2023_11_30_CA

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日付
11月30日

今日のテーマ
今回の所得税の減税は経済対策として適切なのか
記事
新たな経済対策をめぐり、岸田総理大臣は10月26日に、4万円の減税や非課税世帯に7万円の給付を行う案などをもとに制度設計を検討するよう与党に指示した。11月2日、臨時閣議で、所得税と住民税あわせて4万円の減税を行うことなどを盛り込んだ経済対策が決定された。そして、各種の給付措置に加え、税や社会保障負担の軽減など、あらゆる手法を動員して物価高に苦しむ国民の負担軽減を図る方針を示した。(NHK)

今回の定額減税は、納税者本人と配偶者などの扶養家族を対象に、1人当たり所得税から3万円、住民税から1万円の計4万円を減税する。夫婦と子ども2人の4人世帯ならば計16万円が減税される。一方、住民税非課税世帯には早ければ年内から7万円を現金給付する。こうした世帯には今夏以降に物価高対策で3万円が給付されており、合計で10万円になる。住民税は課税されているが、所得税が非課税の世帯にも10万円が2024年6月までに現金給付される見通しだ。(毎日新聞)

そこで、私は経済対策として不適切という反対の立場を取りますので、皆さんは経済対策として適切という賛成の立場から議論をお願いします。


前提質問

Q単身世帯は対象?
A対象。

Q子供はどのように数えられている?
A納税者だけでなくその家族も対象。

Q消費税も何も下げない?
A岸田政権の答弁では減税になる税はない。(提案として話し合いを進めてもいい)

議論だけでなく提案形式で進めていきたい。
否定する要素はないが意味があるとは言い切れない。
消費税も増税するべきではあるが賃上げ政策をするべき


意見・論点
1.時間がかかり、物価高対策としてはかなり遅い。
→政府は減税が来年夏のボーナス時期から実施する予定となっており、24年分の所得税から減税し切れなかった分は、25年度の住民税から差し引く仕組みを設ける方針が予定されている。減税と給付が完了する時期は今から1年半後の25年6月以降になる見通しで、「足元の物価高対策」という政策の目的自体が意味を失いかねない。

Q現在基礎控除として年間48万円引かれている。だが所得税の負担が変わらず給料向上の実感が持てていない。そのような人に向けて大事な施策なのでは?
A今の対策としてあまりにも遅すぎるのではないか。 

2.自治体の負担が増える。
→減税と給付を組み合わせるには複雑な実務が必要となり、自治体の関係者はこうした仕組みを初めてつくる政府がきちんと対応できるか懸念している。

Q自治体の負担は限定的なのではないか?
A実際の負担は明確化しづらい。

3. 経済効果は限定的
→政府は、今回の一時の所得減税・給付金は、景気刺激を目的とするものではなく、賃金を上回る物価高への対策、デフレ脱却を確実なものにするための中長期視点の施策と位置付けている。短期的に個人の消費行動に大きな影響を与えない施策は中長期的な経済に与える効果も大きくない。

Q経済対策は効果が全てではない。インフレ手当として勤労者と納税者へのメッセージになるのでは?
Aメッセージとして弱いのではないか。また経済効果もGDP+0.19%と予測されており効果も乏しい。
Q本来中間層の厚い日本において、所得税減税という中間層向けの施策を打ち出すことには意義がある。
Aその通りであるが、今回の施策の効果は限定的では?


予想される反論・再反論
1.国民は減税を望んでいる。
→防衛費増額の財源を賄う防衛増税は開始時期を「2024年以降の適切な時期」との曖昧な記載に留め、来年から防衛増税が行えば、所得税も増税することになる。

Q復興費が防衛費にまわされるので実質的所得税の増税にならないのでは?
A復興費だけでは足りず、所得税から賄おうとしている。(直近の答弁にて)

Q10/27の記事では2025年に見送ると政府が公表しているため、大きな影響がでないと考えられる。
A2024年の影響があると考えられる。

2.来年春の賃上げと組み合わせて、国民の手取りを増やし、消費活動を刺激できる。
→個人は物価高に賃金上昇が追い付かず、実質賃金の減少が長く続く。個人の景況観や消費行動は、長期の展望に基づくところが大きく、一時的な減税と給付は物価高対策となりにくい。

提案:
Q基礎控除の引き上げをするべきでは?
A年金の壁も失くすべきでは?(103万円以上稼ぐことで生まれる税金について)
A社会保険の引き下げも行うべきでは。
→財源の問題が一番、会社での保険はどのような仕組みなのか分からない。
→女性が働ける社会になるような仕組みづくりを


参考文献・URL
https://mainichi.jp/articles/20231125/ddm/008/010/057000c
毎日新聞 「定額減税+現金給付「できる?」 自治体「非現実的」 事務複雑で悲鳴」
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/103441.html
NHK 「“鬼門”の税 決定の舞台裏」
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/103321.html
NHK 「解説)所得税など4万円減税・非課税世帯は7万円給付案って?」

【先生からのコメント】
経済政策は難しい。
経済対策は「構造改革なくして景気回復なし」の考えを忘れてはならないと考える。
給付による生れる円安は設備投資や技術躍進が止まることに繋がったのではないか。
瞬間的な対策としては賛成だが、長期的な効果は薄いと考えられる。


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