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東京の都市農業:カラフル野菜で挑戦する三佐男さんの話

いま都市農業が注目されていますよね。とくに都内の高級レストランは軒並み、SDGsを重視しないと格付けが下げられてしまうリスクがあります。そこで、東京で生産されながらも環境に配慮し、かつ高品質で付加価値の高い農作物が注目されるようになってきています。なんといっても東京なので鮮度がよく、採れたてを提供できることにも価値があるようで。

こうしたなか、もともと日本では作られていなかった「カラフル野菜」を都内で生産し、躍進を続ける小山三佐男さんを取材してきました。


思い立ったらすぐ行動!

まず三佐男さん、私が所属する大学の卒業生で。完全に文系です。在学中は経営を学んでいて、それが農家として働く今も役立っているそうです。トヨタのクラウンがどうやってブランディングを確立していったか。卒論で扱ったこのテーマはいま、カラフル野菜を売り出していくことにつながっていると。大学での学びをどう活かすかって、やっぱり本人次第だなと。

取材中、とても印象的なお話がありまして。三佐男さんが就農した当初は、ほうれんそうやブロッコリーなど、一般的な野菜をつくっていたそうです。で、市場に持って行ったところ。キャベツ1個の値段が「8円」だったそうです。間違いじゃなく。3か月もの間、一生懸命に育てた野菜が1個、8円です。

ショックを受けた三佐男さんは即、行動を開始します。たまたま、知り合いのイタリアンレストランのシェフに、「九州から空輸している1本900円の紅心大根をつくってくれたら、全部買い取る」と言われたそうです。

で、翌日には種を買って生産をスタート。「思い立ったらすぐ行動!」ですよね。いろんな分野で活躍している人のほとんどが、このメンタルと行動力を兼ね備えているなと。大事ですよね。

やがて、三佐男さんの野菜は、あの帝国ホテルでも採用が決まり、その後は口コミなどで一気に情報が拡散して、納品先のレストランが増えていったそうです。

すごい。としか言いようがないのですが。もちろん、そこに至るまでの苦労は相当あったかと。でも一切、愚痴のようなことは言わないんですね。そこも含めてステキな人なんです、三佐男さん。

後輩たちとのツナガリ

そんなカッコいい卒業生ですから、これは在学中の学生たちに紹介しなければ、となりますよね。さっそく先日、三佐男さんの農園に10人ぐらいの学生が訪れ、カラフルジャガイモの種まき体験をしてきたそうです。

そのときの播種の量、「400キロ」だそうです。学生たちも頑張りましたね。取材の時には、すでに芽がでてまして。6月ごろに収穫でまたお邪魔する予定です。採れたて野菜とともに、畑でBBQも。もう楽しみすぎますね(笑)

三佐男さん、「大学愛」といいますか、「後輩に対する想い」もとても強くて。自分に出来ることがあれば何でも、とおっしゃって下さるんですね。その話を聞くたびに毎回、ちょっとジーンっとくるんですが。

大学は教員+職員と学生のためだけに存在するんじゃないと思います。もっと開かれた場所であるべきだと。その想いに共感してくれる人がたくさん、いるはずなんです。だからこそ、学内と学外とを結びつける「つなぎ役」が必要で。それを自分がやろうと思っている、ということなんです。

これからのこと

三佐男さん、カラフル野菜で勝負をかけてます。さらに多くの都内のレストランで納品できるよう、毎日毎日、頑張り続けています。畑にいるだけじゃなく、いつも西へ東へ。北へ南へ。つねにアクティブなんです。どんなときも。しんどい時もあるでしょうけれども、笑顔を絶やさない人で。

そこから学ぶことがたくさん、あります。刺激を受けます。自分も、もっともっと行動していくべきなんじゃないかと。空調の効いた教室で、何でも知っているかのように「社会」を語る前に、自分自身が社会との繋がりを持ち続け、関わり続け、問題意識を持ち続けながら行動していくこと。少なくとも自分はそうしていたいと強く思っています。

ということで、もしご興味ありましたら動画、ぜひご視聴くださいませ!



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