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*#絶望のメリークリスマス

 12月の灰色の空から、雪がチラチラと降ってきた。
 今だにUFOと宇宙人を信じている私は、もしかしたらサンタクロースだっているに違いない!と、、、今どきの小学生でも思わないような事を、本気でバカみたいに心の片隅でこっそり信じている。

 冬のボーナスで奮発して買った『23区』
のダウンコートを誇らしげにまとって、たまちゃんの待つファミレスへと急ぐ。
 私とたまちゃんには、クリスマスイブ一緒に過ごす理由がある。一緒に過ごす絆がある。
それは・・・「2番目の女だから」っていう。

 好きになった人に彼女がいた。気がついた時には、すっかり夢中になっていて、彼女がいてもいいからと、すっかり都合のいい女になってしまっていた。

 宝石箱みたいな、パンケーキを注文した後、たまちゃんが訴えかける瞳で
『好きなだけでいいって、報われなくていいってウソだよね…大キライになれたら、どんなに楽になれるだろうって』言う。
店内は、sweetなクリスマスソングがグルグルと流れていた。

 そうなんだ、私たちは大好き沼に落ちてしまった。片足どころか、腰くらいまでハマっちゃってる私たちは、抜け出す方法が見つけられないままでいる。

 シンゴ君は、いとも簡単に私の隙間に転がり込んできて、何でもないように初めからそこに居たみたいに、消えないように笑ってた。

 聞き上手で引き際が上手いシンゴ君。恋愛偏差値が低くて、自己肯定感が低い私は、気がついた時には夢中になって、自分の気持ちをコントロールできなくなっていた。


 パンケーキにしたたる、シロップみたいに、パンケーキにのっかってる生クリームみたいに
甘い、甘い誘惑に飲み込こまれてしまった私。

 他人と自分の間に、いつも透明なガラスの壁があって、他人との距離の取り方がわからなくて…

 たまちゃんと透明なガラス越しに過ごすクリスマスイブ。シンゴ君との間にあるガラスの壁を取っ払えないままのクリスマスイブ。
 大好き沼で、澱みながら、濁りながら、許されないまま、結局貪欲で、愛が足りないと、愛が欲しいとカラカラになるほど求めてしまっている。

 でも、いつかアップアップしながらでも大好き沼を泳ぎ切りたいと思っている。

 シンゴ君が好きな私でいたいんじゃない。私
好きな私でいたいたくて。

店内のsweetなクリスマスソングは、相変わらず甘く、甘く心地良く鳴り響いていた

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山根あきらさんの企画に参加させて頂きました。ステキな企画ありがとうございました🎁✨

はじめて、小説のようなものを書いてみました。これが、小説というほどのものなのかとても不安ですが(;・∀︎・)。。。
よろしくお願い致します。

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