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#118 テンセグリティ構造を知ってますか

皆さんはテンセグリティという言葉を
聞いたことはありますでしょうか?

テンセグリティとは、
「張力による統合(テンショナル・
インテグリティ)」

を意味する用語で、
アメリカの科学者であり
哲学者R・バックミンスター・フラーにより
提唱された構造のことをいいます。

この構造は生物の基本単位である細胞の
骨組み(細胞骨格)をも規定していることが
1993年ドナルド・イングバー博士により
発表され、生命の基本原理とも
考えられていると言われております。

テンセグリティ(tensegrity)は、
建築業界で生まれた概念ですが、
人間の身体を考える場合でありましても
非常に重要な概念となってきます。

人間の身体におきましては、
テンセグリティは骨だけでなく、
筋肉、腱、筋膜などが引っ張る力を
持って繋がっていることを示しています。

つまり、私たちの身体は硬い素材を釘などで結合させて組み立てるのではなく、
筋肉、腱、筋膜などの張力によって
繋がっていることになります。

テンセグリティ構造は、
バランスを保ちつつ変化することができ、
身体の安定性と柔軟性を
保つことができます。

ポイントとしましては、
全体が連動協働しているところとなります。

テンセグリティ構造の視点に立ちますと、
1箇所でも可動域制限が
かかってしまいますと、
動きの連動性・連続性が途絶えてしまい、
全体のバランスに歪みが生じ、
制限のかかっている箇所、
または離れた箇所が
壊れてしまうことがあります。

テンセグリティ構造が
適切に機能していれば、
少ない力で一定の強度を維持し、
負荷を全身に分散して
受け止めることができます。

また、骨や筋肉、筋膜などが
相互に連携して機能し、
身体の強度を保ちながら
負荷を分散して受け止めることが
できておりましたら、
筋肉や筋膜が適切に機能することで、
身体は最少のエネルギーで効率的に
動くことが可能となります。

人はバランスの生き物と言われておりますが、このテンセグリティ構造が
適切に機能していることで、
バランスが成り立つ形になります。

身体に現れる痛みや不調は、
シンプルにその部分に問題がある
場合もありますが
多くは、その部分から離れたところに
問題があったりします。

その理由としましては、
上記のテンセグリティ構造が人の身体にも
当てはまるからではないかと思われます。

ですので、ケアもトレーニングも
エクササイズも身体に関することは
部分だけでなく全体を見ながら
行っていくことが大切になります。