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2023_10_26_CA

3回生CA
日付
1026
担当者
金田和樺
今日のテーマ
家畜クローン(受精卵クローン)の流通の是非
記事
我が国では現代までに家畜クローン(受精卵クローン)としてのクローン牛のうち349頭が食肉出荷されている。つまり、私たちは知らない間にクローンから生産された牛乳や牛肉を口にしている可能性があると言うことだ。体細胞クローンに関しては農林水産省が出荷自粛要請を行なっているため流通はしていないものの、一部流通しており消費者の元に届いている。近い将来食肉が食べられなくなるという現状の中でクローン家畜の需要はあるといえるものの、安全上の観点や倫理的側面などさまざまな問題が残っており議論の余地が十分にあると考えられる。
そこで今回は家畜クローンの流通の是非という議題で議論を行う。立論者側は賛成(家畜クローンを流通すべき)の立場から議論を行うので皆さんは反対(流通すべきでない)の立場から議論を行なってください。

[受精卵クローンの作り方]
まず通常の受精卵を細胞分裂させます。 そのうち一つから核を取り出します。 その核を、別の雌から取り出して核を取り除いた未受精卵に、移植します。 そうしてできた胚が成長して生まれるのが「受精卵クローン」動物です。有性生殖の技術になるため遺伝子組み換えは可能。

【前提条件】
流通が可能となっている受精卵クローンのみでの議論とする。また、遺伝子組み換えの観点は議論に含むものとする。

Q 流通と捉えるか製造面のことを捉えるのか。
A. 流通、製造のどちらも。

Q.主となるものは畜産農家がそれぞれ持っているのか一つの団体が管理するのか?
A.研究所でクローンの元となる個体が現在管理されている。だが畜産農家に譲渡された事例もあるため畜産農家での管理になる可能性がある。

Q.どの段階で製造者に譲渡されるのか
A.
文献が見つかっていない。
意見・論点
1.安全上の観点
→受精卵クローン牛肉における食品衛生上の病理学的・理化学的な検査結果において受精卵クローンと一般の牛肉との間ではほとんど差がないとされている。また、食肉衛生検査所において、正体や内臓などに異常がないか精査された後出荷されているため安全上の問題は限りなく少ない。また、熊谷(平成11年)によると受精卵クローンに特有な食品としての安全性を懸念する科学的根拠はないと述べられている。
Q.現在のサイクルを変えるチャンスになるのでは
A.はい。
 

2.倫理問題の観点
→平成9年8月13日に決定された「ライフサイエンスに関する研究開発基本計画」において、「動物のクローン個体の作製は、畜産、 科学研究、希少種の保護等において、大きな意義を有する一方で、人間の倫理の問題等に直接触れるものではないことから、情報公開を進めつつ適宜推進する」という基本的な方針が出されたため倫理的観点からも国の許可が出ている。
また、家畜を食べることに対してコクランによると家畜化された動物はただ動物なのであり倫理的な枠組みを要するものでないとされる。(利害関係の一致が重要であり、家畜化された動物は人間無くしては生きていけないため、倫理的観点に即さない。)
Q.家畜からの温室効果ガスは全体の14%を占めており、地球温暖化に影響が出るのでは?
A.クローンの製造は管理できる為、大丈夫だと考えられる。
Q.動物に対し倫理観がないというのは間違いでは?家畜と野生動物を分けて考えないという認識だと考えられる。
A.先行研究では倫理的観点からも国の許可が出ていることが反論になっていると考えられる。

Q.国民からの反発があるのでは?
A.表記マークを義務化することで国民からの反発が軽減できるのでは。

Q.先行研究は人間の尊厳に対するライフサイエンスとなっており、動物からの視点が足りていないのでは?
A.改定するべきだと考えられる。

3. 畜産物の安定供給
→クローン技術の優位点として優良な個体の生産を可能としている点にある。有名種畜の安定した供給や、遺伝子組み換えによるより優良な個体の誕生が可能となる。また、今後食肉の供給が減少することが予想されている中でクローン家畜の需要が高まると考えられる。
Q.大量生産ができるようになると畜産農家にとって不利益が生まれるのではないか
A.クローン技術を使わない農家は別の側面からアプローチすることで大きな悪影響が出ないと考えられる。

その他
Q.受精卵クローンは表記が任意となっている。クローンの牛を意識的に避ける消費者にとっては不都合となるため
  流通を認めるべきでは無いのではないか?
A.今回の議論には含まれないと考えた。

Q.クローンかどうかを選択できないことが問題なのではないか?消費者は含まない?
A.消費者の視点は含めず流通の是非について議論していく。

Q.消費者は議論に含めるべきではないか?
A.流通させるにはマークをつければ解決するのでは

Q.政府は隠して流通させていることから表記マークの義務化という解決策として成り立たないのでは?
A.

Q.和牛は海外で遺伝子情報を持って帰られてしまった事例がある。そのためブランドイメージに損なう可能性があ
  るのではないか
A.クローンに勝る牛肉に品種改良するべきでは

Q.クローン肉は安全という意識改革をうっていくか?
A.はい。
予想される反論・再反論
1.遺伝多様性の喪失
クローン牛を大量生産することで、一つの個体が生産され続けることになる。これは遺伝子の多様性を失うことに繋がりかねない。
→一般に食肉として生産される個体がいる限り、遺伝子多様性の喪失が行われることは少ないと考える。また、仮に遺伝子の多様性が喪失しかけた場合、クローン技術を用いて遺伝子の喪失を防ぐことも可能である。
Q.感染病が流行した場合、取り返しがつかない可能性があるのではないか?
A.その対策にも別のクローンが役に立つのではないか
Q.実数的な損失が生まれているため現実的に難しい解決策では?
A.

Q.
A.

2.研究コストがかかる
現段階では研究コストがかかるという問題もある。
→本来の目的として生産コストを下げるためにしている。現段階では技術が不完全な部分があるためコストがかかるが将来的には減らすことが可能。技術開発には必要なコスト。
Q.
A.
参考文献・URL

  1. 「家畜クローン研究の現状について」 農林水産技術会議 https://www.affrc.maff.go.jp/docs/clone/kenkyu/clone_20220331.html

  2. 「クローン家畜に関するQ&A集」 農林水産技術会議 

  3. 前田照夫 (2009)「クローン牛, 肉やミルクは安全か?」化学と生物, 47(3), 217-221

  4. 広岡博之 (2000)「畜産分野におけるクローン技術の応用とその倫理的評価」生命倫理, 10(1), 64-69

  5. 熊谷 進 「クローン牛の食品としての安全性の研究」 農林水産省公式資料

【先生からのコメント】
CAはまとめることが目的ではない。
倫理の問題は基本的に解決されてきてはいるが、「動物の権利」や環境問題、宗教の視点、消費者など問題は複雑化してきている。
大量廃棄問題はあれど、今後食糧危機が起こることが予測されている。そこでクローン肉や昆虫食の開発などを増やしていくことはとても大切だと考えられる。


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