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令和の歳時記 ギフチョウ

このチョウは今から約120年前の1883年、岐阜県の金山町で発見された蝶々だ。

黄色い羽に黒と赤色のマンダラ模様が特長的でギフチョウと命名される前は“だんだらちょう”と地元では呼ばれていたらしい。

冠に“岐阜”が付くからこのチョウは岐阜県人にとって真に誇りを感じるチョウだ。このギフチョウの特異性は春だけにしか出現しない。

蝶好きな人たちにとっては宝石のような昆虫である。他の蝶々、アゲハチョウやモンシロチョウは移り行く四季の中で何度も世代交代する。

かたやギフチョウは春先にだけにしかその姿を見る事が出来ない。『春の女神』と言われ珍重されるのも理解できる。

大きさは開帳60mmくらいの中型。この時季ギフチョウは早朝の9時くらいから活動を始める。

夏の虫のトンボなどは10時くらいから活動をするのだからギフチョウは昆虫の中では早起きな虫である。

最初は低地のスミレやカタクリ等の蜜を吸っているが、日中の暑い時間帯になると低地から高所へと飛んで行く。

時には大きな桜の樹の花にとまって蜜を吸っている光景に出くわす。飛翔の様子はゆったりとしたアゲハチョウと比べてどちらというとドタバタしている。

そして気温が下がると再び低地の草むらに身を隠しおとなしくしている。ギフチョウは本州全土で見ることができる。

しかし彼らに必要なカンアオイが無いと卵を産むことが出来ない。ある自治体ではギフチョウの復活を目指してカンアオイやカタクリを植樹しているところがあるが上手くいっていない。

やはり自然の力のほうが人力より強いのだろうか。


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