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#14 【独り言エッセイ】真冬の夜は一杯のGlögiと共に世界中にいる家族のことを考える。

Glögiとは、北欧で飲まれる伝統的な、赤ワインにスパイスなどを混ぜたホットドリンク。ノンアルコールもある。

10月の終わりになると、いろんなブランドのglögiがスーパーに並び始める。紙パックに入ったものや、瓶に入ったもの。その中でも、アルコールのない、ラムレーズン風味のものにはまっている。

サウナから上がって一息ついたら、冷蔵庫からglögiをだしてカップに注ぎ、電子レンジであっためる。本当は鍋で温めたほうが手の混んでいる感はするが、そんなに大量に飲むわけじゃないのでレンチンで十分。

コップに入れたglögiをチビチビ飲みながら、パソコンで文章を読んだり書いたり、iPadで本を読んだりするのが最近の寝る前のチルタイム。とりあえず思いついたことは書いてみたりもする。そしてこれまたよく、いろんなことを考える。

クオピオで日本語話すことなんてない、と思っていたけれど、気がついたら最近は、週に1度か2週間に1度は日本語をたっぷり喋って日本食をお腹いっぱいいただいている。隣のアパートにたまたま日本人とフィンランド人のご夫婦と娘さんが住んでいて(こうやって書くとものすごく他人行儀だけどめちゃめちゃ仲良くさせてもらっている)、よくご飯に誘ってもらったり、オフの日に遊んでもらったりしているのだ。試合がない週末は2日間朝昼晩ずっと一緒にご飯を作り、食べ、お出かけしてくれて。試合がある時はみに来てくれて。道で会ったらご飯に呼んでくれる。ものすごくあったかくて、家族だな、家だな、と思う。部屋の中でみんなでする鬼ごっこも、夕食後に盛り上がるボードゲームも、みんなで囲む食卓も、毎回行くたびに暖かく出迎えてくれることも、全部全部、すごく家族を感じて、この家は確実に、私にとってのフィンランドのホームとしてずっと心に残る。

思えば、世界中どこかに行くたびに、温かく迎えてくれる家族ができた。ボストンでも、カリフォルニアでも、シカゴでも、そしてこのフィンランド。数年まで東京しか知らなかったはずなのに、気がついたら世界が広がって、いろんなところに行くたびに、新参者の私を快く受け入れてくれてその土地を好きにさせてくれる人たちがいる。2年前から、クリスマスはアメリカで過ごしている。特別なクリスマス。家族の祝日。25日の朝、ツリーの周りにあるプレゼントには、私にも、自分の家族のように、たくさんのプレゼントを用意してくれている。

日本にいる家族は、いつも私にたくさんの日本食を持たせてくれて、時には送ってくれて、遊びに来る時はスーツケースいっぱいに持ってきてくれる。私は大体毎日、作ったご飯を家族LINEに送る。大体、コメントとお褒めの言葉が返ってくるからそれが嬉しい。子供はいつまで経っても子供だきっと。昨晩の夕食へのコメントは、「肉じゃがにしらたき入ってて、かっこいいねー!」

どこへ行っても、人と繋がっているってパワーになるし、「家族」としての愛情をもらえた時はすごく特別な気持ちになる。世界中にこうやってたくさんの家族ができていることは本当に幸せで特別なこと。与えてもらった愛の何倍もたくさんの人に届けたいな、と思いながら今日もglögiを飲んでいます。


今日も最後まで読んでくださりありがとうございました!皆様にとって素敵な1日になりますように♡

月咲


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