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筆者が就活の時に絶対にエントリーしなかった某企業のヤバすぎる話

 筆者の在籍していた東大法学部は就活観も独特だった。官公庁などを第一希望にしている人間が多く、民間企業の就活はそこまで熱心でないものが多かった。東大法学部には「民間」という進路が存在するのである。これは他の大学・学部に見られない特有のものだろう。例えるならば、理系学部における「文系就職」のような感覚かもしれない。

 東大法学部の学生はブランド志向が強く、保守的だ。したがって、民間企業に進む時も旧態依然とした一流企業を選ぶ傾向が強い。日銀とか三菱地所とか、そんなノリである。中には各業界の1番手だけを受けるという者もいた。これは就活に対する意識がやや低いというのもあると思う。経済学部の人間はもっと真面目に会社を調べているので、ブランドよりも実利を見て会社を狙っている人間が多かった。法学部は良くわからないのでブランド名に飛びついてしまうのだ。

 ところで、筆者は多くの東大法学部生が受けたがるのに、全く受ける気がなかった企業がある。それはJRだ。単純に鉄道に興味がなかったというのもあるし、給料がべらぼうに高いイメージがなかったというのもある。しかし、筆者がJRを受けなかった理由は他にもある。それは・・・










 JRという会社が極左過激派の根城になっているからである。ここ数年で改善されたようだが、未だに極左過激派はJRに潜伏しており、予断を許さないようだ。JRに総合職で就職した人間は警察官僚並みにヒヤヒヤした会社人生を送るのではないかと思う。ブラックな会社や不正をしている会社はあったとしても、テロリストのアジトが社内に存在している会社はなかなかレアだろう。

 JRが問題を抱える理由は単純だ。国策企業で絶対に潰れないが、公務員でもないので労働組合を結成することができる。その上多数の労働者を抱えているので労働争議が発生しやすい。国のインフラを握っているのでストライキを国が許容できない。こうした事情により、国鉄時代から労働組合はやりたい放題だった。ストライキを起こせば国の鉄道輸送がストップするので、国交省は何としてでもJRに労組と折り合いをつけるように圧力を掛ける。結果として労組は強力な権力を持ち、会社も労組には逆らえなくなる。こうしてJRの異常な労組は長年野放しになってきた。

 日本の大企業でここまで異常なところはない。金融機関は労働者を抱えていないので、労働争議はない。トヨタのような純粋な民間企業は会社の経営が懸かっているので、基本は労使協調だ。日産が多少トラブるくらいだろうか。国策企業は潰れないので理論上は労組がやりたい放題だが、NTTにせよJPにせよ、国鉄に匹敵する異常な話は聞いたことがない。

 国鉄の怪しい話は戦後から既に存在していた。国鉄三大ミステリーという事件がある。国鉄総裁の下山定則が不審死した下山事件、無人の列車が暴走して6人が死亡した三鷹事件、線路に細工がされ列車が脱線して3人が死亡した松川事件。これらの事件の真相は闇の中だが、労組関係の何者が関与していることは間違いない。

 国鉄は構造的に労働争議が発生しやすい環境だったが、現在に至るJRの問題は1980年代の国鉄民営化に遡る。当時の国労は頻繁にトラブルを起こしており、国も頭を抱えていた。酷い赤字体質の原因の一つもこれだった。労組の強大な力をバックに国鉄の作業員が上司に反抗し、鉄道の運行が困難になることも多かった。国鉄が地域ごとに分割されたのも、理由は労組の弱体化のためだった。

 国鉄民営化を試みる中曽根政権に強力したのがそれまで頻繁に労働争議を行っていた動労だった。反対を続けた国労に対し、動労は突如として民営化に協力したので、「コペルニクス的転回」とも言われた。当時の動労のリーダーが松崎明だ。その正体は革マル派副委員長である。民営化に協力したのも民営化後に組合内部で主導権を握り、革マル派の勢力を拡大するためだった。中核派と違い、革マル派は徹底した非公然主義であり、様々な集団に潜り込んでいる。東大にも革マル派のダミーサークルは存在した。

 この時民営化に尽力したのが松田・葛西・井出の国鉄三羽烏である。松田がJR東日本を、葛西がJR東海を、井出がJR西日本をそれぞれ支配した。このうち東海と西日本はなんとか革マル派の弱体化に成功した。葛西は死ぬまで会社を支配し続けたが、井出は福知山線事故で辞任を余儀なくされた。問題は東日本だ。松田は革マル派の排除に及び腰で、JR東労組は革マル派によって完全に支配されてしまった。

 企業がテロリストに占拠されるというのは恐ろしいことだ。JRは人事異動もいちいち労組に同意を求めなければならなかった。組合費は革マル派の活動費に流用され、革マル派は秘密工作部隊を動員して裏工作に従事した。葛西は盗聴器で愛人の存在をすっぱ抜かれ、そのことを記したパンフレットが全国のKIOSKで撒かれると言った事件もあった。他にも少しでも条件が折り合わないと、線路にスパナが置きっぱなしにされたり、送電線が切断されるなど、脅迫めいた行為が行われていた。関係者の孫が中央分離帯に置き去りにされた事件もあった。松田はこうした行為に恐れをなし、松崎と革マル派の影響力を排除することを諦めてしまう。殺人沙汰すら起こっている。革マル派は中核派と長年殺し合いを続けていたので、JR労組の幹部もしばしば中核派によって暗殺された。

 他にもJR労組の恐ろしい話を挙げればキリがない。JR労組は民主党の枝野幸男に献金しており、労組から国会議員も排出していた。松崎の運転手をしていた男だ。枝野幸男と革マル派の繋がりを追及したのが安倍晋三だった。安倍晋三も統一教会と繋がっていたことを考えると皮肉である。政治家という業界はどうなっているんだ。

 2010年に松崎が死亡すると次第に陰りが見え始め、JR東労組は2018年ごろに一気に弱体化したとされる。しかし、現在でもJR東労組内部には革マル派の勢力が浸透しており、予断を許さないというのが警察の見解となっている。

 なお、革マル派の影響を全く排除できなかったのがJR北海道だ。この会社が危機的な状態になっているのは過疎化だけだ原因ではない。JR北海道は不審な事故が頻発していた時期がある。JR北海道の社長は2代連続で自殺している。この会社の闇は深い。

参考


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