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【最新版】ディミーアオラクル解説【MTG パイオニア】



9月30日:有料部分のデッキリストとサイドボードガイドを最新版に更新しました。

0.はじめに

 こんにちは。もりもん(twitter)です。今回は、私がチャンピオンズカップファイナルで使用した、ディミーアオラクルについて解説します。

 最終的な結果としては後半失速してしまい6‐6と奮わなかったですが、初日は4‐0スタートし、フィーチャーマッチ公式のデッキテクでも取り上げていただきました。

 特にフィーチャーマッチはこのデッキの面白さを伝えるには最高のゲームだったと思うので、このデッキを組もうか迷っているという方にはぜひ見ていただきたいです。
 また、私自身直近のパイオニアの店舗予選やエリア予選はすべてこのデッキで抜けているので、予選をなかなか抜けられず悩んでいる方にはぜひ一度試していただきたいです。

 デッキの構成や基本のプランなどは公式のデッキテクや、私が昨年書いた記事(無料!)ですでに触れてあるため、この記事ではそこからの変更点や、その他以前の記事では触れられなかった部分について書いていこうと思います。



1.デッキリスト


本戦使用リスト

メインボード(スペル)

 デッキの性質上メインは固定枠が多く、スペルは半年前と比べても4枚しか変わっていません。4枚積みのカードについては、採用枚数を動かすとデッキのバランスを崩しかねないため、まずは4枚のまま回すことをおすすめします。(固定枠のカードについては以前の記事を参照)

騙されたと思って…ね?

 1枚刺しのスペルについては、《悪魔の取り引き》でサーチしたときに効果的なカードを優先して選択しました。
 このデッキを回しているうちに、対アグロのメイン戦においては、《取り引き》でリアクティブなカードをサーチするよりも、最低限の除去とチャンプブロックで時間を稼ぎながら《取り引き》連打で早期の勝利を狙うほうが効果的だと感じるようになりました。したがって、必然的に1枚刺しのカードにはコントロールやコンボ相手に有効なカードが多くなっています。

連打が板

 《絶滅の契機》は使用率二番手であろう緑単を強く意識した選択、《思考囲い》はファイナルにおいて一定の使用者がいるであろうロータスコンボと独創力を意識した選択なので、自分がプレイする環境にこれらのデッキがいないのであれば、この枠には他のデッキへのガードを上げるカードを採用してもいいかもしれません。
 《アズカンタの探索》は今回のおしゃれ枠で、アドバンテージ源の面よりはマナ加速としての面を重視して採用。アグロデッキ相手でも早期に変身することでキルターンを早めてくれるためそこまで悪くないです。しかし、ふわっとしたカードであることは否めないのでこの枠は他のカードに差し替えても構いません。

メインボード(土地)

 マナベースについては試行錯誤を続けていて、未だにこれだ!という構成を見つけ出せずにいます。
 土地枚数については、《命取りの論争》と《宝船の巡航》という縦引きのドロースペルを連打していくデッキの構造上、どうしても後半手札が土地ばかりになりがちなため、ギリギリまで絞って21枚となっています。

気持ちよく連打してたら手札が土地だらけになりがち

 1ターン目からゲーム終了まで常に土地をアンタップインしたいうえに、シンボルが濃いためにダメージランドを多投できないという難儀なデッキの性質上、2色土地の構成にはかなり気を使う必要があります。
 まず、常にアンタップインが可能な両面土地とショックランドは問答無用で4枚ずつの採用になりますが、問題はそれ以外の構成。
 スロウランドとファストランドはどちらか片方に寄せて採用してしまうと重ね引きによるタップインのリスクが高まるため、3枚ずつの採用としました。また、ダメージランドについては重複さえしなければダメージを許容できると考え1枚採用。

 伝説の土地である《竹沼》を3枚採用するのは奇妙に見えるかもしれないですが、《思考囲い》を採用しているデッキに対して、実質的にハンデスされない《タッサの神託者》となるほか、マナフラッド対策にもなるため、ラクドスミッドレンジへの勝率を担保するためには3枚必要であると判断しました。
 基本土地についてはセルフミルで飛ばしてしまうことも多いので、《廃墟の地》を考えると最低2枚、できれば3枚採用したいところです。このリストでは《島》2枚のみですが、周りのメタゲームに青白コントロールが多いと感じた場合は、《竹沼》を1枚《沼》にしてもいいかもしれません。

(以前の記事でも書いたのですが、兄弟戦争版の《地底の大河》はぱっと見だと通常版の《難破船の湿地》と見分けがつきにくく、致命的な見間違いをする可能性があるため、どちらかを別バージョンにして対策することをおすすめします。)

流石にこれは
シャクりにきてないか?

