記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【クトゥルフ神話TRPG】「水生桜」リプレイ小説 Episode 1 -不気味な来訪者-

※※※注意※※※

本リプレイ小説にはクトゥルフ神話TRPGのソロプレイシナリオ『水生桜(みぶざくら)』のネタバレが含まれています。

少しでもプレイする予定がある方は、今すぐブラウザバックしてください。


シナリオ名:水生桜(みぶざくら)
シナリオ作者様:DEN助

BOOTHにて無料配布されていますので、詳細は以下のリンクからご覧ください。

*フリー配布*クトゥルフ神話TRPG用ソロプレイシナリオ『水生桜(みぶざくら)』

素敵なシナリオを作成されたDEN助様に感謝申し上げます。

それでは、物語の続きから始めましょう。


3.水生五郎の来訪

KP『事務所に到着すると、忙しそうに書類に目を通す五十嵐社長の姿があなたの目に映ります。あなた達の存在に気づいた五十嵐は、「おう、おはよう」と声をかけてくるでしょう。』

緋利木「社長、おはようございます。今日も多忙ですか?」

五十嵐「あぁ、ちょっと大きな案件が入ってしまってな。にしても、最近は忙しすぎて数年前に閑古鳥だったとは思えへん状態やわ。これも全て、弟古井が仕事を持ってきてくれるお陰や。ありがとうな。」

KP『そう言いながら、五十嵐は弟古井にぎこちない笑顔を向けるでしょう。元の顔が怖いせいか、弟古井はあなたの裾をぎゅっと掴んで少し隠れてしまっています。』

緋利木「ほんまにそうですね。デコちゃんが来てから、この事務所も大きく成長しましたし。感謝しても仕切れへんっすわ。」

KP『あなたはそっと、弟古井の頭を優しく撫でます。すると、弟古井はこちらを上目遣いで見上げながら「えへへ、ありがとう」と返してくれるでしょう。』


PL : なんだ、可愛いじゃん。もっとマセガキみたいな感じだと思ってたから、これはこれでいいね。
KP : ちなみに、呼ばれ方と一人称に希望ある?
PL : ない。任せる。
KP : じゃあ、事務所では「先輩」呼びで、プライベートでは「おにいちゃん」呼び。一人称は基本「ボク」で行くわ。

[ 隠しパラメータ ] 弟古井の好感度 : 10 → 15


KP『そんなこんなで朝の業務に取り掛かろうとしていると、部屋の中にチリンチリンという鈴の音が響きわたります。どうやら、本日最初の来客のようです。』

五十嵐「あー、ちょっと手が離せないから緋利木、対応頼むわ。」

緋利木「了解です。お客様、こちらへどうぞ。」

KP『そう言って、あなたは客人を応接室に案内します。ぱっと見では、40代位の男性に見えるでしょうか。しかし、あなたはすぐその姿の異常性に気づくでしょう。真夏だと言うのに、目深に帽子を被り、マフラーと手袋で素肌を隠しています。マスクを付けた口からは、ごぼごぼとした泡だった音が聞こえてきます。それを見た弟古井は、「この人、ちょっと怖くないですか……?」と、あなたに耳打ちしてくるでしょう。』

緋利木「探偵は人を見た目で判断しちゃいけない。最悪、何かあってもお兄ちゃんが守ってあげるって。(小声)」

弟古井「そ、そうですよね。ごめんなさい……。(小声)」

緋利木「大丈夫。心配してくれてありがとな。(小声)」

KP『弟古井は、あなたに説得されて少ししゅんとしているようです。』

緋利木「……それで、お客様は何用でこちらの事務所にいらっしゃったのですか?」

水生「色々な方に既に依頼しているのですが……。東北地方の政治家である、小泉淳三郎という方の身辺調査を依頼したいのです。」

緋利木「ほう。理由をお聞きしても?」

水生「はい。申し遅れましたが、私は△△社に所属している政党コンサルタントの水生五郎(みぶごろう)という者でして……立場上、色々と事情を探らなければならないのです。前金としてこちらをお渡ししますので、是非調査をお願いしたく思います。」

KP『そう言って、水生は名刺と現金が入った茶封筒を机の上に置きます。茶封筒はパンパンに膨れ上がっており、明らかに通常の依頼とはかけ離れた金額のお札が入っていると容易に想像できるでしょう。』


PL : 泡ぶくみたいな声って言ってたけど、見た目はどんな感じ?
KP : ぱっと見で分かるのは背筋が伸びていて紳士的な様子に見えるって位かな。それ以上の情報が欲しければ【目星】でどうぞ。
PL :では、初ダイス振らせてもらうわ。

緋利木 茂
CCB<=85 【目星】 (1D100<=85) > 96 > 致命的失敗

PL : あっ。
KP : 「あっ」じゃない。こんな序盤にファンブル出されてどうしろと。……いや、こういう処理で行こう。


KP『あなたが水生の動作を細かく観察しようとした瞬間、事務所の奥から焦った五十嵐の声が聞こえてきます。』

五十嵐「緋利木すまん!ちょっと急用入ったから九州行ってくるわ!あとは任せた!」

KP『言い終わる前に、五十嵐は緊急用のスーツケースを担いで一目散に事務所の外へと駆け出していくでしょう。そんな様子を、あなた達は呆然と眺めます。勿論、水生に対する警戒心も薄まってしまうでしょう。そんな様子を見た水生は、くぐもった声で次のように提案してきます。』

