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うつとヨガ

「うつにはヨガが効果的」と言われている。

結論から言うと、「ヨガ=うつ病に効果的」とは断定できない。

本当にうつ症状が重いとき、外出はおろか、家事や炊事すらできないこともあるだろう。そんな状況でヨガスタジオへ通い、身体を動かせるはずがない。

またうつと言っても、

◆うつ病=治療が必要で、生活に支障が出るほど気分の落ち込みが続く
◆うつ症状・傾向=生活に支障はないが気分が落ち込みやすい

2つの状態は大きく異なる。

本当に重度のうつ病の場合、「ヨガを始めてみようかな」という考えに至るだけでも大きな一歩なのだ。

そしてヨガにも「ハタヨガ」や「ラージャヨガ」などさまざまな種類がある。運動量の多い「アシュタンガヨガ」ともなると、健康体の人にもかなりきつい運動だ。

太陽の光を浴びながら「太陽礼拝」や「瞑想」にふけるのは、心を落ち着けるのに多少は効果的だろう。

しかしうつとヨガにはそれぞれ種類があり、今の状態に合ったものを組み合わせないと逆効果になってしまう。

私は2年前から、ヨガをライフワーク的に続け、プロ資格の取得を目指し実習してきた。

だが数か月前の実習中、どうしてもアサナ(ポーズ)をうまくとれなかった。初心者の段階でマスターしたはずの簡単なアサナでさえ、全身がぐらぐらと揺れてしまう。

ちょうどストレスがたまり、睡眠不足や自律神経の乱れに悩んでいた時期のことだった。

ヨガは己の鏡である。不安を抱え、精神が乱れているとき、無理やりヨガに取り組もうとしてもバランスはとれない。

結果的にうまくいかなかった記憶が鮮明に残り、余計に気分が落ち込んでしまうだろう。

ヨガは、うつの回復期にある人が、少しずつ無理のない範囲で始めるのには適している。

だがヨガは魔法ではない。ヨガをやっても、うつが治り、薬が不要になるわけではないのだ。

何より自分が、「ヨガをやってみたい」と思えるかどうかが重要。

心が疲れている人はゆっくり休んで、自分と対話して欲しい。そして「今だ」と思えたとき、まずは動画や書籍から気軽にスタートするのが理想的である。


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