ゆとり

1997年生まれ。映画/本(特に海外文学)/ラジオなど。 日々のこともたまに書くつもり…

ゆとり

1997年生まれ。映画/本(特に海外文学)/ラジオなど。 日々のこともたまに書くつもりです。細かい運用方針は手探りで決めていきます。

最近の記事

テレビ時代劇─『御用船炎上』【勝手に西村晃映画祭⑩】

池広一夫の作品を観るのはたぶんこれが初めてだった。 筋書きが面白そう、西村晃も出てるし…と軽い気持ちで見始めたら予想以上に面白い復讐劇だったので、感想を残しておく。 話はけっこう暗い。 幕府の品々の運搬を請け負う廻船問屋の江戸屋宗右衛門(佐竹明夫)はある日、抜け荷の濡れ衣を着せられた。宗右衛門が奉行所に引っ立てられそうになったところに、水夫の栄次(竹脇無我)が「自分がこの禁制品を船に積み込んだ」と名乗り出る。江戸屋とライバル関係にある大黒屋(待田京介)が奉行所と通じて謀った

    • 怠けものの衣替え

      近況をお伝えするとすれば、最近身の回りのことを怠けている。いつもと変わり映えがしない部屋、という意味でもある。 かろうじて毎日クイックルワイパーはかけているが日に日に雑になってる気がするし、物の位置もめちゃくちゃ。冬物のセーターはまだ仕舞えていない。 なんてひどい…とかブツブツ言いながら、手洗いできる冬服のいくつかを洗い、クリーニングに出した衣類に防虫除湿カバーをかけてクローゼットにしまう作業もやった。 えらすぎる。でも梅雨が来る前に洗わなきゃいけないものはまだまだある。ヤバ

      • 少し前に読んだ──ジュンパ・ラヒリと大江健三郎、そして楳図かずお

        雑事やイベントの準備をしては惰眠を貪る間にどんどん時は過ぎ、街のモッコウバラはしなび始めた。いまは夏バラの盛り。ツツジやサツキもたくさん咲いて5月っぽい感じになってきた。 わたしはこの季節が好き。新緑がつやつやしてるし、日差しが強くても空気が少しひんやりしてて息しやすいから。ずっとこのくらいでいいのよ! ところで、noteの下書きは…といえば全然進んでいない。言い訳をするといろんなことに追われてて、簡単な下書きすら終わってない。 なので、更新をサボらないための応急処置として

        • モッコウバラの季節

          ヤマザクラが散ってしまい、八重桜が咲いているが、今年のわたしは八重桜よりモッコウバラに注目している。 モッコウバラは満開の一歩手前─生垣に少しちんまり咲いているくらいが趣があるとわたしは思うのだけど、そんな人間側のエゴはつゆ知らず、ツルをグングン伸ばしてはモコモコの花を咲かせまくり、通りによい香りを放っている。 たいていの花は季節が巡ればまた咲き、わたしたちの目を楽しませてくれるけれども……。 先日亡くなった祖父を思うと未だに胸が詰まってしまう。この世の外がどうなっていよう

        テレビ時代劇─『御用船炎上』【勝手に西村晃映画祭⑩】

          優先席とヘルプマーク ヘルプマーク編

          悲しいことがあって落ち込んだりバタバタしてたら、約束の日を2日も過ぎてしまった。 見積もりが甘くてすみません! へたに約束なんてするもんじゃないな!! 実は優先席ばかりでなくヘルプマークのお世話にもなっている。ヘルプマーク自体はいいアイデアだ。しかしまだまだ周知が足りないと思う。 それを証明するかのような出来事が火曜日の朝にあった。近くにいたご婦人がわたしの着けてるヘルプマークを指して、「すみません、これってなんのマークなんですか?」と訊いてきたのだ。出来すぎで作り話っぽい

          優先席とヘルプマーク ヘルプマーク編

          優先席とヘルプマーク 優先席編

          病気の影響で立っているのが難しくなってしまい、ここ最近電車に乗るときは優先席のご厄介になっている。座れるとき、特に譲っていただいたときは本当にありがたい。 今回は優先席について、感謝と一掴みのわだかまりをまじえて書いてみたい。 優先席というのは、ふつうに考えれば「体調不良や病気、怪我などで立っていられないひとが優先的に座る席」だ。優先席が優先席として十分に機能するためには─くだいて言うと「思いやり」とか「譲り合い」みたいにデリケートな概念は─、お互いさま精神と良心に基づく暗

          優先席とヘルプマーク 優先席編

          週記─牛丼、市原悦子、がんばらないユニバース

          牛丼系チェーン店でいちばん好きなお店は松屋なのだが、この半年くらい松屋で食べてなかった。 ひさしぶりの松屋にテンションが上がってキムチがのった牛丼をアタマ盛りでオーダーしたら肉の量にちょっと気圧された。たんぱく質とった満足感とともに帰宅。 最近家で1時間を超える映画を観ていない。サブスクで観たい作品もあるのだが、薬の副作用や疲れで寝てしまうのだ。 先日のこと。勝手に始めた西村晃映画祭番外編!という記事を作ろうと思って『家政婦は見た!』の西村晃回をFODで見始めたのだが……正

          週記─牛丼、市原悦子、がんばらないユニバース

          2月を通り抜けて

          「お誕生日おめでとう!」と言いながらクーポンを送りつけ消費を促してくるなんて見ようによっちゃケチだ、資本主義の悪いところだ、と言って回っていたら、ある店舗の1000円クーポンを使っていなかった。 主張を譲るつもりがない一方で、クーポンを使い逃すと悔しくなってしまう。こんな小市民ぶりや情けなさを棚上げさせてもらうと、2月は28日ないし29日しかないのにほかの月と同様ひと月分のクーポンしか発行しない店舗はやっぱりケチじゃないだろうか。もしかして社内に2月生まれが全くいないのだろう

