フランコ・ロッソ

サークル遊嬉楼に所属しています  フランコ・ロッソと申します 主に私が描いたイラストや…

フランコ・ロッソ

サークル遊嬉楼に所属しています  フランコ・ロッソと申します 主に私が描いたイラストや過去の絵や創作小説などを投稿しています 時々R18イラストも載せたり… Xではフランコ・ロッソで絵を乗せたりしているのでよかったら見てみてね

マガジン

  • 創作昔話 妙安寺の化け太鼓

    廃寺で鳴り響く音 それは題目を唸る声 人々の恐怖にある行者が立ち上がる…!

  • ぼた餅ァいらんかえ

    ぼた餅売りと武士の関わりを描いた ホラーテイストの昔ばなしです 水木しげる御大の妖怪画を見ているときに閃きました

  • 創作小説 影女刀

    初めて書いた 微ホラー系の時代小説です ある刀を巡る事件を書いてみました

  • 創作昔話 長編シリーズ1 善鬼坊

  • 遊嬉楼 フランコ•ロッソイラスト集

    私が描いたイラストを纏めています ヌードや姉御肌の女性が多めですが 良ければご覧になってください

最近の記事

空に想う2

 前回の続き 私はよく父親が単身赴任で いた街に家族で行った もう10数年前だが… たまに温泉に行き 露天風呂で月を眺めていた 夜空に輝く月をただただ無心で眺めては  星影のワルツを口ずさんでいた そして 必ずという訳ではないが月に願いをこめて いたものだった あの金糸銀糸を散りばめた様な 星空はいくつになっても忘れられない 15で郷里を離れた私は全寮制の高校に入学した はやくに親元を離れた故か寂しさで眠れない日もあった それ故に同郷で進学した同期の仲間を 大変羨ましく思っ

    • 空に想う

      皆さんはふとした時 空を見上げることは おありだろうか 私は幼少期から空を見ては 遠景に夢想を抱いてきた 何のことかと 思われるだろうが 私は地方に生まれ  家族の手伝いでよく夜明けから仕事を 手伝っていた その時は紫雲棚引く 朝焼けから 紺碧の空に変わる瞬間を 幼少期からよく見ていた それと同時に この空の向こうにはどんな人々が 住んでいるのか? という子どもなりの 妄想を抱くようになった あの当時は まだスマホでGoogleMAPを開いて… ということが出来なかったゆえに

      • 妙安寺の化け太鼓(2)終

        日緑は村の衆から貰った握り飯を四つも頬張り 風呂に入れて貰った後に 寺へ向かった 蜘蛛の巣が張って床には茸が生えている始末だ 日緑は 題目を唱えた後 軽く掃除をして そこで横になったと思えばそのまま寝入ってしまった 夜更けになった 日緑の耳に入ったのは やはりどん どん どん と鳴る音だ 日緑は数珠を握りしめ 題目をぽつぽつと 唱え出した 邪魔するように音がより騒がしく なるが日緑は全く動じない すると暗闇から 棒のようなものが風を切って飛んで来た 日緑は棒を振り払い 暗

        • 創作昔話 妙安寺の化け太鼓(1)

          昔々 現在の新潟県にあった話でな  妙安寺という法華のお寺さんがあった とても大きなお寺でお坊さんも小僧さんも たくさんいたんだが 戦で焼かれ坊さんも 小僧さんもみんな散り散りになってしまったんだ そこにはかの日蓮上人が題目を書いた  題目太鼓という立派な太鼓があってな ご法会 の時は題目に合わせて どん どん どんと 鳴っていたんだが 誰も鳴らさなくなってから 長い時が経った頃 廃寺になった妙安寺から どん どん どん たたけや たたけや  どん どん

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        • 創作昔話 妙安寺の化け太鼓
          2本
        • ぼた餅ァいらんかえ
          4本
        • 創作小説 影女刀
          9本
        • 創作昔話 長編シリーズ1 善鬼坊
          8本
        • 遊嬉楼 フランコ•ロッソイラスト集
          4本

