タムラ函

わたしは自宅で考える。

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最近の記事

5月ある日

大雨。豪雨といっていい。 タクシーを呼んで出勤しようかと思ったほど。 出かける頃にはいつもの雨程度に弱まっていたので歩いて出勤。 雨女の自負はあるが、家を出る時には一時的に弱まったりするので、雨の神様みたいなものがいたら、仲間か手下かと思われているんだろう。 Podcastではなく久しぶりに音楽を聴く。 雨の音や匂いも相まってすーっと気分が落ち着く。 Toe、サカナクション、坂本龍一を聞いたところで会社に到着する。 もう少し、と思い更衣室で戦場のメリークリスマスの予告動画を

    • 5月ある日

      二日間の立ち仕事の疲労がてきめんに体を痛める。足が全体筋肉痛だ。 夜中、風の音で何度かうっすらと目を覚ました。 ベランダの柵に取り付けている、目隠しのシートがでんぐり返していたのを起き抜けに見る。 雨は降らず、昨日の万全の準備が徒労だったと気づきたくない気持ち。 通勤、追い風で自転車が電動のごとくぐんぐんと進んで面白い。 途中、動物だったものが敷かれて道の端に寄せられていた。咄嗟に目を逸らし、横を通る時になぜか息を止めてしまう。 目論見よりも早く会社に着き、更衣室の椅子

      • 5月ある日

        いつも通りの時間に目が覚め、もう少し眠らないと疲れが取り切れず明日から大変な事になりそうだともう一度目を瞑る。 もう足を踏み入れることのない実家の階段下のスペースに布団を敷き寝ている母親の姿の夢をみる。 母は、時々意図的にリビングで寝ていた。寝起きにその姿を見るたびに私は心が重かったことを思い出す。 二度寝、それでも甘く見積もったアラームが鳴る前に起き、そのまま本を手繰り寄せる。 起き抜け読書健康法と呼んでいる休日の朝の過ごし方で、本当に起き抜け、ベッドから出る事なくペ

        • 5月ある日

          いつもより多く寝たはずなのに、前日までの疲れが取り切れないまま起床。 昨日かけたパーマ頭を丁重にもてなし過ぎて眠りが浅かったのか。 起き出して、先週静岡で買って大切にとっておいたスルガ甘夏の中身がスカスカになっていてガッカリする。 6玉入っていたものから、2玉は会社の人に私、残りの4玉のうちの最後の一個だった。 これまでの3つはジューシーな断面で朝から心を躍らせていたのに。 ということはと思い、その時一緒に買ったニューサマーオレンジという、小夏のような柑橘に期待せず切って

        5月ある日

          5月ある日

          空腹で目が覚めて気持ちがいい。 金曜日は一週間じりじりと溜め込んだ寝不足が瞼に響く。しぼしぼとさせながら起床。 昨日よりも水分(だと思いたい)を蓄えた自分の質量に起き抜けで唸る。 体重が変動するメカニズムはいまだよく分からない。 結局生理はまだ来ず、このままでは、三十路も超えて過激なダイエットで生理が止まる、という保健室の壁に貼っていたオシャレ障害の壁新聞そのままだ。 半給のため、自分の中の決め事を返上しながら片付ける。 オンラインの会議でカメラがうまく接続できず昼休み

          5月ある日

          5月ある日

          いつもはお風呂に入った後、あとは尻を鍛える目的のストレッチと就寝の間にはさむ日記を書く時間を、今日はなんとなくお風呂の前に書いてみる。 最近は心が重く、ろくに家のこともしない事を決めてどうにか過ごしているけれど、日記と尻を育てる(保湿とかもする)ことができれば今日も生きたと思うし、明日に繋いでいる感じがしてよしとしている。 2月に初めて寝坊の遅刻をして以来、なんとなく寝坊の恐怖を感じる夜はあの飛び起きた朝を思い出すようにしている。 あの日は、特に原因らしい原因が思いつか

          5月ある日

          5月ある日

          5時に目がさめる。 風が治った朝のように視界が明るい。肌寒く、毛布を手繰り寄せ微睡む。 嵐のような4日間だった。自分の中で完封し、状況は何も変わっていない。 溜飲を下げ気持ちを立て直し、見たくないものは見ず、これでいいんだとこれからもやり過ごす日々を、それすら見ないふりをする。 積極的に諦めていく。吹き消すまで。そこはかとなくいつも悲しい。 朝食、甘いもので腹を満たす。 コンビニに寄り、昼食を用意する。惰性で選ぶ。 おにぎりの値段って今こんなに高いのかと驚く。 シーチキン

          5月ある日

          5月某日

          昨日は泣きながら寝落ちた。 泣いている時の匂いが久しぶりで、鼻が詰まって息がしづらいのに懐かしく落ち着く。 土曜日から気分の落ち込みがひどく、心的に寝込んでいた。 気付かぬようにと隙間を作らないようにしていたけれど、眠れぬ夜との相性が良すぎたのだと思う。 もしこれが生理前の何とやら何だとしたら、生きる道は険しすぎる。 しかし、人前では明るく社交的に振る舞い(振る舞い切れているかは不明)、一人になるとめそめそと暗く、世界の果ての果てを思う。 人に見せられない、言えないこと