          2月を通り抜けて

          人生初の確定申告

          【追記】その後見直したら勘違いによる入力ミスをしていたことに気づきました。そんなオチとともにお楽しみください。。 いや、これっぽっちかい!!!!と心の中でめっちゃ叫び、どこか間違ってないかと何度も見直した。しかし残念ながらなにも間違ってないらしい。世界とわたしの間の距離がまた少し広がったのを感じる。 具体的に何が不満かというと三点あって、 ①去年めっちゃ病院行って医療費めちゃかかったし(ウン十万レベル)、寄付もしたし、医療費貧乏なのに今の職場に入るまでの空白期間ぶんとして

          人生初の確定申告

          早春、のんびりと

          ここ最近、寒暖差や気圧差で心身がずいぶん参っていて、それと関係あるかわからないけど、声を張ると疲れるためどうしても小声になってしまう。 この1週間、たぶん10人以上に聞き返され、複数人にはスルーされた。聞き返されるのはまだしもスルーされるのはさすがにダメージを受ける。相手の耳に届いてないんだから、まあ仕方がないんだけどね。 数日前なんて、甘いものが食べたくて入った飲食店で店員さんを呼ぼうとしたら何回も空振りして、隣のテーブルについてた同世代の女性2人組が見かねて代わりに呼んで

          早春、のんびりと

          『マタギ』─お弁当が気になる【勝手に西村晃映画祭⑧】

          前回の『越前竹人形』に続く雪国映画、むしろ雪のなかで闘う西村晃が見られるのだからこっちの方が真っ当に西村晃の雪国映画なのだが、『マタギ』はわたしのなかでお弁当映画に位置づけたい映画だった。 舞台は秋田県阿仁町。平成の大合併を経て、いまは北秋田市に組み込まれた地域である。地図で確認すると、けっこう青森に近い。 地元の協力を得て製作を行い、地元出身の有名人(『釣りバカ三平』の矢口高雄、友川カズキ)が出演するという、いまも連綿と続く「地方映画」のはしりでもある。 秋田を知る人の

          『マタギ』─お弁当が気になる【勝手に西村晃映画祭⑧】

          雪国の西村晃─『越前竹人形』【勝手に西村晃映画祭⑦】

          北海道は札幌生まれの西村晃、ご本人が雪国生まれだから……というわけではない。たまたま雪国が舞台の西村晃出演作品のうち好きな作品や思ったことを書きたい作品がいくつかあるので、一気に紹介しようとしていた。でも、今の集中力を欠いたわたしの頭では、どうもとっ散らかってしまった内容になってしまう。リサーチ不足で納得できないものもあったので、いっそ1作品ずつに分けてしまうことにした。 紹介するのは主に北陸〜東北が舞台の作品だ。こう書くと「あの作品もくる?」なんて、ピンとくる方もいらっしゃ

          雪国の西村晃─『越前竹人形』【勝手に西村晃映画祭⑦】

          化粧って儚い

          メイクって面倒くさいなあ、と朝に夜に思う。 朝に綺麗な絵が描けても夜には落とさないといけない。なんて儚いんだろう。朝にメイクをするのは分かってるのに肌が荒れるから、家に帰ったらメイクを落とさないといけない。あー、なんて儚いんだろう。 ゼンデイヤが「今日は最高なアイラインが引けたからメイクを落としたくない!」と嘆く動画を見たことがある。(※元動画、見つけられず……。) もちろん、今日のメイクをあす明後日にもコピペして使いたいと思ってるわたしと、超おしゃれで日々努力してるであろ

          化粧って儚い

          2023年公開(主に)新作 好きな作品リスト

          昨年は体調の問題があって全然劇場へ行けなかったけど、U-NEXTの新作レンタルのおかげでかなり補完できた。U-NEXT、マジでありがとう。 でもついつい先延ばしする癖のある人間にとっては、体調の問題さえなければ劇場で集中して映画を観ていたいな、とも思う一年だった。 さて、だいぶ出遅れたけど、今年公開の好きな作品リストはこちら。 ◎劇場で公開された作品 ※順不同 『お葬式』(リマスター版) 『ベネデッタ』 『首』 『枯れ葉』 『帰れない山』 『花腐し』 『私がやりました』

          2023年公開(主に)新作 好きな作品リスト

          まじまじ ジロジロ

          旧年中は拙note(?)を読んでくださってありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いします。 サザンカはもう少し咲いててくれるかな。梅の開花も楽しみだ〜。 さて新年早々重めだけど、ひところ“視線”にひどく悩んで攻撃的になりかけていた話をしようと思う。 ぶつからないか、ぶつかられないか、つまずかないか……と、常に注意を研ぎ澄ましているうちに緊張状態が抜けなくなったせいだろう。興味本位に投げかけられる視線が引き金、病気をしている負い目や健康への不安を強く再認識してしま

          まじまじ ジロジロ

          いろんな「好き」

          2023年も終わろうという今、改めて言いたいことがひとつある。それは「薄いファンでも良くない?」ということ。 もちろん、いわゆる<にわか>なのに知ったかぶりして語る行為は醜い。「ごめん、それ知らない。勉強します」と言う勇気こそ清々しく、わたしもなるべくそうあれるように心がけている。 しかしそのジャンルをよく知っている人間の行為にも醜いものはある。たとえば、 こういうのは心に余裕がなかったり弱っている人間がやってしまう行為で、わたしも過去にやったことがある。自覚ある。本当に

          いろんな「好き」