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黒く塗りつぶされた眼球で 裸婦の視線が水の深さを確かめようとする すると満月と太陽は共に …
目の前の存在を 目の前で見える風景を この目だけで捉えるために それはたとえ 来た道を戻ろ…
(A Caffeine Case) マグマに架かる 橋ひとつ 遠くの叫びは聞こえているのに 向こう岸には届…
一本の鉛筆を机に立てる それがおまえの命の木だ おまえを囲う倒れた木々よ 安らかに眠ってい…
独房にいる木が熱病に犯された。 それは感染ではなく、 自らの呼吸が引き起こしていた。 俺は…
海の上の雲が燃えている 動かずに 散りゆく姿を見せている 空気は澄み渡っているのだろう 波は穏やかなのだろう 水垢でまみれた窓を 突き抜けた夕時に 底へ沈む 草原の喉 夢と名付けた僕の雲行きは 焦げながらも遠くまで来た 熱帯で混じり合った香りは 暖められると歌い出した そうしてまた雲になって 渡り鳥が故郷の旋律を踊り 山や塔に 高く登り さらに遠くの波へ聞き入る 燃え尽きた紙切れは 夢で見ればいい 窓には己の顔が映り 闇にいるのだと その目には同じ夢を
みなが集まる遊覧船 そこにぼくを誘う みなに向かうため 向かうためだけに その暗がりを求め…
内なるナイフが春風を聞きたがり、 縛り付けられた魂は揺れ動かない。 埋め込まれたネジは退屈…
まだ玄冬の夜空へ、南半球の息を吹かすバルコニーで、あの星々は裸眼に遠くサン・ロレンツォを…
物語は共感から逃れるためにあるのかもしれない。 僕らが初めの一枚をめくる時、そのエピグラ…
息吹ない暗流の「草原」に風が吹いても、自然がまだ停滞の受労に思えるだろう。 なびきは打た…
長い回想の後で「見る」故郷の轍。 深い瞑想の奥で「見る」故郷の響。 回想の涙は解き放たれ…
どうして僕はここへ来たか それを知りたがるものはいない 山も川も海も僕も でも あなたは知っている 似た光を見ているから 意識が遠のいていく 鳥のさえずり 魚のながれ 長い潮騒 僕が教えたからだ 目を見ていなくても 目だけを見ていても ずいぶん遠くまで来たようで 長い間あなたの目を見ていた 長い間あなたの声を聞いていた 僕の目の前にある海の 水平線を超えていく師の背中を 見せてくれた罪よ 思い出せるだろうか 罪よ 助けてしまうだろうか 罪よ 忘れないだろうか 罪よ 沈む