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何事も上位10%に入っている人間は「究極のハイスペ」なのか

 前回の記事で社会的成功度の最も高いIQは120であるという話を述べた。個人的にはIQに限らず、集団内では上位10%というポジションが一番心地が良いという考えを唱えている。進学校も同じだ。周囲のレベルが高すぎると自身を失って学力は下がるが、周囲のレベルが低すぎるとレベルが合っていないのでやはり学力は下がる。仕事の場合も、上位1%に入ってしまうと「なんでこの会社で燻っているんだ」となってしまう。上位10%の方が同僚と愚痴を言ったり相談に乗ったりするのも容易だろう。

 さて、上位10%を超えると効用が頭打ちになり、デメリットの方が現れてくると考えよう。IQで上位1%に入るよりは、IQが上位10%で他の分野の才能を伸ばした方が得だ。それでは何事も上位10%の位置にいる人間こそが最強のハイスペ人間ではないかという思考実験が興味をそそってくる。

 プロフィールを考える場合、こうしたケースが挙げられるだろう。

・平凡な大卒サラリーマン家庭に生まれる
・身長179センチ
・ESFJ
・千葉県船橋市出身
・中学受験を検討するが結局せず、二番手の公立高校に
・スクールカーストは常に一軍
・クラスで二番目か三番目くらいにモテた
・初デートは中3の春
・野球部に打ち込むが、甲子園は県大会ベスト16で出場ならず
・明治大学理工学部から修士に
・準大手のメーカーに新卒就職
・年収700万くらい
・AKB48にいがちな、クラスで2〜3番目くらいに美人な女性と結婚
・子供が2人いる
・長男は国立大を経てメーカー勤務、長女は薬剤師に
・家庭は最後まで円満
・壮年期も特に病気をしない
・順当に課長まで昇進
・部長にはなれなかったが、新設された「エリア担当部長」にはなれた
・還暦まで両親が健在
・65歳で定年退職し、郊外の持ち家で悠々自適に暮らす
・老後の貯金が4000万くらいある
・90歳を過ぎても認知症にならない
・94歳で死ぬ

 どうだろうか。平凡と言えば平凡だが、完璧といえば完璧だ。まるでファミリーアニメのお父さんそのものだ。これが恐らく日本で最も幸福度の高い生き方である可能性が高い。アニメ作品は通常、王侯貴族や特殊能力持ちなど、上澄みの中の上澄みが登場することが殆どだ。これに比べるとファミリーアニメは一見平凡に見える。しかし、見方を変えると彼らは稀に見る理想的な家庭だ。ファミリーアニメは王侯貴族と同じくらい「上澄み」の存在だったのかもしれない。野原ひろしは最強人間だったのだ。

 ただし、である。私はゴリゴリのENTPなので、この人物の人生を聞いても「つまらない」と思ってしまう。多少他が犠牲になってもいいから、何か非凡な成功をしてみたいものだ。ゴルフボールは表面が凸凹していることで空気抵抗を減らしている。同様に、多少偏っていたほうが人生は面白いと思うのだが、どうだろうか。


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