        記事

          神様描いてみたシリーズ No.3 孟章神君(道教)

          神様描いてみたシリーズ No.3 孟章神君(道教)

          ぼた餅ァいらんかえ(4)終

          喜左衛門は自責の念と恐怖で恰幅の良い身体が すっかり病み衰えてしまい食も喉を通らなかった 仲間の次郎兵衛という者が詳細を尋ねると目を丸くし 上役に事の仔細を話し 喜左衛門に暇を出した すっかり弱ってしまった喜左衛門は歩くことが不自由になり 駕籠で村の外れにある 佐一の墓の前で行ったかと思うと土下座し 詫び証文を供え 念仏を唱えた その晩 あのぼた餅を食べた旅籠で泊まるとぼた餅ァいらんかえー…ぼた餅ァいらんかえー…と聞こえ出した時 喜左衛門はいよいよ震えだした 目をつぶっていた

          ぼた餅ァいらんかえ(4)終

          ぼた餅ァいらんかえ(3)

          痛みなんぞは怖さで忘れてしまった だが 走る喜左衛門の姿を見る佐一の眼球は怒りと悲しみをたたえながら息たえた 喜左衛門はその晩は眠れず 江戸に帰った後も役宅で魘され続けたのだ ある時 役宅の仲間内で酒をのもうと言って幾人かで集まった その時は同じ仲間の妻女が拵えたぼた餅が振る舞われた 喜左衛門は酒に酔っていたのか ぼた餅をかるく齧ったとき ぼた餅の中から真っ赤な血が滴り落ちた 仲間も目を丸くし 恐る恐る齧ったが仲間内の口元には餡がついているだけであり ただただ旨かったよ

          ぼた餅ァいらんかえ(3)

          ぼた餅ァいらんかえ(2)

          作ったぼた餅が全く売れず佐一はため息をついて帰ろうかと思ったとき 旅の武士で 名を喜左衛門と言った男がまとめて買い上げた 喜左衛門は着いた旅籠でぼた餅を ムシャムシャと食べたが 一時ほどすると 豆が悪かったからか腹持ちがあまり良くなかったのか腹が痛みだした 腹の痛みと悪いものを食わせたぼた餅売りを許せなかった喜左衛門は 村の外れに住んでいた佐一を呼びつけ 激怒し 餅の代金を返せと言ったが佐一は小豆の代金を支払うために使ってしまったと言ったか 言わないかのうちに鯉口

          ぼた餅ァいらんかえ(2)

          創作怪談昔ばなし ぼた餅ァいらんかえ (1)

          昔 江戸も中頃に差し掛かった頃 ある村の入り口で ぼた餅売りの佐一が旅ゆく人々に声をかけていた ぼたー餅ァーいらんかえー ぼたー餅ァーいらんかえーと 味は小豆の味が濃く なんとも甘い味付けで 旅の人々は喜んで買っていった だがいつまでも良いことは続かず 不作の年が続き質の悪い小豆ばかりしか使えなくなってしまった 佐一も 食わねばならない 作りはしたが味の不味さを知ってしまった故か誰も見向きしなくなったのだ

          創作怪談昔ばなし ぼた餅ァいらんかえ (1)

          創作小説 影女刀(9)終

          この一件の一部始終を聞いた火付盗賊改の長官 長谷川平蔵はポツリと 「女の執念は恐ろしいものよ 執念が刀に乗り移り 手にした者を不幸に 周りさえも巻き込んだ 米原殿の采配がなければ お前も只ではすまなかったろうよ…」と神妙な面立ちであった  事件から2日後 惣太郎は牢内で衰弱死していた そして 惣太郎の妹にあたる二人は山端の養子として迎え入れられたのだ そして近田は役宅内で祝言を挙げた 近田は兄の様に慕っていた成田の墓前に手を合わし 帰ろうとした折りに一陣の暖かい風が吹いた

          創作小説 影女刀(9)終

          創作小説 影女刀(8)

