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#114 腰椎骨盤リズムという考え方

日常生活を送っていく中で、
身体の悩みとして多く挙げられますのは
肩こりとともに腰痛ではないかと思います。

腰痛を考えていく上で、
ひとつ大切な考え方がございます。

それは、腰椎骨盤リズムになります。

腰椎骨盤リズムとは、
体幹屈曲、または伸展していく時の
腰椎と股関節の運動学的関係性の
ことをいいます。

体幹屈曲では
股関節屈曲と腰椎屈曲
が起こります。


体幹伸展では
股関節伸展と腰椎伸展
が起こります。

加えて、骨盤が前傾した時は
体幹屈曲がしやすくなり、
骨盤が後傾した時は
体幹伸展がしやすくなります。

腰椎の各分節の可動範囲はおよそ8°とされ、
膝を伸ばした状態で
手を床につける動作をしますと
一般的な健常成人で腰椎40°、股関節70°が
ほぼ同時に屈曲するといわれています。

身体を反る場合、多くは股関節が先行し、
少し遅れて腰椎が伸展していきます。

腰椎骨盤リズムは、
腰椎と股関節の可動域制限を補い合うため
どちらか一方の可動域制限が出てしまうと
もう一方が代償する形になります。

例えば、股関節の動きが悪い場合、
腰でその動きを補う動作をしてしまいます。

すると、腰が過剰に動くことになり腰痛が
出現しやすくなります。

また、大腿四頭筋やハムストリングスが
硬くなってしまいますと
骨盤の前傾、後傾の動きが
制限されることになります。

大腿四頭筋が硬くなりますと、
骨盤の前傾位にロックされやすくなるため
体幹伸展制限が起き、腰の後屈時痛が
起こりやすくなります。

ハムストリングスが硬くなりますと、
骨盤の後傾位にロックされやすくなるため
体幹屈曲制限が起き、腰の前屈時痛が
起こりやすくなります。

腰椎骨盤リズムが上手くいっていない場合、
股関節の動きが悪い方が
多い印象ではありますが、
合わせて骨盤の前傾、後傾の動きを
自発的に行うことができない方も
多かったりします。

仰向けで、骨盤が前傾、後傾に
自発的に動かすことができるか
ご自身で確かめていただけると
良いのではないかと思います。

人の身体は、多くの骨、筋肉、関節などが
連動、共働して動くので、
部分と全体を考えることが
身体と向き合うために
大事になってきます。