サイドボード

 デッキごとの詳しいサイドボーディングについてはまた別の項で説明しますが、ここでは今回のサイドボードの構築の意図について大まかに説明していきます。

 まず、緑単の《大いなる創造者、カーン》対策として《真髄の針》を2枚以上取ることと、《取り引き》でサーチして《黙示録、シェオルドレッド》を1マナで除去できるカード(《闇の裏切り》か《リリアナの敗北》の選択で、《脂牙》に当たる前者を優先)を取ることは真っ先に決定しました。《取り引き》でこれらのカードをサーチする機会はダントツで多く、環境が大きく変わらない限りこの枠が変わることはないと思います。

カーン禁止を祈り続けて3000年

 次に、全体除去の選定についてですが、メインに入っている全体除去が《絶滅の契機》という緑単以外には信頼性の落ちるカードなので、サイド後はアグロデッキに効果的な全体除去を3枚程度採用したいと考えました。3枚という数字は《取り引き》を使わずとも現実的に素引きができる枚数であるため、アグロデッキ相手の勝率を担保したいのであればこれ以上は減らしたくないところです。
 全体除去の種類については、まず仮想敵として白単人間とアゾリウススピリットを考えていたため、それらに有効な《魔女の復讐》と《衰滅》を選択しました。そして《魔女の復讐》が効果的でないボロス召集を意識して取り回しのいい《危難の道》を採用しましたが、今回のファイナルにおいては結果的にスピリット系統のデッキが想像以上に少なく、ラクドスサクリファイスが多かったので、《食肉鈎虐殺事件》を採用すべきでした。

ラクサクに劇的なカード

 その他の全体除去の選択肢としては、《煤の儀式》、《虐殺少女》などがありましたが、《煤の儀式》については白単人間の《不屈の護衛》や《ゴバカーンへの侵攻》の裏面など、採用率の高いカードが裏目となること、仮想敵である緑白天使が環境から退場したことから不採用。《虐殺少女》はボロス召集に対しては劇的なものの、デッキ公開性の都合上、その他のデッキにはケアされやすいため不採用としました。

非公開ならいいカード

 カウンターについては、取り回しがよく対コントロールとスピリット系へのサイドボードを兼ねられる神秘の論争でほぼ確定です。サイド枠を節約できるカードなので可能な限り採用したいです。
 追加の単体除去についても、白単人間、アブザンパルヘリオン、アゾリウススピリット、ボロス招集の全てに有効な《レイオヴ》が安定。これらのデッキをより強く意識するなら4枚目も採用圏内です。
 追加の《囲い》については、主にエニグマなどの、《契機》と《一押し》をサイドアウトしたいが、《針》はサイドインできないマッチアップ用のカードとして採用。ローグデッキに当たったときにとりあえずサイドインできるという強みもあります。

困ったときの囲い

 《ジェイス》については《殺戮遊戯》や《屍呆症》、《機械の母、エリシュ・ノーン》等の対策です。これらはそこまで遭遇率も高くない上に、ある程度プレイでケアすることも可能なので、割り切って不採用でも構わないですが、1枚入れておくだけでだいぶ楽になる(相手が楽できなくなる)カードなので、このデッキに慣れるまでは一枚入れておくことをおすすめします。
 《タシグル》はリスト公開制において安易に除去を全抜きさせないための採用です。主に白単人間やグルール機体に対して軽く強力な壁となります。除去や《アクロス戦争》の存在を考えると、サイドインするかどうかは心理戦です。2本目に見せたら3本目はサイドアウトする場合も多々あります。

イージーウィンしようとする相手を咎めよ


2.マッチアップ解説&サイドボードガイド

 ここから先の内容についてですが、各マッチアップについて、

  • 相性

  • ゲームプランとマリガン基準

  • サイドボーディング

  • 競技的なテーブルトップイベント(店舗・エリア・プレミアム予選とチャンピオンズカップファイナル、神決定戦)での戦績

  • ガードを上げたい場合の採用候補カード

など、実践的な内容書かせていただきました。

ここからは有料部分とさせていただきますが、購入の際の参考になるよう、主要デッキとの相性表を置いておきますので、ご覧ください。
(9月30日:リストとサイドボードガイドを最新版に更新しました!)

同列の場合、左に行くほど有利。

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