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【連載小説】残夢(改稿前)

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「逢いたくて。貴方に」という供述を始めた女。刑事 堂森健佑との接点は何処にあったのか。週一のシロクマ文芸部のお題をなるべく取り入れながら絶賛連載中。→→→連載中だった作品をいった… もっと読む
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連載小説「残夢」についてお知らせ

布団から飛び起き、今日もカチカチとキーボードを鳴らします。 最近更新できていない連載小説は、裏でめっちゃ進んでおります。 え、こんな書き出しで「シロクマ文芸部」のタグつけるつもり? 不真面目過ぎないか。なんでもアリちゃうで。 いや、いいのだ。だって、こんな記事もあった。↓ この記事に甘え、でも〆切時間はなんとなく気にしつつ、本日はこんな「お知らせ」的な記事を書いてみました。 *** 連載中の「残夢」は⑤のあと暫く止まっております。 ⑥はとっくにできあがっているのです

残夢① 〔女〕

「ありがとう」 手錠がカチャリと音をたてたと同時に微かだが確実に女はそう言った。女は両手を前に突き出したまま潤んだ双眸で俺を見つめている。口角は僅かに上がり微笑んでいるようにも見えた。もともとそういう顔の作りなのかもしれないが。 「ケンさん」 後輩の山下に声をかけられるまで俺は女から目を離すことができなかった。僅か2秒だったかもしれないし2時間だったかもしれない。女が山下に連れられてパトカーの後部座席に乗り込むまで気づけば無言で女を目で追っていた。 逮捕されて御礼を言う犯罪