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人の心を動かすのは夢の解像度の高さ

先日のプレスリリースアワードの受賞についての記事を意気揚々書こうと思っていましたが、自分は大して広報についての知識も無く、今回のアワード受賞もビギナーズラック的な要素が強かったと思うので、そんな自画自賛の武勇伝書いてもしょうがないなあと。とはいえせっかくのターニングポイントではあると思うので、今回の受賞の過程で気付いた自分たちの変化についてPRの話も入れつつちょっと別の視点からの記事を書いてみようと思います。

広報活動を通じた社内の変化

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2年前まで、弊社の雰囲気はお世辞にも明るいと言えるものではありませんでした。詳細は以前も書いたことがあるので割愛しますが、おそらく全員に共通していたのが「明るい未来を想像できない」ということだったと思います。日の当たらない場所で真面目に作業し続けてもその価値が認められているのかどうかすら認識できない状況ではそうなるのも当然ですよね。

そんな弊社に光を当ててくださったのがメディアの方々でした。広報活動らしきものと言えば自分の駄文雑記的なTwitter&noteとA4のペラ一枚リリース記事を地道にFAXで流す、稀に気合いを入れてPRTIMES社、ってくらいしかやっていなかったのですが、大変ありがたいことに2年ほど前から弊社の発信を拾ってくださる方が現われはじめ、実はこんな頑張ってる老舗の会社がある、すごく良い製品だ、とたくさんのメディアでご紹介いただきました。たとえお世辞であったとしても、世の中に向けて自分たちの事についてフォーカスして発信していただける体験はとても新鮮で、自分たちの仕事に対するアプローチを大きく変えることに寄与したと思っています。

特に意識したのは僕だけが取材を受けるわけではなく、可能な限りスタッフと一緒に撮影現場をつくることでした。長年取材とは全く縁のなかった会社でまさかテレビのインタビューを受ける日が来るとは思っていなかったであろうスタッフのみんなはとても喜んで応じてくれて、自分たちの想いの丈を世の中に発信してくれていました。メディアの力はとても強く、目の前の作業をただ黙々とやるのが仕事だ、という認識で今まで30年も40年もやってきたようなテコでも動かなそうな人でも大きく影響を受け、スポットライトを当てられることで自分の在り方を見つめ直す機会にもなったと思っています。

PRの発信で作られる夢の輪郭

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振り返ってみての結果論にはなりますが、自分たちが今までPR(らしきもの)で大事にしてきたのは、自分たちの想いを伝える事だったと思っています。手前の会社概要や製品情報といった外形的な情報ではなく、なぜ自分たちがやるのか、世の中をどう変えていきたいのか、ということにフォーカスしてきました。今回のプレスリリースで賞を頂いたときにPRTIMES社の三島さんから頂いたコメントでも実感してそれが一番大切なことだったんだろうなとハッとさせられたのですが、自分たちの中でいつかどこかでの夢物語で終わらせるのではなく、世の中に向けて発信することでその実行にコミットしなければいけないという現実が責任感を生むと思うんですよね。地方の小さな中小企業が理念をつくって世の中を変えることに挑戦するというと聞こえは美しくあるのですが、とはいえやることは明確に決まっていないことがほとんどで、これからの未来で創られるものである以上その解像度は粗く抽象的でぼんやりしてしまいがちだと思っています。しかしながら、こうした想いを具現化して語るような発信を一つ二つと積み上げていくことによって夢の輪郭が現われはじめ、その解像度が少しずつ上がっていくものだと実感しています。そしてその解像度の高さが人の心を動かし、社内にも社外にも変化をつくる原動力にもなっています。まさに思いは人を動かし、リレーしていくわけですね。今回のPRTIMES社から授賞していただいたことでその夢の解像度は存分に高めることができたと思っていますし、このような機会を作ってくださり改めて感謝です。

未来へのビジョンがつくる想いのエコシステム

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2年前までは業績低迷や雰囲気の悪化により言葉にできない不安が宙を舞って転職推奨のアドバイスまで発生していた弊社ですが、今では、社内のスタッフから「何年後かにまた一緒にやりましょう」「3年後には海外の展示会も出したいね」といった具合に、数年後の未来について語る人が増えてくれています。これも夢の解像度が上がっていった結果だと思っていて、弊社のスタッフやこれまで弊社にフォーカスしてくださった皆様には本当に感謝しかありません。

経営者とか事業家って、とにかく前に進み続けるしかないんですよね。どんな失敗をしようが、陰で悪口を言われようが、裏切られようが、形式的には全ての結果責任を一人で負うことになるわけで。そうするとどうしても経営を良くするという視点だけで物事を見てしまい、それがそのままスタッフとの目線のズレになり、最終的には埋めようのない溝ができる、というのは良くある話だと思ってます。

やっぱり僕はそういうのって辛いなあって思うんですよね。「経営者は孤独だ」なんていうけど、僕はそんな強い人間ではないので、どうせやるならみんなと一緒に前に進んでいきたいなと思うわけです。そういう意味では、夢を語り続けて、その解像度を上げ続けるのって、自分のためでもあるんですよね。極端な話、人生なんて人それぞれで、株や不動産に縛られる経営者でもない限りは、別にその会社にこだわる必要はないですし、他の方法で生きていくことはできるわけです。それでも、横に並んで一緒に未来を語ってくれる人がそばにいるのは、事業家としては何よりも嬉しく勇気がもらえることだと実感してます。そして、自分もそんな一緒に未来を見てくれてる人のために頑張ろうと思うわけで、それこそが事業の根幹にあるべき人の想いのエコシステムではないでしょうか。人がお互いを想い合うからこそ、組織も生き方も社会だって、変えられるのだと信じています。

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