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居場所の話

昨日、中之島まで芝居紳士×マーガレット一家の大阪ツアーを観に行った。

開演前に6月に出演する舞台の稽古を朝からしたり、好きな人と電話をしたり、雨の福島で迷子になったりしながら向かった。情報がたくさんあって、頭がふわふわする中、開演ギリギリに会場に着くと、そこには思っていなかった空気が流れていた。

言葉にするなら、【やさしいホームパーティ】みたいな。まず入口に着くと芝居紳士のりょうじさんがようこそ〜!ありがとう〜!と出迎えてくれた。チケットを受け取って、ふと前を向くと、すごく良い意味で友達の家みたいな雰囲気がしていた。お客さんがドリンク飲みながらお喋りしたり、演者さんとも話したり、小さな子どももいたり。初めは、え!?みなさんお知り合い!?と驚いたけれど、どうやらそうでもないみたいで。何のコミュニティの人たちなのかは最後までわからなかったけれど、愉快な人たちだった。

感動したのは、それが身内ノリじゃないところ。開演すると、その笑いと衝撃の掴みで会場が一つになったような感じがした。
人見知り発動していたのに、気づけば隣りのお客さんと僕も話してた。そうできたのは、きっと出演者4人の愛されるキャラクターのおかげだと思った。
たまに失敗(してるように見せたり)、次に大成功したり、一緒に声を出して世界新記録(!?)に挑戦したり。途中で立ち上がっちゃう人も、写真を撮る人も、拍手をする人がいても、トイレに行ってもいい。「どんな見方でもいいですよ!そんなしっかり見ないとわからんもんでもないですからね!」という言葉が、なんだか僕がここにいることを肯定しているようだった。

マーガレット一家さんは、紙芝居で食ってる紙芝居屋さんらしい。なんだそれ、面白すぎる。
ちびまる子ちゃんの世界でしか見たことがなかった、生の紙芝居。これがとにかく面白かった。始まって10秒で二人のキャラクターが見えて、観客との反応を混ぜ合わせながら紙芝居は始まった。
お笑いの裏側に、圧倒的なスキルの高さ(声、魅せ方、動き、、、)が垣間見えて、感動と興奮の連続だった。
その場にいた小さな子どもから、年配の方まで、みんなが共通して同じことで笑って、同じことで泣いて、それが心地よかった。

休憩の時間には、とあるプレゼントをいただいた。このプレゼントには、本当に良くできた仕掛けが隠されていて
休憩時間、全員が他のお客さんとお喋りしてたの!!え、すごくない!??
その理由がこのプレゼントなんだけど、もーーこれを知れただけでも観に行った甲斐があった。
知りたい人は、こっそり僕に聞くか、名古屋公演観に行ってください。ぜひ。

芝居紳士さんの「線の行方」は、笑いと希望と少しの強さに溢れた作品だった。芝居紳士さんの人柄が僕はとにかく好きだ。
この人たちだから会いに行こうと思える魅力がお二人にはあって、会ってみると元気をもらえる。そして、20周年おめでとうございます!僕と同い年!大先輩すぎるー!!照れたりょうじさんも、ドヤってするしんごさんも、二人を囲む空気も好き。

人と人との表現の場だから、いかに相互関係を築くかが、会場の空気をつくるんだと思う。
ここに自分の居場所があるなと思えるから心地よくそこに座れると、気づけた一日だった。
僕がつくりたいものも、そんなあたたかい居場所のある空間だと思えた。

高槻のジャズストリートにあって、MagaYuraにあって、友達の家にあるものを、もっともっと感じていたい。


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