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パロサントに火を付ける

 外は、滝のように雨が降っている。
 それでも、陽の光は差し込んでいて、窓の外がいつもの景色と違って見える。
 ガラス窓に近寄ると、かなり激しく打ちつける雨が、遠くを霞ませている。  

 熱帯地域のスコールのようだ。
 
 そういえば、先ごろ購入した「あれ」を試してみていなかった。
 「あれ」とは、パロサント。

 
 パロサント(Palo Santo)。
 スペイン語で「聖なる木」と呼ばれる野生の香木だという。
 パロサントに火を付けて焚くと、魔除けになるという。
 煙のみが立ち上がる状態で、スマッシングに使う。
 濃厚な香りで幸運を呼び込む香木。
 空間の浄化、心身のリラックス、虫除けに効果があると読んでいた。
 

 今、オフィスの机の上に一本転がして置いてある。
 そして、ふとした時にその香りを近づけてみる。
 甘いような、爽やかなような初めての香りだ。

 南アメリカと中央アメリカの一部の地域が産地で、希少性が高いという。
 インカ帝国の時代からシャーマンたちが祈祷や民間療法に取り入れたり、ネイティブアメリカンの間では、鎮痛、発熱、皮膚病などの病気に用いる治療薬であったようだ。
 フランキンセンスやミルラと同じ木に由来しているとか。

 インカでは神への捧げ物として、また寺院などの聖地に入る前に身を清めるため、また、瞑想、祈り、儀式の補助として使われていたというから、そこにも浪漫がある。
 煙が霊を死後の世界に導き、神との平和を見つけるのに役立つと信じられていたと言うし、一説にはカトリックのミサにも使われていたとか。 
「リグナムサンクタム」とも呼ばれており、何世紀にも渡りスピリチュアルなお香とされていたようだ。


 さて、こんな湿り気のある日に、パロサントに火をつけてみたら、スッキリしそうである。
 気に入ったキャンドルホルダーに立てて、焚いてみようかと思う。
 キャンドルホルダーが好きで、集めている中から自然の木に似合うものを探す。

 雨で一掃された世界を、さらに清めるパロサントの香り。

 
 しかし・・・猫には有害のリモネンが含まれているという。
 おっと!注意である。
 ホワイトセージも、猫にはよくないらしい。
 大事な大事な子に、吸わせないように要注意だ。



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