          5月某日

          雨音で目覚める朝が好きだ。 家を出る時には止んでいて、でももうすっかり雨降りの心構えだったので歩いて出かける。 今日は液体だけで凌ぐ日と決めていたのに、冷蔵庫には昨日気の迷いで冷凍庫から移した豚肉のパックがいた。 イオンで買ったもので、値引きのシールには食品ロスにご協力いただきありがとうございますとある。 アンタそんな全部に気ぃつかわんでええんやでという気持ちになる。 今日食べることはないだろう豚肉パックをまだ起きなくていい時間に親しい人を起こしてしまったような気持ちにな

          5月某日

          昨夜は飲み会だった。 前日の日帰り静岡出張の疲れが取れないまま、今日は一次会で帰るぞという決意は早々に崩れた。 ちなみに昨日、ほとんど出張のメインイベントに成り変わってたさわやかは20分ばかしの休息で、上司たちはもっと早く、125gを押し込むような形で平らげた。さわやかに申し訳ない。 待ち時間に隣にあった八百屋でスルガ甘夏という、文旦と甘夏のあいのこを購入した。 車で移動するって便利だなと、こういう時思う。 飲み会は、結局3件回り、家に帰り着いたところを踵を返し上司が参

          5月某日

          日記を書こうとパソコンを開くと、新しいパソコンの匂いがする。 日常生活ではなかなか嗅ぐことのない、クリーンすぎるにおい。これが結構好きだ。 冷蔵庫を開けると、入れっぱなしにしていたノドグロの開きの匂いで満ちている。 大体においてラップが甘いんだな。 匂いに釣られて記憶が呼び起こされる。 ノドグロの開きが、まさか大阪に住んでいた祖父母の家を思い出させるとは思わなかった。 今の時期は通勤路にニセアカシアがわんさか花を咲かせていて、いつも鼻を聞かせてその尻尾を掴もうと静かに必死

          5月14日(火)

          晴れているのに薄暗い。朝靄に気づいて体を起こす。 肌寒く、この時期の朝靄は珍しく、秋の記憶を思い起こす。 朝一番に体重計に乗り、久しぶりに上昇している数値を見てぞっとする。 食欲が落ち着かないのは生理前だからなのか。 一体何日前から生理前ということを理由に使っていいのだろうか。 割と最近、二つある卵巣から交代に排卵をするということを知った。 私の卵巣は片方の具合が悪く、そちらから排卵する月は生理前にはリンパ節を腫らし、強い痛みを引き起こすと思っている。 もう一方は生理前に

          5月14日(火)

          日記のリハビリ

          振り返らなければ瞬く間に日は過ぎていって、二週間ぶり。 書くほどに元気がなくなっていっていた。 自分は世界をちょっと面白がって見られるんだと言う自信が無くなる。 本屋にはたくさんの本があって、圧倒されて、もうこれ以上は要らないんじゃないかと思うようになった。 読みたい本はたくさんあるのに、今、書店という空間に出向くのは少し怖い。 自分のために本を作る人や、青く瑞々しい文章を発表する人を羨ましく感じてしまう。私は文章を書くことで引けを取ることがとても悔しいんだと思う。体が強

          日記のリハビリ

          5月1日(水)

          誕生日に買った花を押し花にしていた。 県内でしか流通しないラナンキュラス。 驚くくらいに美しい艶で、薄く乾いて、儚くて、照れくさくてそのまま本の元の位置に戻す。 口内炎とリンパの腫れ。あと顎の吹き出物は去年も今頃できたっけ。 数週間前に欠けた歯を放置し続けている。 病院の予約はとったけど、休暇の申請はしていない。このままだとすっぽかしそうだ。 夜までやってる歯医者に通いたい。 とりあえずビタミンBダだなと思い、鯖やらバナナやらを摂取。 雨の予報なので徒歩で出勤。 東京で

          5月1日(水)

          4月末日

          朝から食欲がない。 覚えてない奇妙な夢と、汗だくで真夜中に何度か目を覚ます。 筋肉痛を不思議がっていたけれど、東京で乗ったループという電動スクーターが原因だと合点がいく。 出勤中、道路のはじで蛇がぺちゃんこになっていた。 蛇。野生の蛇をあまり見かけたことがないので思わず振り返る。おそらく蛇だったもの。 昨日の寂しさを引きずり、妄想が押し寄せて、思いがけずゆっくりとした仕事になった。 2日後に取りまとめをしている飲み会が迫っている。 先の2日間で、後悔はなくともお金を使

          4月某日

          2日間、好きな人にめいっぱい遊んでもらう。 待ち合わせた場所の近く、通りがかった骨董市で小さな陶器の猫を買ってもらう。Googleアースのカメラで上手く撮影できずに溶けたように写っている猫みたいだ。とけちゃんと名付ける。 顔を見て、同じ景色を見て話す喜びを噛み締めながら笑う。 東京の街は楽しい。街によって雰囲気ががらりと変わる。 街を歩きながら、好きな人は東京が好きだと言う。そういう時、なぜだかいつも寂しくなる。 帰り際、新宿ベルクへの道すがら、すれ違った宗教の勧誘を通