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【ひろちゃんコラム #2】どちらが先に薪を焚べるか問題

こんばんは。
ひろちゃん@ドミナント です。

前回の続きの話。

札幌での集まりが合った日、僕は友人たちに
「一輪でいいから、奥さんに花を買って、贈って欲しい」
と伝えた。

その時の友人の一人で、
「嫁とはめっちゃ仲いいわけでもないけど、悪くもない」
と言っていたやつは、

いや、花を買って渡したところで、
『急に今さらなに?』って言われるに決まってる。
そんなことしても意味ないと思うよ。 

といった。

ああ、わかるよ、わかる。
その気持ち、めっちゃ分かる。 

そりゃそうだ。
どの夫婦にも今までの積み重ねがある。

お互いに簡単に気持ちを取り戻せないのも、
子どもがいたりすると二人だけのときと全然違うのも、わかる。

まず、次の短い寓話を読んでみて欲しい。

厳しい寒さが続く、真冬の日。

ある対象的な二組の夫婦が
旅行先でそれぞれの今晩の宿を探していた。

どちらの夫婦も周りのホテルをいくつも訪ねたが、
どこも満室だった。

夜になって
2組がたまたま同じタイミングで1つのペンションに入り、
主人に相談すると、その主人が言った。

「こんなに凍える日によく来たね。
ここのところはクリスマスの休暇だから、
この町の宿はどこもいっぱいだ。

うちに普段は使っていない部屋がある。
温めていないが、薪は十分にある。

温まるまで少し時間はかかるが、
自分たちで火をつけてくれ。

それでもよかったら使ってもいいよ。
軽い夜食を用意しよう。」

幸運なことに、ペンションには空き部屋が2つあったので、
各々の夫婦が1部屋ずつ借りることができた。

それぞれ部屋に入ると、
暖炉の周りには暖を取るだけの十分な薪があるが、
暖炉には火は入っておらず、部屋の中は凍えそうに寒い。

暖炉以外に暖房はなく、主人の言う通り、
どちらの部屋もしばらく使われていない様子だった。

一組の夫婦は部屋に入ってすぐに、
夫が妻に向かってこう言った。 

「ああ、こんな日に部屋を借りられるなんてありがたい。
妻よ、寒かっただろう。
すぐに暖炉に火を入れるから、温まろう。」

そう言って、夫は暖炉に薪を入れて火を起こし、
パチパチとはぜる炎を眺めながら、
二人で暖炉の前に椅子を並べて
温めたパンとチーズ、ワインを楽しんだ。

そして、二人は毛布を被り、
冷えた足を暖炉にかざして温めながら、
この部屋にたどり着くまでの大冒険を語り合い、
すばらしい思い出を作れたことを喜び合った。

そして、もう一組の夫婦も、同じく彼らの部屋に入った。
その夫は部屋に入るなりこう言った。

「ああ、なんて日だ。何件もホテルを回って
やっと用意できたのがこんな部屋だなんて。
その上に部屋も凍えるほど寒い。
妻よ、さっさと暖炉に火をつけてくれ。」

それを聞いて、冷えて疲れ切った妻はこういった。

「私はいつも家でやっているわ。
こんなときくらい、あなたがやってくれたらどうなの?」

妻の言葉を聞いた夫は、更にこう言った。

「おいおい、誰のお陰でこの旅行に来れたと思ってるんだ?
お前は普段から家事しかしていないし、
俺は毎日仕事をしてきて疲れているんだから、
こんなときくらい動いてくれよ」

その言葉を聞いて、妻の怒りもエスカレートした。

「あなたは料理も掃除も洗濯も、
誰にしてもらっていると思っているの?
あなたは誰のお陰で仕事に集中できているのか、
まるでわかっていないのね!
あなたはあなたをサポートしている人を
もっとねぎらうべきだわ」 

そう言って、
こちらの夫婦はどちらが先に薪に火を着けるかで
言い争いを始めた。

お互いに寒さに凍えながらも
暖炉に薪を焚べることを押し付け合い、
二人ともが自ら先に暖炉に火をともすことを拒んだ。

そんなことを続けた結果、
翌朝を迎えたときの部屋の中には、
それぞれ毛布にくるまって凍えてしまった
二人のなきがらが横たわり、
その近くには凍りついてカチカチに
固くなったパンとチーズ、
空になったワインのボトルが転がっていた。

さて、まず、読んでみてどんなことを感じるだろうか。

気持ちが重くなってしまったかもしれない。

もしかして、お互いにもう寒いんじゃないのかい?

でもまだ間に合うんだよ。
まずはどっちかが火を着ければいいんだ。

で、どっちかが寒いからと火を着けたとて、
きっと次は

「さっき俺が火を着けたんだから、次はお前が薪を足せ」
「あなたが薪を焚べたら、わたしも薪をいれるわ」

とか言っちゃって、また喧嘩が勃発するかもしれない。
自分も寒いのに痩せ我慢して、
相手に温めてもらうことを望むかもしれない。

自分が先に薪を焚べるのは、損した気持ちになるのもわかる。

「俺の方が」「私の方が」
「がんばっているんだから」
「大変なんだから」
「仕事しているんだから」
「子ども/親の世話をしているんだから」
「お金を稼いでいるんだから」

そんな事を言っていると、
二人とも暖かくもない、
とはいえ凍えるほど寒くもないけど、快適でもない、
そんな部屋で貴重な時間を過ごすことになってしまう。
どちらかというと寒い部屋

それでいいのかい?
時間が経つと、お互いの気持ちが変わってくるのも、わかるよ。

とはいえ、どちらかが薪を入れなければ、
お互いに冷え切っていくだけなんだ。

「スタートをどちらが始めるか」も大切だけれど、
もっと大切なことは
「二人で暖かい部屋を作る」と決めること
だと思う。

それは簡単なことじゃないのは重々承知。

だけど、まずは自分から薪を焚べてみよう。

損してみよう。
勇気出してみよう。
リスクを冒してみよう。
失敗してみよう。 

相手を喜ばそうとして失敗したなら、
喜ばせようと行動できた自分を褒めてあげたらいいじゃない。

相手のために動けたことは、
とっても素敵なことだと思うよ。

よりよいパートナーシップを望んでいるあなたを応援しています。

by ひろちゃん@ドミナント


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