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ときどき日記(536)人生万策尽きた人に安楽死の権利を

ALS嘱託殺人の元医師に実刑判決が言い渡された。

「社会的弱者の生死を選別し、ビジネスにすることが横行しかねず、厳罰に処す必要性が高い」(2023/12/12読売新聞夕刊4版11面)からだという。

嘱託した患者は、「胃にチューブをつないだ『胃ろう』」の処置がなされるほど、自身のことを思うとおりにすることが出来なかったと推察される。

そして、自身への殺人を嘱託するほど人生を清算したいと思っていたに違いなく、しかしながら、身体が不自由なためその人生を清算することもかなわなかったのだ。

畢竟、誰かに安楽死を依頼するしかなかった。

患者は願いを遂げることが出来たのに犯罪者を生んだ。

日本にきちんとした安楽死の制度が無かったからだ。

そして、どこにも悪意が介入できる余地も生まれなかったはずだ。

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