水生「えぇっと、大丈夫でしょうか?私はまた後での依頼でも大丈夫ですので……。」

緋利木「ああ、気にしないでください。良くあることなので。あと、依頼に関しましては、とりあえず事前調査をいたしますので、本調査はその結果次第ということで大丈夫でしょうか?」

水生「あ、あぁ……ありがとうございます。そちらで大丈夫です。もし調査に進展がありましたら、こちらのホテルにご連絡いただけると助かります。それではこれで失礼させて頂きます……。」

KP『水生は貴方に一礼すると、その場を後にするでしょう。広めの事務所の中で、あなたと弟古井のみが取り残されます。』

緋利木「まぁ、きな臭い案件だけどとりあえずやって見よう。にしても、五十嵐社長め、またいつものやつかよ……。こんな忙しいときに、勘弁してほしい。」


KP : 忘れていることがあるので、【アイデア】を振ってください。
PL : ほいっとな。

緋利木 茂
CCB<=70 【アイデア】 (1D100<=70) > 23 > 成功

KP : では、あなたは横に座っていた弟古井が封筒を手に取っているのに気づくでしょう。また、心なしかその顔は青ざめているように感じます。
PL : 完全に目の前に夢中になってたわ。ちなみに、封筒の中の金額は?
KP : 折角だしダイスロールで決めるか。1d100×10万円でいこう。
PL : よしきた。でも10万~1000万って振れ幅でかいな…..。頼む!高い目出てくれ!

緋利木 茂
1D100 (1D100) > 63

KP : では、封筒の中には630万入っていますね。
PL : やったぜ。


緋利木「……ん。デコちゃん、どうした?封筒の中の金額が気になるのか?」

弟古井「いや……。違うんです。えっと……この依頼、受けちゃダメです。」

緋利木「どうして?やっぱり、さっきの男性が怖かった?」

弟古井「違います、そうじゃないんです。でも、この依頼はダメなんです。」

緋利木「うーん、立ち振る舞いに怪しい所は無かったし、やるだけやってみてもいいと思うけどなぁ。それに、630万って大金だし。」

弟古井「お金ならボクがもっと稼げるように頑張ります。だから、依頼は受けないでください。お願いします。」

KP『涙目になりながら、弟古井は上目遣いであなたにそう嘆願するでしょう。出会ってから弟古井がこれほどまでに意地を張ったことがないため、必死にお願いする姿勢にあなたは違和感を持ちます。』


KP : ここまで言い合いになったら、流石に弟古井ちゃんの【言いくるめ】技能を振らせてもらおうじゃないか。
PL : そういやNPCも技能振ることがあるのか。いいぜ、受けて立つ。
KP : 言いくるめは初期値なので、目標値は15ですね。それでは振ります。

弟古井
CCB<=15 【言いくるめ】 (1D100<=15) > 99 > 致命的失敗

KP : /(^o^)\ナンテコッタイ
PL :なぁぁにやっとるんじゃワレェ!
KP :では、弟古井ちゃんはついに、床に崩れ落ちて大泣きしてしまいます。
PL : 流石に技能振るか。【心理学】で。

緋利木 茂(シークレットダイス)
CCB<=60 【心理学】 (s1D100<=60) > 56 > 成功

KP : では、何かこちらに隠したいことがあるというのが分かるでしょう。
PL : 流石に成功かな。記憶がないってこともあるし、あんまり過去を振れるのもなぁ……どうしようか。
KP : まぁまぁ、考えながらRPしてもらえれば。それでは描写に戻ります。


KP『そんな必死の姿勢を見たあなたは、きっと何か過去に関連した隠し事があるのではないか、という考えに思い当たるでしょう。その最中、弟古井はあなたの膝の上で嗚咽をあげながら泣き崩れてしまいます。』

緋利木「ごめんな、デコちゃんがこんなにお願いしているのに、意地張っちゃって。デコちゃんにも色々あるよな。でも、一つ聞かせてほしい。この依頼を受けるのは、そんなにダメなことなのか?」

弟古井「ズビビ……はい、これだけはダメなのです。でも、全部おにいちゃんのことを思ってのことなんでずぅぅ……。(また泣き出す)」

緋利木「そっか、分かった。この依頼を受けるのはやめる。それでいいか?」

弟古井「…….はい。ありがどうございばす…………。」

KP『満足な答えが得られて安心したのか、弟古井はあなたの膝の上で眠ってしまいます。そんな弟古井の髪を優しく撫でているうちに、あなたもいつの間にか寝てしまうでしょう。』

[ 隠しパラメータ ] 弟古井の好感度 : 15 → 25


PREVIOUS Episode : 【クトゥルフ神話TRPG】「水生桜」リプレイ小説 Episode 0 -悪夢からの目覚め-

NEXT Episode : 【クトゥルフ神話TRPG】「水生桜」リプレイ小説 Episode 2 -弟古井の失踪-


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?