          惣太郎は先ほどの亡者のような顔つきから 黄土色の顔つきになり倒れ伏した 刀はより 禍々しく光り近田を刺さんとした時米原が 念仏を唱えながら刀を叩き落とした  米原は叩き落とした 影女刀を紐で縛り  近田を連れ 近在の寺の住職が護摩行をしている 場所まで来た すると住職はより一層強く 念じると護摩の火中から倶利伽羅竜王が飛び出し 刀を飲み込んだ 刀は悲鳴のような音を立てながら火の中に消えていった 米原は近田から詳細を聞いていた折にに妖刀を始末するには神仏の力を借

          創作小説 影女刀(8)

          創作小説 影女刀(7)

          近田は上司の米田金吾に米原宅を警備するように懇願した後 米原当人にも説明をした上で 米原宅近くの家屋を借り入れ見張っていた それから二~三日した頃か 米原の屋敷付近で 明かりも付けずに彷徨く男がいた 近田は 陰から手龕灯で見つからぬように照らすと 惣太郎 本人であった 右頬に青痣が確認 できたが 全くもって正気を失ったかのように 歩き 亡者のような顔つきをしていた  米原宅の裏門に隠れ 予め警備の者を配置し 米原当人にも警告をしておいたが…惣太郎は 壁をよ

          創作小説 影女刀(7)

          創作小説 影女刀(6)

          山端はこれしか言わなかったが 山端の奥方が帰り際に近田に書簡を握らせた 近田はその書簡を 役宅に持ち帰り開いてみた 「惣太郎は 二年前に上総にて消息を絶ちましたが 一年程前 ふらりと現れ 夫に内緒で仕事を 世話してくれと懇願され松房藩の下働きとして 雇わせることと致しました これは内儀である 私の一存ですので 夫久造は存じません どうか内密に…」※現代語訳 と書かれていた 相当に内儀は頭を悩ませたのだろう 文面からでも嫌と言うほどに解り得てしまうものだ   

          創作小説 影女刀(6)

          創作小説 影女刀(5)

          だが今の被害者の関連する人物に凶行に及ぶような人間がいるだろうか? 近田はその時 ふと思い付いたことがある 刀剣商の岡田の親族についてである 被害者となった岡田 妻の房 次女のさつ 生存者の たね おたまだ だが嫡子の 惣太郎の行方が依然として解らない 近田は日を改めた後再び山端の家を訪ね 嫡男惣太郎について問いただした 山端は最初は 渋っていたが観念したのか白状した 所謂惣太郎は嫡子とは言え 放蕩息子という もので売り上げの金から 一両 二両と抜き出し

          創作小説 影女刀(5)

          創作小説 影女刀(4)

          所謂あの刀は昔 ある刀鍛冶が打ったもので そのままならなんの変哲もない刀であった だが その刀鍛冶は非常に女癖が悪い上に その妻が嫉妬深く常に悋気を起こしていたのだ という とうとう我慢ならなくなった女は その刀で夫を斬り殺し 自らもその刀で自害し 果てたのだという  だがこの話はこれだけでは 終わらず 女はその刀に自らの血を吸わせ 果てた 刀はその頃からか手にした男に幻覚を 見せ 刀に封じ込められている哀れな女と いい 今まで手にした男を斬らなければ誰の

          創作小説 影女刀(4)

          創作小説 影女刀(3)

          凶行は近田の知り合いにも及び勘定方の成田勘蔵と言う者が夜更けに斬られていたのを発見された 近くには成田が食していたのであろう蕎麦の器と 夜鳴きそばの亭主が斬られていたのだ 成田は近田が盗賊改方に配属された時に親身に為ってくれた人物であり同じく独り身であった 親類縁者の縁が薄い近田には兄の様に思えた故に歯噛みをするしかなかったが 近田は刀に何らかの因縁があると感じたのか 近田は被害者の共通点となった刀について調べるために惨殺された刀剣商 岡田の親類である刀鍛冶 山端

          創作小説 影女刀(3)