせが決まった。まだいける、ここからそう思ったらなんだか泣けた。この辺から感情がぐちゃぐちゃだったんだと思う。目の前で戦うブレックスにとにかく声を届けたい、その一心で必死に応援した。今までになく応援したと思う。より一層盛り上がる船橋アリーナの中、私たちが応援してるよ、大丈夫って伝えたかった。

そしてエースがアタックした、ファウルがコールされた。
"オフェンスファウル"
エースの退場が決まった瞬間、赤く染まった船橋アリーナは揺れるほど歓喜していた。悪夢だった。

頭が真っ白になった、普段私のホームだった応援が、船橋アリーナが敵となった瞬間だった。勝利がこぼれ落ちていくあの特有の感じと無情にも過ぎ去る時間への恐怖だけが焼き付いている。

試合終了のブザーと共に涙が溢れた、ブレックスのみんなの顔もよく見れないほど泣いていた。カメラに抜かれている気配がしたのでとにかく顔を隠したけれど、涙が止まらなかった。

試合後の勝利インタビューとコート一周、船橋アリーナでいつも楽しみにしてるイベントだった。フォー兄さんのアレも普段はノリノリでやっている。でもその日は無理だった、見れなかった、最速で支度して一緒に泣いた友達と船橋アリーナを後にした。

エースが最後までコートに立てずに負けたことが本当に1番悔しかった。あの時のマコの表情が忘れられない。いまでも。

千葉ジェッツのことはすごく好き、応援もしている。
だけど1番笑ってて欲しいのはブレックスだった、比江島慎だった。奇しくも私の気持ちをはかる試合になってしまった。

この悔しさはいつ晴そう、Bリーグチャンピオンになったら晴れるかな、、第100回天皇杯かな、、

このメンバーでの天皇杯挑戦が終わってしまったことにしばらく落ち込んでいた私へ、そんなに全力で応援できるチームがいて幸せだね。


これからもブレックスと共に戦おう、彼らが1番笑っていられるように。


あの日隣で一緒に泣いて、負けチームの泣いているファンを抜くカメラマンを威嚇してくれた同志へ、今度は嬉し泣きでシーズン終わろうな!!!!!

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